勉強しようNTTのBlog - 2013/02

算数の問題と解答とを考えていきます。




2013年02月21日(Thu)▲ページの先頭へ
高校物理:2巻きの超伝導コイルの導線に働く力
 

【問】
 下図のように、2巻きの超伝導コイルに電流が流れていない状態で、磁石を近づけて、磁石による外部磁場の磁束ΔΦをコイルのループ内に侵入させた場合を考えます。

 その2巻きのコイルの導線の間隔(線の中心間の距離)の最大値がdとします。
 このとき、超伝導コイルは電流Iを流して、結局は、コイルを横切る磁束が元通りの0になるようにします。
 そのときに、コイルの2本の導線の間隔がdの位置における、コイル自身の電流による、コイルの導線に単位長さあたりに働く力Fを計算しなさい。

 ただし、この2巻きの超伝導コイルの自己インダクタンスはLとし、導線間隔dはコイルの半径rに比べて十分短い距離であるものとします。
d≪r
(注意)コイルのインダクタンスLは、コイルの巻き数が2程度で小さい場合は、コイルの導線の太さが小さいほど大きくなり、導線の太さによってインダクタンスLが変わります。

【解答】
 この2巻きコイルを横から観察すると、下図のように見えます。

 N巻きのコイルを横切る(コイルの外部からの)磁束Φが、Δtの時間でΔΦ変化すると、N巻きのコイルには誘導起電力E[ボルト]の電圧が
E=−NΔΦ/Δt (式1)
発生します。
(注意)誘導起電力の計算では、コイル自身の電流Iにより発生する磁束は計算に入れない。外部からの磁束のみで計算します。

 この誘導起電力に応じて、以下の式による電流Iの変化ΔIを生じます。
E=−L(ΔI/Δt) (式2)
 式1と式2から、
E=−NΔΦ/Δt=−L(ΔI/Δt)
NΔΦ=L・ΔI
∴ ΔI=NΔΦ/L
 この超伝導コイルには、最初は電流I=0でしたので、
I=ΔI=NΔΦ/L (式3)
です。
 この電流Iによって、コイルの各導線が磁場Hを発生しています。
 コイルの導線の電流Iの近くでは、直線の導線の電流Iが発生する磁場と同じく、
H=I/(2πd)
の磁場を発生しています。
 そのため、コイルの1本の線の電流Iの流れる線が単位長さあたりに、距離d離れて平行するコイルのもう1本の線の電流Iから受ける引力Fは、以下のように計算できます。

この大きさで、コイルのもう一方の導線に引きつけられる力が働きます。
(注意)コイル全体の電流からの力も働きますが、その力は、以下のように、対向して隣接する導線からの力に比べると十分に小さいので無視しました。つまり、遠方のコイルの電流からは、コイルの導線の電流Iの単位長さあたりにμ・I・(2・I/(2r))程度の力が加わります。
(1/r)≪(1/d)なので、その力は、対向して隣接する導線からの力に比べて十分小さいので無視しました。
(解答おわり)

(補足)
 以上の解答で計算した力Fは、dが小さくなればなるほど、(1/d)にほぼ比例して大きくなります。
 その理由は、後に大学で教わることですが、dが小さくなるときの、そのdよりも細い導線を使うべきこのコイルの(導線を細くすることによる)Lの増え方はdの減り方に比べると緩やかなので、結局、dLはdが小さくなるとdと一緒にどこまでも小さい値になります。
 そのため、外部磁場からこのコイルに加わる力もあり得ますが、以上の解答で計算した力Fは、dが十分小さければ、その力も上回ります。d≪rの条件によって、その条件もほぼ満足しています。

【リンク】
「高校物理の目次」




2013年02月20日(Wed)▲ページの先頭へ
高校物理:磁場の中を運動する平行平板
 
 

【問】
 下図のように、紙面に垂直な面の金属の平行平板があり、その両方の金属板を金属線で接続しています。そこに、紙面から紙面の手前に向く磁場(磁束密度B)を加えます。
 そして、その金属の平行平板を、平板の面の方向で磁場に垂直な方向に速度vで運動させます。
 このとき、この金属の平板は電磁場からどのような力を受けるか。
平行平板の面積はSとし、平行平板の間隔をdとする。

【解1】
 先ず、この問題を、平行平板といっしょに運動する運動座標系の観測者から観測される状況に基づいて解きます。
 その座標系で観察すると、下図のように見えます。

 磁場Hが速度Vzで運動するので、誘導電場Exが発生します。
 その誘導電場Exが加わった金属の平行平板とそれをつなぐ金属線は、どこでも電位が同じになるように電荷が移動して空間から加わった誘導電場Exを打ち消す電場を発生させます。
 それにより打ち消される金属板間の電圧は、Ex・dです。そのため、平行平板の両端には、平行平板に電圧Ex・dがあらわれるだけの電荷q=C・(Ex・d)がたまります。

 金属の平行平板には電荷qがたまりますので、その電荷qには、対向する電荷からの電場が加わります。その電場の大きさは以下のように計算できます。
 電荷qには、誘導電場Exと、対向する電荷からの電場とが加わり、その電場の合計が、以下のように、電荷qに力Fを及ぼします。
この大きさの力Fが、平行平板同士を遠ざける方向に加わります。
(解答おわり)

【解2】
 次に、この問題を、磁場と一緒に静止している座標系の観測者の視点で解きます。
(この解き方の方が普通の解き方であると思います)
 その座標系で観察すると、下図のように見えます。

 速度vで運動する金属線に、単位長さあたりに起電力Eが発生します。金属板間の距離dでは、E・dの起電力が発生します。その起電力の電圧E・dが金属板間に加わります。
(磁場中における金属板間の電圧は、観測者の運動座標系が異なれば異なります)
 平行な金属板は容量がCのコンデンサーを成すので、電圧E・dが加われば、その平行金属板に電荷q=C・(E・d)がたまります。
 そうして溜まった電荷は平行な金属板と一緒に速度vで運動しますので、磁場からローレンツ力を、平行平板同士を遠ざける方向に、受けます。

 電荷qには、ローレンツ力と、対向する金属板上の電荷の発生する電場(E/2)からの力を受けます。
 その総和の力を計算すると、以下のようになります。

この大きさの力Fが、平行平板同士を遠ざける方向に加わります。
(解答おわり)

