勉強しようNTTのBlog - 2011/02

算数の問題と解答とを考えていきます。




2011年02月26日(Sat)▲ページの先頭へ
三角形の面積をベクトルで分解して計算する

佐藤の数学教科書「ベクトル」編の勉強

以下の内容は、高校の検定教科書では教えないことになっています。多分、これを教えると、その説明が分からない人が続出して、先生までも分からなくなる恐れもあり、学校にとってとても危険な教えだから、教える事が禁じられているのかもしれません。
そのため、以下の内容は禁止された教えであるので、この教えを知っている事を隠して生活するのが望ましいのではないかと考えます。

また、以下の内容が理解できなくても、それは、”正常”な人のあかしですので、理解できなかったからといって、決して、理解できなかった事を恥じたりしないで欲しい。また、理解できないからと言って、決して、理解できた人を迫害したりしないで欲しいと思います。
(なお、3Dゲームのソフトウェアを作るには、以下で説明する外積が必須知識だそうです。そのために外積を使うには、公式だけ覚えれば十分みたいですが。)

【課題】下図のように頂点の1つが原点Oにあり、他の2頂点が、A(a,a)とB(b,b)である三角形BOAの面積を計算する。
 三角形の辺を成すベクトルを分解して、その分解したベクトルで作った複数の三角形の面積を足し算することで、三角形の面積を計算する。
 上図のように、2つのベクトルの成す平行四辺形DBOAの面積をベクトルの掛け算(×)であらわします。
このベクトルの掛け算のことをベクトルの外積と呼びます。

(注意)
 ベクトルの外積の定義を厳密に言うと、
「2つのベクトルどちらにも垂直な方向(この図の場合は紙面に垂直な方向)のベクトルを計算すること。そのベクトルの長さは、平行四辺形DBOAの面積にする。」
です。
 平面(紙面)上のベクトルの外積を計算した結果は、いつでも紙面に垂直なベクトルで、その方向が変わることがありません。
そのため、以下の説明(計算)では、そのベクトルの長さをベクトルの外積であるものとして、ベクトルの外積を利用して計算をします。

三角形BOAの面積Sはこの平行四辺形DBOAの面積の2分の1です。

三角形BOAはベクトルOBとベクトルOAで作られる三角形です。

この三角形を作る2つのベクトルのうちの1つのベクトルOAを、下図のように、2つのベクトルに分解します。
すなわち、ベクトルOAを、ベクトルOM(単位ベクトルxのa倍)とベクトルMA(単位ベクトルyのa倍)に分解します。

上図のように、分解されたそれぞれのベクトルを使って2つの三角形を作ります。
1つ目の三角形は、ベクトルOM(単位ベクトルxのa倍)とベクトルOBで作られる三角形BOMです。
2つ目の三角形は、ベクトルMA(単位ベクトルyのa倍)とベクトルME(=ベクトルOB)で作られる三角形EMAです。
上図を見ると、その2つの三角形の面積の和が三角形BOAの面積になっていることがわかります。

ただし、ベクトルOMとベクトルOBで作られる三角形BOMは正の面積ですが、
ベクトルMAとベクトルME(=ベクトルOB)で作られる三角形EMAは負の面積を持つものとします。

この2つのベクトルで作られる三角形の面積が正であるか負であるかの区別は、三角形を作る2番目のベクトルが1番目のベクトルよりも左回りに回転した方向を向いていれば面積が正であり、右回りに回転した方向を向いていれば面積が負であるとして、区別します。

下図のように、それぞれの三角形を面積が同じ直角三角形に変形します。
三角形BOMは直角三角形NOMに変形し、
三角形AMEは直角三角形AMF変形します。
こうして、それぞれの三角形の面積を計算します。
以上のように、元の三角形を構成するベクトルを分解することで三角形を2つに分解して、その2つの三角形の面積の和で元の三角形の面積を計算することができることが確認できました。