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「高校物理の目次」




2013年02月16日(Sat)▲ページの先頭へ
高校物理:磁極間に働く力
 
 
「高校物理の発想の基本」
高校物理の電磁気で、以下の図のように、電荷qが発生する電場をあらわす式を教わります。

上の電場Eの強さを与える式の表現の仕方は式の見通しを良くする表現方法です
 つまり、係数k=1/(4πε)と書いて、εを用いて係数k=9×10(N・m/C)をあらわすのは、上の式から電束強度D=εEをあらわす式を求める場合に、式をε倍にして係数を(1/(4π))にするだけで、すぐに電束強度を与える式が導けます。単位電荷による、1/(4πr)の電束強度を、半径rの球面積の4πrで積分すれば、単位電荷の全電束量が1になります。

 電場Eから力を受ける(電束を湧き出させる)電荷qに対応させて、磁場Hから力を受ける(磁束を湧き出させる)磁極という概念を考えることができます。その磁極は、電荷qが電場Eから力を受ける法則と対応した、上図に示した力を受ける法則を満足します。
 なお、磁束Φの湧き出し=mです。
 磁束Φが湧き出すのが磁石のN極で、磁束Φを吸い込むのがS極です。

(なぜ、電流Iの単位長さに働く力はIHでなく、μIHなのか)
電荷qに働く力=qE
です。
それなのに、
電流Iの単位長さに働く力=μIH
です。
 この差が出る理由は、
磁場Hというのは磁極(磁束)Φに働く力を与える場だからです。
磁極Φに働く力=ΦH
です。
Φ=μH・(面積)=μ(I/長さ)(面積)
=μ(面積/長さ)I=μ(長さ)I
だから、
力=ΦH=μ(長さ)I・H
そのため、
単位長さあたりの力=μI・H
になるのです。

(答えの検算用の単位の検算表)
(εμ)=(1/速度)
q=I・時間=H・長さ・時間=εE・面積
 =εV・長さ=εΦ・速度
Φ=V・時間=E・長さ・時間=μH・面積
 =μI・長さ=μq・速度
H=εE・速度=I/長さ
E=μH・速度=V/長さ
I=H・長さ=q・速度/長さ=q/時間
 =εV・速度
V=E・長さ=Φ/時間
 =μI・速度
C=q/V=εE・面積/(E・長さ)=ε・長さ
L=Φ/I=μH・面積/(H・長さ)=μ・長さ
LC=εμ・面積=(長さ/速度)=(時間)
力=q/(ε面積)=qE=E(ε面積)
 =εV
力=Φ/(μ面積)=ΦH=H(μ面積)
 =μI
力=μqI/時間=μqH・速度=μIH・長さ
 =μ(q/時間)=q/(ε面積)
 =ε(Φ/時間)=Φ/(μ面積)
 =εΦV/時間=εΦE・速度=εVE・長さ
力=EH・長さ・時間=Eq=ΦH
VI=[電力の]W=EH(面積)=E・(長さ)q/(時間)=力・(速度)

(εとμの思い出し方)
 εとμの値を忘れたが、どうしても思い出したいとき、以下のように計算すれば思い出せます。
 先ず、
電荷間の力の係数k=9×10(N・m/C)=1/(4πε)
は覚えておきましょう。それを覚えていれば、
ε=1/(4πk)
で計算すれば、εが思い出せます。
 次に、光速度c=3×10(m/s)=√(1/(ε・μ))は覚えておきましょう。それを覚えていれば、
=1/(ε・μ)
μ=1/(ε・c)=4πk/c
で計算すれば、μが思い出せます。

【リンク】
「高校物理の目次」




高校物理:コイルの線の近くの磁場の大きさ
 
 
「高校物理の発想の基本」
高校では、下図のように、
直線状電流がA点に作る磁場の強さと、1巻きコイルに流れる電流がコイルの中心のB点に作る磁場の大きさを教わります。


 それでは、1巻きコイルの、コイルの線からの距離bのC点での磁場の大きさはいくらになると考えられるでしょうか。
 1巻きコイルに流れる電流がコイルの中心B点に作る磁場Hの大きさは、コイルの半径に反比例して、コイルが大きくなるほど小さくなります。
 そのことから、コイルの全電流部分が集まって作る磁場の大きさは、その全電流部分の影響をあわせても、コイルの大きさに反比例する影響しか与えないことがわかります。

 1巻きコイルの結果から推測すると、直線状電流でも、上図のA点からrより十分大きいある距離R以上離れた位置の電流の影響を全部集めても、たかだか、1/R程度の大きさの磁場を発生する影響しか与えられていないだろうと推測できます。
 そして、また、1巻きコイルでも、コイルのC点からbより十分大きいある距離R以上離れた位置の電流の影響を全部集めても、たかだか、1/R程度の大きさの磁場を発生する影響しか与えられていないだろうと推測できます。

 1巻きコイルで、コイルの線からの距離bのC点での磁場Hの大きさは、もし、距離bが1巻きコイルの半径rより十分小さければ、C点から距離bよりある程度大きい距離以内の電流の寄与が大部分と考えられます。
 すなわち、1巻きコイルのコイルの線からの距離bのC点での磁場Hの大きさは、磁場Hを発生するのに寄与する電流部分はbよりある程度大きい部分までを考えれば良く、もし、距離bが1巻きコイルの半径rより十分小さければ、その部分は、直線とほとんんど変わらないと考えられます。
 その場合は、C点の磁場は、真っ直ぐな直線状に流れる電流が、電流からの距離bのC点に発生する磁場Hの大きさと同じと考えられます。

 そのため、1巻きコイルのコイルの線からの距離bのC点での磁場Hの大きさは、もし、距離bが1巻きコイルの半径rより十分小さければ、

H=I/(2πb)

になると考えられます。

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2013年02月14日(Thu)▲ページの先頭へ
高校物理:誘導起電力のおぼえ方
 
 
「高校物理の発想の基本」
 下図のように1巻きコイルに加える磁束Φを時間変化させると、
コイルに誘導起電力Eが発生すると教わります。
(N巻きコイルでは、このN倍の誘導起電力が発生する)
 その誘導起電力Eは、コイルに発生する電圧のことでは無く、仮想的な電源の電圧Eをあらわします。

 仮想的な電源の誘導起電力Eを発生させる磁束Φは、外部磁界がコイルを貫く磁束Φinのみであって、コイル自身に流れる電流が自ら発生する磁束Φは計算に入れません。
(N巻きコイルでは、磁束Φinが発生するN倍の誘導起電力が発生する)
 下の回路図のように、「誘導起電力」という仮想的な電源が回路に電圧や電流を発生するものとして回路図を描くことができます。

 誘導電圧Vは、その誘導起電力Eから、上図の回路のAB間の抵抗r(コイルの内部抵抗も加える)に発生する電圧を計算することで求めることができます。

(注意)
 1巻きのコイルの電流Iが自ら発生する磁束Φself=L・I
です。

 超伝導コイルの場合は、下図のように、外部磁場の変化が、超伝導コイルに誘導電流を流す作用を及ぼしています。

 それは、以下の回路図のように、外部磁場の時間変化が「誘導起電力」を発生し、それがコイルに誘導電流の時間変化を発生させているとして説明できます。
 また、上の計算の結果、1巻きの超伝導コイルの電流Iの変化は、

(コイルに流れる電流lの変化)
=(コイルを貫く外部磁束Φinの変化)/(インダクタンスL)

となります。

(誘導起電力Eは誘導電流の方向でおぼえる)
 誘導起電力は、電圧から考えるよりは、コイルに、どの方向に電流を誘起するかを考えるのが良い。次に、その電流が外部に接続した抵抗に発生する電圧を考えるようにする。
 誘導起電力は誘起する電流の方向(外部磁場の変化を打ち消す電流)でおぼえるとおぼえやすいです


【リンク】
「高校物理の目次」




高校物理:コイルに誘導電圧を発生する磁場はどれ
 
 
「高校物理の発想の基本」
1巻きコイルに加える磁束Φを時間変化させると、
下の図のように、コイルに誘導電圧Vが発生します。
(N巻きコイルでは、このN倍の誘導電圧が発生する)

 誘導電圧Vとは、下図のABの間につないだ抵抗r(コイルの内部抵抗も加える)に発生する電圧のことです。

 ただし、その誘導電圧を発生させる磁束Φは、コイル自身に流れる電流によって自ら発生した磁束Φを含んで計算します。
 上図は、誘導電圧Vが発生するしくみを説明する平面図です。コイルに紙面の裏に向く磁束が侵入してコイルに囲まれる磁束を増そうとします。ここで言う磁束にはコイル自身の電流が発生する磁束も含めた合計の磁束を意味します。
 そうすると、その磁束の運動により、コイルの金属面に平行な電場が発生します。コイルを構成する金属は、金属面に平行な電場を打ち消す電荷分布を生じます。
 コイルの端子の外にあらわれる誘導電圧は、金属の電荷分布が生じる電圧です。その電圧は、磁束の運動が生じる電界(電圧)に逆らう方向(逆方向)になります。


 一方、超伝導コイルでは、下図のように、コイルが自ら発生する磁場Hが大きい結果、コイルの誘導電圧が0になります。

 閉じた超伝導コイルの場合は、コイル自身に流れる電流の発生する磁束が、外部磁束のコイルへの侵入を打ち消しています。それにより、コイルに侵入する磁束が無くなるので、コイルの金属面に平行する電場はあらわれません。そのため、コイルには電荷分布も発生しません。
 外部磁場は、超伝導コイルに誘導電流を流す影響を与えています。
 (超伝導コイルには、外部磁場の変化に逆らう電流が流れます。)

 以上のように、誘導電圧、あるいは誘導電流が外部磁場によってコイルに誘導されます。この外部磁場の作用の、誘導電圧あるいは誘導電流は、仮想的な電源として「誘導起電力」によって発生させられると考えられています。この「誘導起電力」については、次のページで説明します。

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「高校物理の目次」




2013年02月13日(Wed)▲ページの先頭へ
高校物理:コイルのインダクタンスの式
 
 
「高校物理の発想の基本」
コイルのインダクタンスの式をおぼえるのが大変な人は、以下のように導くと良い。
 下図のようにコイルのインダクタンスLのエネルギーの式と、単位体積あたりの磁場のエネルギーの式をおぼえておいて、下図のように計算して対応付けます。

 単位体積あたりの磁場のエネルギーの式は上の式で、磁場Hの2乗に比例します。
 それに磁場の存在する体積SYを掛け算すると全磁場のエネルギーが得られます。
 コイルの蓄積するエネルギーは、下の式1のように、コイルのインダクタンスLであらわせます。

 その式1のエネルギーは、その右辺のあらわす全磁場のエネルギーと等しいです。
 両辺が等しいので、右辺を計算していけば、左辺があらわすコイルのインダクタンスLをあらわす式が得られます。

 コイルの磁場Hは、コイルの単位長さあたりの電流密度i。
を式1の右辺に代入して、以下のように計算します。

 この式を式1の左辺と比較すると、式1の左辺のインダクタンスLが得られます。
なお、コイルの断面Sを横切る磁束をΦとすると、
N巻コイルは、
電圧=LdI/dtがdΦ/dtのN倍
になります。

(注意)
 以上で説明したのは、巻き数Nが多く長さYが√Sに比べて長いコイルのインダクタンスLを与える式です。
 コイルの巻き数が数巻き程度で小さい場合は、コイルのインダクタンスLは、コイルの導線の太さが小さいほど大きくなり、導線の太さによってインダクタンスLが変わります。
 また、巻き数Nが小さいコイルは、インダクタンスLは、巻き数Nが増すと、
(1)コイルの間隔がコイルの導線の太さ程度でコイルの導線が密集している場合は、おおむね、1巻きコイルのインダクタンスのN倍程度に増加します。
(2)コイルの間隔がコイルの導線の太さより大きいと、そのインダクタンスLが、おおむね、 1巻きコイルのインダクタンスのN倍程度に増加します。
(3)そして、コイルの長さYが長くなるにつれて、インダクタンスLが、1巻きコイルのN倍よりは小さくなって、多数巻きコイルのインダクタンスLの式に従うようになります。

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高校物理:超伝導コイルをつぶす場合
 
 
「高校物理の発想の基本」
超伝導線で作ったコイルの壁をつぶすと、
下の図のように、コイルが囲む磁束の和が変わりません。
そのため、コイルの中の磁場の密度が高くなります。

 コイルの中の磁場の密度が高くなるので、コイルの磁場を発生する電流密度I’も高くなります。
コイルのインダクタンスLは、コイルの軸方向の断面積Sに比例して小さくなります。
(コイルの巻き数をNとし、コイルの電流密度をiとすると、
L=μ(i/コイル電流)SN
です。)
 コイルが蓄積する磁場のエネルギーは(L・I/2)ですので、インダクタンスLが1/2になっても電流が2倍になれば、
コイルが蓄積する磁場のエネルギーは2倍になります。

 それで、コイルの導線をコイルの内側につぶすには、仕事(エネルギー)をコイルに与えなければなりません。
 結局、コイルの導線をコイルの内側につぶすには、コイルの導線が磁場から外側に押されている力に逆らって仕事をしなければなりません。