なお、上図では、ベクトルOAをベクトルOMとベクトルMAに分解しましたが、ベクトルOAをその他のどんなベクトルの和に分解した場合でも、それらのベクトルが作る2つの三角形の面積の和は必ず三角形BOAの面積になります。

 以上の計算は、以下の式のように単純なルールに基づいて計算できます。
(1)ベクトルxと、(同じ)ベクトルxが作る平行四辺形は1本の線分につぶれていますので、その面積が0です。
(平行な2つのベクトルが作る平行四辺形の面積は0です。)
(2)ベクトルの順番を入れ替えて外積を計算すると、そのべクトル同士の回転方向が逆回りになるので、面積の正と負が逆になります。

上のベクトルの外積の計算は、三角形BOAがどんな形の場合であっても計算結果が変わらず、
三角形の面積S=(a−a)/2 (式1)
となります。
すなわち、どんな三角形の場合でも成り立つ式(ただし、面積が負になる場合もありますが)です。
そのため、どんな三角形の場合でも上の式が成り立つことが証明できました。

上の式1でクロス積の形をした部分は、行列式とも呼ばれています。

【追加:以上の式から三角関数の加法定理を導き出せる】
以上の証明は数学的な厳密性があるので、この結果を利用して、以下のようにして、三角関数のsinの加法定理を導き出すことができます。

この三角形を下図のように、偏角αとβ(頂点の角度θ=β−α)と辺の長さsとtであらわす。
=s・cosα
=s・sinα
=t・cosβ
=t・sinβ
先に得られた式1は、以下の式に書き直せる。
△BOAの面積S
=s・t(cosα・sinβ−cosβ・sinα)/2 (式2)

一方、2辺と侠角θ=β−αで三角形の面積が計算でき、その面積は、以下の式であらわせる。
△BOA
=s・t・sinθ/2=s・t・sin(β−α)/2 (式3)
式2と式3から、以下の関係が成り立つ。
sin(β−α)=cosα・sinβ−cosβ・sinα (式4)
この式は、後に学ぶ、三角関数の加法定理です。
この、三角関数の加法定理を覚え易い形の式に直すと、以下の式になる。
sin(β+γ)=cosγ・sinβ+cosβ・sinγ

リンク:
第2講4節 点と直線の距離(三角形の面積)
追加講 三角形の面積と行列式
高校数学の目次



2011年02月21日(Mon)▲ページの先頭へ
第2講4節 点と直線の距離(三角形の面積)
佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強

【問】
上図のように頂点の1つが原点Oにあり、他の2頂点が、A(a,a)とB(b,b)である三角形OABの面積を求めると以下の式になる。

△OAB=四角形OMPN−{△OMA+△OBN+△APB}
このクロス積の形をした式は、行列式とも呼ばれています。

この三角形を下図のように、偏角αとβ(頂点の角度θ=β−α)と辺の長さsとtであらわす。
=s・cosα
=s・sinα
=t・cosβ
=t・sinβ
先に得られた式1は、以下の式に書き直せる。
△BOAの面積S
=s・t(cosα・sinβ−cosβ・sinα)/2 (式2)

一方、2辺と侠角θ=β−αで三角形の面積が計算でき、その面積は、以下の式であらわせる。
△BOA
=s・t・sinθ/2=s・t・sin(β−α)/2 (式3)
式2と式3から、以下の関係が成り立つ。
sin(β−α)=cosα・sinβ−cosβ・sinα (式4)
この式は、後に学ぶ、三角関数の加法定理です。
この、三角関数の加法定理を覚え易い形の式に直すと、以下の式になる。
sin(β+γ)=cosγ・sinβ+cosβ・sinγ

(注意)
以上の考察は、数学的に厳密ではありません。
なぜなら、どんな三角形でも(式1)が成り立つことが証明されていないからです。
実際、どんな三角形でも(式1)は成り立っているので、この図の三角形の場合も、式1が導かれたというだけです。
(数学的に厳密にするには、上の図の形だけではなく、全ての種類の、三角形とそれを囲む四角形の形の場合(その場合の数はそれほど多くはありませんが)について、いずれの場合にも上の式1が成り立つことを証明すれば、数学的に厳密な証明になります。)