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「高校物理の目次」




高校物理:コンデンサの合成容量
「高校物理の発想の基本」
【コンデンサーを並列接続した容量】
 下の回路のAとBの間の容量Cは以下のようになります。


【コンデンサーを直列接続した容量】
 下の回路のAとBの間の容量Cは以下のようになります。


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「高校物理の目次」




高校物理:コイルの電流Iが受ける力
 
 
「高校物理の発想の基本」
下図の例のように、
電流が、自らの電流密度iが生じる磁界Hから受ける力Fは、外部磁界H/2から受ける力と同じです。


 電流Iが、自らの電流密度iの生じる磁場Hから受ける単位長さあたりの力fは、外部磁界H/2から受ける力と同じ。
 コイルの導線面は、単位面積pあたり、上式の力(圧力)を受ける。

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「高校物理の目次」




高校物理:コンデンサの電荷qが受ける力
 
 
「高校物理の発想の基本」
下図の例のように、
電荷密度qが、自ら生じる電界Eから単位面積あたりに受ける引力fは、外部電界E/2から受ける力と同じです。

 電荷密度qが、自ら生じる電場Eから単位面積あたりに受ける引力fは、外部電界E/2から受ける力と同じ。
 コンデンサーの電極面は、単位面積あたり、上式の力(引力)を受ける。

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「高校物理の目次」




2013年02月12日(Tue)▲ページの先頭へ
高校物理:抵抗の合成(2)
「高校物理の発想の基本」
【問】
下図の回路のAとBの間の抵抗を求めよ。


この抵抗値Rは、下図のように計算できます。

【リンク】
「高校物理の目次」




高校物理:抵抗の合成
「高校物理の発想の基本」
【問】
下図の回路のAとBの間の抵抗を求めよ。

この抵抗値Rは、下図のように計算できます。

【リンク】
「高校物理の目次」




高校物理の目次


2013年02月11日(Mon)▲ページの先頭へ
高校物理:電力×時間=熱容量×温度上昇=仕事
「高校物理の発想の基本」
下図の例のように、
(電力W)×時間=仕事量=熱容量×(温度上昇)
です。


【リンク】
「高校物理の目次」




高校物理:電力W=速度×力=単位時間当たりの仕事
「高校物理の発想の基本」
下図の例のように、
モータの電力W=(単位時間あたりの仕事量)=力×(速度)
です。

 仕事=力×距離
ですが、
 単位時間あたりの仕事量=力×速度=W
です。


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「高校物理の目次」



高校物理:摩擦のない面に加わる力は面に垂直
「高校物理の発想の基本」
下図の例のように、摩擦の無い面に加わる力は、その力が角から加えられる場合でも、その角が接する面に垂直方向に加わります。

 上図の球に床の角から球に加わる力は球と接する面に垂直方向に加わります。球面と接する床の角の面も、接する相手の球の面と平行なので、結局、球面に垂直な方向の力を球面に加えます。
 そのため、球を横に引く力Fのベクトルと球を下に引く重力のベクトルを合成したベクトルが床の角と接する球面に垂直な方向を向けば、力が釣り合って、球面の直下の床面からの抗力が0になります。


【リンク】
「高校物理の目次」



高校物理:電場と磁場をバランスさせる
 
 
「高校物理の発想の基本」
以下の図のような場合に、運動する電荷に対して、電場と磁場の力をバランスさせて力を打ち消すことができます。
 以下の図で、磁場は紙面の裏側に向けて紙面に垂直にかかっているものとします。

この場合に、この電荷と同じ速度で運動する座標系でこの電荷を見たら、以下の図のように見えます。
(磁場Hが運動すると誘導電場Eが生じる現象は、「電磁場のローレンツ変換」の公式であらわされます。この公式の理論は大学の2年生以上にならないと学ばないようです。)
 電荷が静止して見える座標系では、運動する磁場が発生する電場がもともとあった電場を打ち消す結果、合計した電場が0になります。
 その結果、上下の金属板間の電圧も0になります。電圧は、運動座標系が異なれば異なって見えます。

【蛇足】
 なお、もともとあった電場も運動することで発生する新たな磁場ΔHの大きさを計算すると、相対性理論による磁場Hの大きさの誤差程度の磁場ΔHの値になります。
 誤差範囲内の値なので、この値が元の磁場Hに加わるかどうかは、何とも言えません。正確な事実を知りたい人は、大学でアインシュタインの相対性理論の電磁場への適用を勉強して下さい。
(磁場Hが運動すると誘導電場Eが生じる現象は、「電磁場のローレンツ変換」の公式であらわされます。この公式の理論は大学の2年生以上にならないと学ばないようです。)


【リンク】
「高校物理の目次」



高校物理:重力と電界とが物体を加速する問題
「高校物理の発想の基本」
【問題】
 以下のように質量mで電荷qを持つ物体mが高さhの場所から水平方向(x方向)に初速度vで運動を開始した。


重力加速度がgで、x方向に逆行する方向に電界Eをかけたとき、物体が床で2回バウンドした後で、出発位置(z=h,x=0)にもどるものとする。
 そうなるための初速度vはいくつにすれば良いか。

【解答】
 以下の図のように順次に計算する。

 この問題で、「電界Eを加える」とは、「力を加える」と言うことと同じです。

【リンク】
「高校物理の目次」



高校物理:運動座標系を変えて考える問題
「高校物理の発想の基本」
 物理の運動の問題で2つの互いに運動する物体の問題を解く場合は、運動座標系を変えて見方を変えると問題が易しくなります。以下の例は、そうすることで問題が易しくなる例の問題です。

【問題】
 上図のように滑らかな水平面上に質量Mの斜面が置かれていて(斜面は押されると水平面上を動く)、質量mのスケートボードが速度vで斜面Mに侵入する場合を考えます。
(1)このときスケートボードmが斜面Mを登って最高地点に達して斜面Mに対して静止した場合に、スケートボードmの重心が上昇する高さhを求めよ。
(2)スケートボードmが斜面Mを逆行して斜面から下りた位置での運動速度と、そのときの斜面Mの運動速度を求めよ。

【解答】
 この問題は、スケートボードMと斜面mとの全体の重心が運動する運動座標系で、以下の図のように考えます。

 全体系の重心の運動座標系で見ると、上図のように、先ず、スケートボードmと斜面Mが互いに向かって運動し、スケートボードmが高さhのところまで斜面を登ったら、互いに静止し、その後に、スケートボードmが床に達して斜面Mから離れたら、スケートボードmも斜面Mも最初とは逆方向に運動して互いから離れていきます。

 スケートボードmの高さhの位置エネルギーは、最初のスケートボードmと斜面Mの運動エネルギーの合計に等しいです。

 そして、スケートボードmが床に達して斜面Mから離れたら、スケートボードmも斜面Mも最初とは逆方向に運動して互いから離れていく速度を静止座標系で観察したら、下図のよう見えます。


【リンク】
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高校物理:気体の圧力の問題
「高校物理の発想の基本」
 物理の問題を解くとき、勘を働かせて、答えを間違わないよう、注意しながら計算します。そのために、答えが明らかな特別な場合を頭において、計算していきます。以下の例で、特別な状況を頭において計算の正しさを探りながら計算する練習をしましょう。

【問題】
 上図のように、質量mで断面積がSの茶筒を逆さにして気体を中に閉じ込めて密度ρの液体に浮かべます。更に質量mの重りを乗せて、ちょうど、筒の上が液体面に一致して釣り合うようにします。この場合に、重りmを外したら、筒はどのくらいの高さまで上昇するか計算せよ。

 この問題の特別な場合は、質量m=0の場合です。その場合は答えが明らかであって、筒の上昇はありません。

 以下では、この特別な事例を頭において、その答えと食い違うことの無いように、注意して計算を進めます。

 次に、圧力と体積の関係を使います。
 以上で計算が終わりました。この答えは、質量m=0の特別な場合の明らかな答え(筒は上昇しない)と一致しているので、間違っていないだろうと考えます。

【リンク】
「高校物理の目次」



2013年02月10日(Sun)▲ページの先頭へ
高校物理:電流計と電圧計による抵抗測定精度
「高校物理の発想の基本」
電流計と電圧計を用いて抵抗を測定する場合に測定誤差が出ます。それを、以下で説明します。
 まず、電流計の原理的なモデルは以下のようなものです。

 電圧計の原理的なモデルは、以下のようなものです。
 電流計は内部抵抗が低く、
電圧計は内部抵抗が高いです。
 電流計と電圧計の等価回路は、以下のように書きます。

 電流計は内部抵抗を低くして、測定相手の電流をあまり変化させないようにして測定します。
 電圧計は内部抵抗を高くして、測定相手の電圧をあまり変化させないようにして測定します。
【電流計と電圧計による抵抗測定】
 抵抗測定の基本原理は、以下のように抵抗に電流を流して、抵抗に発生した電圧を電流で割り算して抵抗rを求めます。

 実際に、以下の図のように電流計と電圧計をつないで、抵抗rの電圧と電流を測ろうとしたとします。
 この回路で測定した電流I’と電圧V’は、以下の図の関係にあります。 
 上図のように、測定電圧V’を測定電流I’で割り算すると抵抗rよりも、電流計の内部抵抗分大きめな抵抗値が計測されます。

 次に、以下の図のように電流計と電圧計をつないで、抵抗rの電圧と電流を測ろうとしたとします。

 この回路で測定した電流I’と電圧V’は、以下の図の関係にあります。
 回路の計算をするとき、並列な回路部分がある場合は、その並列な回路の一方の電流を使って、全ての部分の電流を記述するように計算するとうまく計算できます。

 測定電圧V’を測定電流I’で割り算する計算は以下のように行います。
【別解】
 並列な回路部分がある回路の計算では、下図のように、その並列な回路の電圧を使って、全ての部分の電流を記述するように計算するとうまく計算できます。

 以上、計算したように、(測定電圧V’)/(測定電流I’)<(抵抗r)、すなわち、測定結果の抵抗は、実際の抵抗rよりも小さめな値になり、その誤差は、電圧計の内部抵抗が十分大きくないと、誤差が大きくなります。

【電流計と電圧計の測定限界を広げる技術】
 電圧計の測定限界を広げるためには、以下のように抵抗を電圧計に直列に接続します。

 そうすると、以下の関係で、測定限界が広がります。

 電流計の測定限界を広げるためには、以下のように抵抗を電流計に並列に接続します。

 そうすると、以下の関係で、並列につなぐ抵抗を小さくすれば測定限界が広がります。
 回路の計算をするとき、並列な回路部分がある場合は、その並列な回路の一方の電流を使って、全ての部分の電流を記述するように計算するとうまく計算できます。



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「高校物理の目次」



高校物理:単振動の問題
「高校物理の発想の基本」
大学の物理の入学試験は、学生が大学に入学した後、もっと高度な物理の授業を聞く事に耐えられるか、不幸にならないかを調べるのが本来の目的だったと考えます。
 そのため、入学試験は、
学生が、しっかり自分というものを知っている大人の場合は、
「あなたは、物理の授業を聞きたいですか。物理が嫌いでは無いですか?」
と聞いて、
学生が、
「ハイ。私は物理を学ぶのが嫌いではありません。」
と答えられれば、合格にして良いと考えます。

 この場合の問題は、学生が少し教わってきたことが「物理」だったのか、
ということと、
学生が大人であるか(これは、はなはだ怪しい)、
 が確認されなければ、そのやり方ではダメと思います。

 そのため、物理好きな人が習得していることが多い技術を学生が持っているかを試験問題という形でテストするのだと思います。

【物理好きな人が習得していることが多い技術(その1)】
 物理でいつも出てくる微分方程式の解は何度も問題を解く人は覚えてしまいます。
問題を解くときは、微分方程式を解かず、覚えている解を問題のパラメータに合わせて、
解を作り上げます。その方が、時間を節約できます。
 例えば、以下の問題の解き方のように、問題を解きます。

【問1】
 以下の図のように、バネ定数kのバネにつるされた質量mの物体mが、z=0の位置で釣り合っています。z座標は下側に取ります。
 ここで、この物体mは電荷qも持っていて、下向きの強さEの電界Eがこの物体に加えられたとき、この物体mの運動を調べなさい。

 ここで、この物体には、重力Fと、電界Eによる下向きの力Fと、バネが上に引き上げる力Fとがかかっています。それらの条件を使って問題を解きます。ここで、これらの条件の1つを間違えることが多いです。例えば、バネが上に引き上げる力Fには、バネが物体mを静止させているときはmgの力も加えられていますが、最初は、この条件を忘れて問題を解き始めて、後で気づくというようなことが良くあります。
 そのような場合は、途中まで解いていた問題を後戻りして解き方を修正する対応が必要になります。
 そのとき、問題の解き方に、微分方程式を解く作業があったりすると、解をやりなおすのがわずらわしいです。それで、そういうことに懲りた人は、微分方程式の解の形はおぼえてしまって、速やかに解を作り上げる技術を習得します。