普通に数学的に厳密にするには、(式1)は、以下のようにして証明します。
先ず三角形の加法定理(式4)を用いて、(式2)を導き、
(式2)を書き直すと(式1)になるので、 全ての三角形について、(式1)が成り立つことが証明できます。

(他の証明方法)本ページの最初の計算方法に近い方法に、ベクトルに分解して三角形の面積を計算する方法があります。その方法による公式の証明は、三角形の面積をベクトルで分解して計算するを参照してください。

リンク:
三角形の面積をベクトルで分解して計算する
追加講 三角形の面積と行列式
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2011年02月20日(Sun)▲ページの先頭へ
第2講2節 2直線の関係(三角形の垂心の座標)
佐藤の数学教科書「図形と方程式」編の勉強

【問】下図のようにA点が原点Oにあり、BCがX座標軸に平行な三角形ABCの座標を図のように定義した上で、その三角形の垂心Dの座標を求めよ。

(1)点あるいはベクトルの座標値を記号であらわすときは、上図の様に添え字を付けて座標記号をあらわし、点の名前BとCを引き継いだ記号であらわしてください。そうした方が、記号の意味の見通しが良くなるからです。
(2) 高校2年になると、座標点Bの座標値の名前が、名前Bを引き継いだbなどの記号であらわすので、線分OBの長さをbで表します。
 三角形の頂点Bに対向する辺OCの長さは、高校1年までとは違って、b以外の記号で(上図ではcと)表します。

【解答】
 上図のように、先ず、三角形の辺の直線の方程式を求める。
次に、その方程式のxの係数とyの係数を入れ替えて、一方の係数の正負を逆にすることで、その直線に垂直な直線の方程式を計算する。
その結果、2つの垂線の方程式が、以下のとおりに得られる。
(式1)*b−(式2)*cを計算して以下の式を得る。
(注意)D点のx座標が0ということは、AからBCに下ろした垂線にD点が交わることを意味する。すなわち、垂心は3つの直線の交点であることが示されている。
(式3)を式1に代入してy座標を求める。
∴Dの座標は、

すなわち、D点の辺BC上の高さは、
である。

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2011年02月19日(Sat)▲ページの先頭へ
第4講 分点の位置ベクトル(ベクトル方程式の落とし穴)


佐藤の数学教科書「ベクトル」編の勉強

平行なベクトルは、ベクトルに係数を掛けるだけで簡単に作れます。
垂直なベクトルは、ベクトルの成分のX座標とY座標を入れ替えて、1つの座標のみ、正負を逆にすることで作ります。

(注意)ベクトル方程式で、垂直なベクトルを使う場合、以下の注意が必要です。
 ベクトルAとベクトルBがある場合に、ベクトルAに垂直なベクトルCを作ってベクトル方程式を計算する場合に、最小限に独立なベクトルだけに絞り込んで計算します。

最小限に独立なベクトルだけにするために、ベクトルBをベクトルAに平行な成分と、それに垂直なベクトルCに平行な成分に分解して、ベクトルBを消去して計算します。

 この成分への分解が複雑な式になる場合があります。
その場合は、ベクトル方程式を書いて解くよりも、XY座標軸を使って、その座標軸での点の座標の成分を計算して解く方が、速く答えを求められる場合があります。

 その理由は、垂直なベクトルを計算するのに、ベクトルのXY座標成分を使う必要があるからです。そもそも、XY座標成分を考える必要があるなら、始めからXY座標軸だけを考えて計算した方が単純に解けるかもしれないと思います。

 すなわち、特に、垂直なベクトルを新しく計算してから問題を解く場合などでは、垂直なベクトルを扱う手間が余分にかかるので、ベクトル方程式の方が、XY座標軸を使って問題を解く場合よりも、手間がかかる、落とし穴があるので、注意が必要です。