 以下では、そのようにして問題を解いていきます。

 まず、以下の式の微分方程式1を作り、それを変形して式2を作ります。そして、覚えていた式3を持ち出します。

 次に、以下のようにして、この式3のパラメータを問題が与えるパラメータに合わせる計算をします。
 物体の運動は、時間と速度と位置座標とを与えることで定まります。そのため、位置座標と速度はいつも一緒にして考えることが大切です。
 問題の与えるパラメータを使って式3のパラメータを定めた式13と14を求めたら、あとは、その式のあらわす、典型的な状況を以下のようにもとめます。 


 以上で解答作業がおわりです。


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2013年02月08日(Fri)▲ページの先頭へ
高校物理:金属が誘導電圧を発生する向き
 
 
「高校物理の発想の基本」
高校物理の電磁気で、以下の図のように、「磁場の中を運動する導線に誘導起電力が発生する」という現象を教わります。

この法則の磁場の方向と運動の方向と誘導起電力の方向の関係をおぼえなければなりませんが、以下のように、この現象の本質を良く知ると、この現象を覚えやすくなります。
 まず、導線を動かさないで、磁場の方を導線に対して動かしたら誘導起電力が発生するか?という疑問がわくと思います。
事実は、その通りに、下図のように、運動する磁場によって誘導起電力が生じます。

しかも、誘導起電力を生じるのは運動する磁場なので、そこに導線が無くても誘導起電力を生じます。

 単位長さあたりの起電力が生じるということは、局所的な誘導電場Eによって電荷が動き、電流が生じることを意味します。
 実は、最初の図で、運動するのが導体で無くて絶縁体であっても、その運動する絶縁体に局所的誘導電場Eが加わります。

 誘導起電力の原因は、磁場と物体の相対運動により局所的誘導電場Eが生じることにあります。その局所的な誘導電場Eによって電荷が動き、電流が生じます。
 局所的な誘導電場E(V/m)により電荷が移動する方向(誘導電場Eの方向と同じ方向)をx方向にし、磁場Hの方向をy方向にして、磁場の運動する速度vの方向がz方向であると覚えれば、誘導起電力Eが電流を流す方向と磁場Hと運動速度vの関係がおぼえられます。

(注意)
 誘導起電力の発生する方向は間違えやすいので、注意する必要があります。
 上図のように、誘導起電力の局所的誘導電場Eが図の上向きに発生するので、単位電荷が上向きに移動されられて電流が発生します。その局所的誘導電場Eは下から上を向くので、その空間の下側の電圧が高くて、上側の電圧が低いです。
 それでは、金属棒の上端から下端に向けて発生する誘導電圧はプラスの電圧になるでしょうか。空間の局所的誘導電場Eの上側の電圧が下側よりも低かったので、マイナスの電圧になる?
 この答えは、金属棒の上端がプラスの電圧が金属棒から出るというのが正解です。
 それでは、空間の局所的誘導電圧がそれと逆というのはどういうことでしょうか。事実、この空間に金属棒のかわりに絶縁体をおいたら、たしかに、下側がプラスで上側がマイナスの誘導電圧Eが絶縁体に加わるのです。

 この矛盾の原因は、金属が絶縁体とはちがって、電荷が移動できることにあります。
 磁場Hの中の金属は、磁場Hが発生する局所的誘導電場Eによって、電荷を移動させられて、プラスの電荷を上に集め、マイナスの電荷を下に集めます。そうして電荷のかたよりを生じたら、その電荷が上から下に向けて電場を発生するので、その電場が、空間から加えられた局所的な誘導電場Eを打ち消して、金属内では、どの部分も同じ電位になります。
 磁場Hの中の金属には電圧があらわれていないのです。

 金属が外に出す電圧は、金属が磁場Hの外に出たところで発生します。もっとも、電圧が発生すると言うよりは、金属内の電位差(電圧)を0にしていた一方の当事者であった空間の誘導電圧が、磁場Hの領域の外側で消えるので、金属の電荷のかたよりが生じていた電圧だけがあらわれます。

 そのように、金属は誘導電圧に逆らった電圧を外に出すので、金属が磁場Hの存在領域の外で出す電圧(誘導された電圧とも言う)は誘導電圧とプラスマイナスが逆になります。

(注意2)
 磁場Hの存在する領域内では、電圧の測定点が属する運動座標系の運動速度が異なると、電圧の大きさが異なることに注意する必要があります。
(磁場Hが存在しない領域では、運動座標系でも静止座標系でも電圧が同じ)
 磁場H中の金属といっしょに運動する運動座標系において、金属の2点間の電圧を測ったら、0になります。

 しかし、金属といっしょには運動しない静止座標系に測定点が固定されている(測定点は金属といっしょには運動しない)電圧計で、その金属上を測定点を移動させながら、金属の2点間の電圧を測定したら、その測定電圧は0ではありません。その理由は、磁場H中を運動する金属には電荷のかたよりがあり、静止座標系に固定された電圧計は、その電荷のかたよりが生じる電圧を測るからです。
 この「電圧」の測定の解釈において、「電圧計の測定用リード線にも電圧が誘導するのだから、真の電圧は、運動する電圧計ではなく静止する電圧計で測定したい」と考える人がいるかもしれません。しかし、電圧計のリード線が静止して見える運動座標系から見たら、電圧計のリード線は運動していないので、それには電圧が誘導していないと言えます。「静止している」という状態は、特定の運動座標系を基準にして静止しているのであって、異なる運動座標系から見たら、それは静止していないからです。

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2013年02月06日(Wed)▲ページの先頭へ
高校物理:電流は運動座標系でも静止座標系と同じ
 
 
「高校物理の発想の基本」
 静止座標系で観察した場合と、運動座標系(あるいは加速度座標系)で観察する場合とで、変化する物理量と変化しない物理量があります。
 そのように、座標系を変化させたとき、どの量は変化しないで、どの量は変化するかを、しっかり整理しておいて、自由に頭を切り替えて座標変換した結果を想像できるように、頭を整理しておく必要があります。
 そこで、以下では、電流が座標変換によって変わるかどうかを考えます。
 電流Iは、電荷が中和された、以下のようなものとして考えます。

 電荷qと反対符号の電荷−qが中和して電荷が0になっていて、そして、逆符号の電荷が逆方向に運動することで電流が発生します。このような運動する電荷の対が電流であると考えます。