 ただし、このように垂直なベクトルが簡単に作れないという問題は、ベクトルを複素数平面で記述すると一気に解決できます。複素数平面では、垂直なベクトルがとても簡単に作れるからです。

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2011年02月17日(Thu)▲ページの先頭へ
第4講 分点の位置ベクトル(メネラウスの定理)


佐藤の数学教科書「ベクトル」編の勉強

【問】
 上の図のように三角形ABCとそれに交差する直線の位置を位置ベクトルであらわして、メネラウスの定理を、ベクトル方程式を用いて証明せよ。


【解の方針】
 2次元平面上の図形の問題をべクトルで解くときの重要な解答方針は、
「2次元平面上の全ての方向のベクトルが、2つの独立なベクトルに係数を掛けて足し合わせることであらわすことができる」
という重要な原理を利用します。
 つまり、全てのベクトルを2つの独立なベクトルの合成によってあらわし、その2つの独立なベクトルを使ったベクトル方程式を作って計算します。

 そのため、上図のようにして、点Aが原点Oにあるとして、直線BCとEFの交点Dを、2つのベクトルOEとOFと2つの変数 t,uを用いたベクトル方程式を用いて、求めます。そして、メネラウスの定理における線分の長さの比を計算します。

【証明開始】


(式3)と(式4)から、以下の式が得られる。
 
 

メネラウスの定理を、以下のように、uとbとcであらわして整理する。
メネラウススの定理は、uについては、(u+1)/uを計算する必要があるため、以下でu+1を計算して、それをuで割り算する。
(証明おわり)

このように、ベクトル方程式を解けば、自然にメネラウスの定理が証明できます。

ベクトル方程式によりメネラウスの定理が導けるので、メネラウスの定理の応用問題もベクトル方程式で解くことができます。

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2011年02月12日(Sat)▲ページの先頭へ
第4講 分点の位置ベクトル(三角形の重心の公式)


佐藤の数学教科書「ベクトル」編の勉強

【問】三角形の重心の位置をあらわす公式を、ベクトル方程式を用いて、三角形の辺の中点と頂点を結ぶ2つの線の交点の位置を計算することで導け。

 これは、その交点をGとして、以下の図のようにして、点Aが原点Oにあるとして、2つのベクトルOBとOCと2つの変数 t,uを用いたベクトル方程式を用いて、求めます。
(注意)この図では、ベクトルで頂点を表す必要から、ベクトルBの長さABを長さbとします。高校1年で頂点Bに対向する線分CAの長さをbと名付けていたことから変わっています。

先ず、重心Gに至る2つの経路について、ベクトルを足し合わせて重心Gの位置ベクトルを計算します。
次に、この2つの位置ベクトルGを等しいとしたベクトル方程式を立てて、計算します。
位置ベクトルB=OBと位置ベクトルC=OCとは異なる方向を向いているので、そのベクトルの和が0になるためには、各々のベクトルOBとOCの係数が0の場合に限られる。
そのため、以下の式がなりたつ。
 この式2を解くと式3が得られる。
 式3を式1に代入して計算する。
これで、重心の位置ベクトルGを表す式が得られた。

次に、点Aが原点Oで無い任意の位置にある場合を計算する。
これは、上で得られた公式を以下のように書き直して計算する。
以上のようにして、三角形の重心はその3頂点の位置ベクトルの和の3分の1になるという、重心の位置の公式が導きだせた。

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2011年02月11日(Fri)▲ページの先頭へ
第3講 ベクトルの内積(点と直線の距離)


佐藤の数学教科書「ベクトル」編の勉強


先に、上図のように、原点と直線の間の距離がhである直線の式(点Aを通る直線mの式)が得られました。

【問】
点Aを通る直線mと、空間上の任意の位置の点B(z,u)との間の距離cを求める公式を導け。

この問題を解く手順は、下図のように、点Bを通り、直線mに平行な直線nを考えます。その直線の原点からの距離をbとすると、その直線nの式は下図の式になります。


その結果、上図のように、点Aを通る直線mと、空間上の任意の位置の点B(z,u)との間の距離cは、平行な直線mと直線nとの間の距離h−bになります。
 よって、上の式がh−bを与える公式です。