 2番目の図のように、この電荷の対の電流を、右側に速度aで運動させた場合を考えます。
 すると、電荷qの速度はV+aになり、電荷−qの速度はーV+aになりますので、結局、総体としての電流Iの大きさは変わりません。
 すなわち、電流Iは、運動座標系でも静止座標系でも変わらない物理量です。
 それで、電流については、静止座標系でも、運動座標系でも、等加速度系でも変わらない量として扱えます。
 回転座標系では、電流の方向は変わりますが、電流の大きさは変わらないものとして扱えます。

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高校物理:運動座標系での力は静止座標系と変わらない
「高校物理の発想の基本」
 静止座標系で観察した場合と、運動座標系(あるいは加速度座標系)で観察する場合とで、変化する物理量と変化しない物理量があります。
 速度と位置座標は、運動座標系(又は加速度座標系)では、静止座標系とは異なる値になります。
 それ以外には、既存の電界Eや磁界Hに、それらと運動方向とに垂直な方向の磁界と電界が、新たに加わります。
 電界を長さで積分すれば電圧Vになります。電界Eが変われば電圧Vも変わります

 しかし、電荷の量や質量や、電流(別のページで詳しく説明)は(相対性理論の効果による微少誤差を無視すれば)運動座標系でも変わりません。
(空間の電圧は運動座標系で変わります。)
 また、そのように、運動座標系で静止座標系と異なった磁界や電界の力を受けても、それらを総合して物体に最終的に加わる力については、運動座標系(又は加速度座標系)でも静止座標系でも同じ力になります。

 ただし、加速度座標系では、物体に、重力と同じような物体を加速させる、物体の質量に応じた慣性力が新たに観察されます。それ以外の静止座標系で加わっていた力は、加速度座標系でも、同じ力が同じ方向に加わっています。

 そのように「力=質量×加速度」は運動座標系(又は加速度座標系)でも静止座標系でも変わりません(ただし、加速度座標系で物体の質量に応じて新たに加わる重力と同様な力は別ですが)。

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高校物理:電界の計算式の適用限界
 
 
「高校物理の発想の基本」
高校物理で教わる電磁気は、アインシュタインの相対性理論を組み込んだ正確な式からの誤差がありますので、その式の適用には限界があります。

 上図のように、電荷qが分布した線同士が平行な方向に速度Vで運動すると、その電荷線同士には磁界による力が働きます。
 上の計算で、
εμ=1/(光速度)
という関係を使いました。

 一方、その線同士は電荷を持っているので、その電荷同士に電界による力(第1項)が働きます。
 電荷が運動すると、その電荷が生じる電界の大きさが(運動速度/光速度)の2乗程度の大きさで変化します。これを正確に知るには、大学で相対性理論を学ぶ必要があります。

 その電界により電荷に働く力(第1項)の、速度Vによる相対論効果による変化が、その磁界による力(第2項)程度あります。

 そのため、上図のような事例で、電荷が自らの運動で発生する磁界による相手の電荷との相互作用を、電界による相互作用と合わせて正確な力を求めようとすると、電界による相互作用の力の誤差が多きすぎて、上の式が使えなくなってしまいます。

 高校で教わる電磁気の式は、電界に限らず磁界についても、(運動速度/光速度)の2乗程度の誤差があります。上図のような特殊な事例を考えるときは、その誤差が無視できなくなります。


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高校物理:回転する電荷は磁界を発生する
 
 
「高校物理の発想の基本」
高校物理の電磁気で、以下の図のようにコイルに流れる電流が発生する磁界Hの式を教わります。

 コイルに発生する磁界Hの大きさは、コイルに流れる電流Iのコイルの軸方向の単位長さあたりの電流密度(I/g)と等しいことを教わります。
 その式は、(高校では教わらない)微少電流部分毎が発生する磁界の式(ビオサバールの法則)を使って計算すると導け、以下の式が計算できます。

 (コイル内部の磁界H)=電流I/g

となり、コイル内部に発生する磁界Hの大きさは、コイルに流れる電流Iのコイルの軸方向の単位長さあたりの電流密度(I/g)になるという結果が得られます。

 次に、上図のように、コイルの軸方向から見た図で、コイルの電流Iと磁界Hの関係を考えます。
 電流Iは、間隔sで並べた電荷qが速度Vで運動することも電流Iが流れることと同じと考えることができます。
 同じ符号の電荷が集まるので、コイルから電界が発生しますが、その電界はコイルの内側には入らないので、このモデルで電流を模擬できていると考えます。

 しかし、上図のように、その電荷qの運動が止まって見える角速度ωで回転する座標系の観測者が見たら、磁界Hはどうなるでしょうか。電荷qが止まっているので電流が無いのです。
 この場合、見落としてはいけないことは、その観測者から見ると、電荷は止まって見える一方、電荷が回転しているように見えます。
 回転している電荷は磁界を発生します。その磁界が集まって、結局、コイルの中には、座標系が回転していないときと同じ強さの磁界Hが発生します。


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2013年02月05日(Tue)▲ページの先頭へ
高校物理:磁場の中で回転する金属棒
 
 
【問1】
 下図のように、紙面に垂直で紙面から手前に向く磁場Hが下図で示す所定領域に一定の強度で存在する場合を考える。
 その磁場Hの存在する領域の境界線の位置の点Oに片端を固定した長さrの金属棒(先端が点A)を点Oのまわりに紙面の平面中を左回りに一定の角速度ω(rad/s)で回転させる。
 その場合に、
(a)金属棒が磁場Hの領域内にある時と、
(b)磁場が無い領域に出た瞬間との、
先端の点Aの根元Oに対する電圧はいくらか。

【解答】
 この問題を、固定した金属棒に対して、磁場Hが紙面の平面中を右回り角速度ω(rad/s)の速度で回転する問題として考える。
 その場合に、下図のように、磁場の運動により発生する電場Eの方向をxにし、磁場Hの方向をy方向にし、磁場の運動速度Vの方向をz方向にあてはめることができる。

金属棒の根元の点Oから距離xの位置の磁場Hの存在領域での電圧は、その位置の磁場H方向をY軸の方向にあてはめ、その磁場の運動速度Vの方向をZ軸の方向にあてはめると、残りのX軸の方向が、磁場Hの運動で発生する電場Eの方向になります。
 そのため、電場Eの方向は、点Oから遠ざかる方向を向きます。その電場Eの強さは、
E=ωxμH
です。