 この点Bと直線の距離の公式は、数Uの「図形と方程式」で学ぶ予定です。
この公式を上図のようにしてベクトルの内積で素早く導出することをおぼえておけば、よりやさしく公式を覚えられると思います。

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第3講 ベクトルの内積(直線の式)


佐藤の数学教科書「ベクトル」編の勉強


上図のように、互いに垂直で絶対値が1の2つの単位ベクトル を考える。
上の図の、直角三角形OABの、単位ベクトル に平行な方向の辺OBの長さ、および、単位ベクトル に平行な方向の辺BAの長さは、それぞれの単位ベクトルと頂点Aの位置ベクトル(OA)との内積で計算できます。

(1)線分OBは、ベクトルOAの、単位ベクトル の方向の、点Oを通る直線への正射影であり、
(2)線分BAは、ベクトルOAの、単位ベクトル の方向の、点Aを通る直線への正射影です。


上図のように、点A(x,y)を通る直線であって、単位ベクトル に垂直な直線、と原点Oとの距離hは、
単位ベクトル と点Aの位置ベクトルの内積であらわせます。
その内積の式を展開すると、直線をあらわす式
h=x・cosθ+y・sinθ
になります。
逆に、上の式のように、単位ベクトル の成分cosθとsinθをxとyの係数にした直線の式では、残りの係数hは、直線と原点Oとの距離をあらわす式になります。

【補足】
実は、ベクトルでは、以下の(その1)の式のように、パラメータtを使ってあらわした直線の式(その1の式)があります。
(その1)の直線の式を、以下のように、ベクトル との内積をした式に変形すると、先に示した直線の式(その2の式)に変わります。



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第3講3節 ベクトルの内積


佐藤の数学教科書「ベクトル」編の勉強

2つのベクトルがあるとき、
その各ベクトルの長さの2乗は、そのベクトルの成分によって以下のようにあらわせます。
ベクトルOWの2乗=W+W
ベクトルOSの2乗=S+S
この計算を2つのベクトルにまたがって計算する計算をベクトルの内積とします。


すなわち、
その2つのベクトルの内積が、そのベクトルの成分を用いて以下の式(1)で定義されます。

 =S+S   (式1)


上図のように、絶対値が1の2つの単位ベクトルがあるとき、
その2つの単位ベクトルの成す角度θの余弦cos(θ)は、この2つの単位ベクトルの内積と等しくなります。

=||・||cos(θ)=cos(θ)

以下で、その関係があることを示します。
単位ベクトルの偏角はαとし、単位ベクトルの偏角はβとする。


,W,S,Sとαとβとθの間には以下の関係があります。
θ=β−α
=cosα
=sinα
=cosβ
=sinβ

余弦定理により

∴ cos(θ)=S+S

なお、単位ベクトルの内積の式(式1)は、以下の式(三角関数のcosの加法定理)と同じ式です。
cos(β−α)=cosβcosα+sinβsinα  (式2)

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2011年02月05日(Sat)▲ページの先頭へ
第2講3節 2つのベクトルの成す角のsin


佐藤の数学教科書「ベクトル」編の勉強


【問題】上図のように、絶対値が1の2つのベクトル
 


があるとき、
その2つのベクトルの成す角度θのsin(θ)を求める。
ただし、
ベクトル の偏角はαとし、
ベクトル の偏角はβとする。

なお、ベクトルOWの成分W,Wと、ベクトルOSの成分S,Sとαとβとθの間には以下の関係があります。
θ=β−α
=cosα
=sinα
=cosβ
=sinβ

cos(θ)が余弦定理で求められるので、それを利用してsin(θ)を求めるのが正式な求め方ですが、
ここでは、三角関数の加法定理が先にわかっているものとして、
その定理を使って、sin(θ)を求めます。
その方法では、簡単にsin(θ)が求められるので、その手順を覚えておけば
ベクトルのなす角度のsin(θ)をαとβであらわす公式を簡単に覚えられます。

三角関数の加法定理のsinの公式は、以下の覚え易い式です。
sin(β+γ)=sinβcosγ+sinγcosβ (式1)
ここで、
β+γ=β−α=θ
として、式1を、βとαによる式に置き換えます。
sin(β−α)
=sinβcos(−α)+sin(−α)cosβ
=sinβcos(α)−sin(α)cosβ
∴sin(θ)=sinβcosα−sinαcosβ
sin(θ)=S−W (式2)
式2を覚えるために上の絵を書いて覚えるようにすると、覚え易いです。

ベクトルのなす角のsinの公式(式2)を、以上の手順で素早く導き出せるように、以上の導き方を覚えておきましょう。
そうすれば、覚えにくい、ベクトルのなす角度のsinの公式が、覚えやすくなります。

(式2を直接思いだすときの注意)
式2の公式を(式1)から導き出さずに、直接(式2)の形の式を思い出したときには、
公式の正と負とを入れ間違える事が多い、とても間違え易い公式なので、
思い出した公式が正しいかどうかを、以下の図の場合でたしかめてください。
この図のW(1,O)とS(0,1)の場合に、正しい答え(=1)が出るかどうか、公式2を思い出す毎に確かめてから、公式を使ってください。
面倒ですが、間違え易いので、このような検算をやるしかないと思います。

この検算をやるしかないので、いっそのこと、
 上の図のように検算方法を組み込んだ図を覚えて、この公式の(式2)を思いだすようにした方が良いと思います。

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高校数学の目次



第4講1節 三角関数の加法定理とは(1)
佐藤の数学教科書「三角関数」編の勉強

以下の加法定理を導く計算は覚えにくいかもしれません。
ベクトルの内積を学んだ人には、「加法定理とは(2)」
の計算の方が分かり易いので、そちらを読んでみてください。

佐藤の数学教科書で、cosの加法定理を以下のようにして導いています。

上図のように、半径が1の単位円上の2つの点WとSがあり、
点Wの偏角はαとし、点Sの偏角はβとする。
その2つの点の偏角の差β−α=θの余弦cos(θ)を求める。

点Wの座標(w,w)と点Sの座標(s,s)とαとβとθの間には以下の関係があります。
(なお、上図の様に添え字を付けてあらわした座標記号を使い、点の名前WとSを引き継いだ記号であらわしてください。そうした方が、記号の意味の見通しが良くなるからです)
余弦定理により
各座標をαとβの三角関数で置き換えると、
(式2)は、cosの加法定理です。
この形であらわしたcosの加法定理は、2項を足し算した公式なので覚え易いと思います。

(sinの加法定理)
また、sinの加法定理は、上の式のcosをsinを用いた形に変えることで導けます。
sin((π/2)−(β−α))
=cosβcosα+sinβsinα
ここで、
(π/2)−β=γ
と置き換え、
β=(π/2)−γで書き換えます。
sin(γ+α)
=cos((π/2)−γ)・cosα
+sin((π/2)−γ)・sinα
sin(γ+α)=sin(γ)・cosα+cos(γ)・sinα
sin(γ+α)=sinγcosα+cosγsinα (式3)
(式3)は、sinの加法定理です。
この形であらわしたsinの加法定理は、2項を足し算した公式なので覚え易いと思います。

(sinの加法定理のその他の証明) 
先ず、以下の三角形を考えて3辺の長さを以下の様に計算する。
この辺BCの長さaについては:
BC=2RsinA ,
でもある。
よって、
BC=2RsinA=2R(sinCcosB+sinBcosC) ,
sinA=sinCcosB+sinBcosC ,
sin(π−B−C)=sinCcosB+sinBcosC ,
sin(B+C)=sinCcosB+sinBcosC ,
(証明おわり)

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