 ただし、磁場Hの存在する空間には、その大きさの電場Eを生じていますが、その空間に金属棒を置くと、その金属棒上の異なる点の間に電圧があると、その電圧の差を打ち消すように金属棒の電荷が移動します。結局、金属棒上のあらゆる位置が等電位になり、金属棒上の異なる点の間には電圧があらわれません。
 よって、(問a)の答えは、金属棒が磁場Hの領域内にある時、金属棒の先端の点Aの根元の点Oに対する電圧は0です。

 しかし、そのA点とO点の間に金属棒が無ければ、その点の間には電位差があってO点の方が電場Eの根元なのでA点よりO点の電圧が高い電圧が発生しています。
 金属棒は、金属棒中に電荷の分布を生じさせることで、その空間にある電圧を打ち消す電圧を発生させています。
 金属棒は、その根元の点Oに対して先端の点Aの電位が高くなるように電荷を分布させて、空間の電位分布を打ち消しています。
 その打ち消した空間の電圧は、以下の式で計算できます。

(金属棒の電荷分布が打ち消した空間の電圧)は、
ωμH・r/2  (式1)
になります。
 磁場Hの存在する空間の位置の電位は、点Oからの距離rの円周上のどの点でも同じ電位であって、この値のマイナスの値です。
 (磁場Hの存在しない空間の位置の電位は0です。)
 一方、金属棒は、電荷を金属棒の両端に集めて、金属棒の位置では、その空間の電圧を打ち消しています。

(問b)
 この空間の電圧を打ち消す電荷の分布を持った金属棒が、磁場が無い領域に出た瞬間を考えます。
 特に、金属棒に生じた電荷の分布がまだ変化できない、ごく短い時間での金属棒の持つ電位を考えます。その電位は、以下の図で考えられます。

このように金属棒が磁場Hの存在領域の外に出た場合は、それまで金属棒の電荷分布が打ち消していた空間の電圧が無いので、その空間における金属棒のA点とO点の間の電圧は、金属棒の生じた電荷分布だけで発生されます。
 よって、(問b)の答えは、金属棒が磁場Hの領域の外に出た瞬間は、金属棒の先端の点Aの根元の点Oに対する電圧は、
ωμH・r/2  (式1)
になります。

(注意)
 本問で扱った、運動する磁場Hによって空間に生じる誘導電場Eは、磁場Hに比例する強度で発生し、磁場Hの存在する領域にしか存在しません。
 誘導電場Eは、静止電荷の組み合わせによっては作ることができない局所的な電場です。
 そして、その局所的な電場は磁場の存在領域の外で消滅します。
 誘導電場が、金属に、その誘導電場を打ち消すように電荷分布をさせた上で、その誘導電場が磁場Hの領域の外で消えることで、磁場Hの外の領域で金属の電荷部分が電圧を発生させます。

【別解】
 この問題を、静止座標系で観察したらどう見えるかを考えてみます。
 静止座標系では、運動しているのは金属棒であって、磁場は運動していません。
 そして、静止座標系では、磁場の運動が無いので空間に電場が発生していないように見えます。

 しかし、金属棒を磁場に対して動かすと、金属棒中の電荷が分離して、金属棒中で電荷のかたよりを生じます。そうなる理由は、金属中の電荷は、磁場の中を運動することでローレンツ力を受けて、その位置を移動させられるからです。ローレンツ力を受けた電荷は、電荷の分布をかたよらせることで、そのかたよった電荷が生じる力がローレンツ力とバランスすることで安定します。

 単位電荷に加わるローレンツ力は、電荷を加速して電流を生じる局所電場に等価な、電流を発生する起電力であると考えられます。その起電力を、金属棒の根元Oから先端Aまで積分すれば、金属棒に生じる総起電力が得られます。
 その起電力の計算は、先の解で計算したように計算できます。その計算の結果、金属棒の先端Aから金属棒の外につながる導線に、以下の式1の電圧で電流を流そうとする起電力が、金属棒に蓄えられます。
ωμH・r/2  (式1)
 この起電力は金属棒が磁場Hの中を運動している間、維持されます。
 しかし、金属棒が磁場Hの中を運動している間は、金属棒の先端Aが、空間から受けるローレンツ力を受けて電荷をかたよらせようとして、金属棒の先端Aに接続する導線からも電流を金属棒に引き込もうとします。
 そのため、磁場Hの中では、金属棒は、金属棒に対して相対的に静止している導線に対しては、蓄えられた起電力が電流を流し出すことができません。

(注意)
 金属棒に対して相対的に運動する導線に対しては、金属棒は、その相対運動に応じて、プラス方向にもマイナス方向にも電流を流すことができます。
 その理由は、静止座標系と運動座標系とで誘導電場の大きさが異なるからです。

(問a)の答え
 金属棒の先端Aの根元Oに対する電圧とは、電荷を、根元Oから先端Aまで引き上げる際に単位電荷あたりにしなければならない仕事量です。

 その電圧の定義には、金属棒が自ら発生する電圧以外に、その空間が電荷に加える力とが合わさっています。磁場Hの中を金属棒が運動している間は、電荷が金属表面を、根元Oから先端Aまで移動するのに必要な仕事は、金属棒が自ら発生する電圧により単位電荷に加わる力とローレンツ力により単位電荷に加わる力の合計の力=0の力に逆らって移動する仕事です。そのため、電荷の移動に必要な仕事量は0です。そのため、単位電荷の移動に要する仕事量で定義した、金属棒の先端Aの根元Oに対する電圧は、0です。

(注意)
 単位電荷を金属棒の表面に接して金属棒とともに運動しつつ金属棒の先端まで移動する仕事量は0ですが、単位電荷が金属に触れず、また、金属と一緒に運動もせず、O点近くからA点近くまで一瞬に移動する場合にその単位電荷のする仕事量は0ではありません(問bの答えとおなじになります)。その仕事量に相当する電圧は、金属棒の表面に接して金属棒上をO点からA点まで同じ軌道を移動する仕事に相当する電圧と大きく異なります。同じ位置間の電圧なのに、電圧が異なるのです。
 この違いは、仕事量を測定するために用いた電荷の属する運動座標系が異なることに原因があります。電圧を生じる電場の大きさは、静止座標系と運動座標系とで異なるからです。本問の例のように、同じ位置間の電荷の移動であっても、その位置の属する運動座標系が異なれば、その位置間の電圧が異なります。電圧は、位置だけで定まるものでは無く、その位置の属する運動座標系も定めなければ電圧の値は確定しません。

(問b)の答え
 金属棒が磁場Hを出た瞬間も、金属棒中の電荷のかたよりが、すぐには消えずに残っていて、金属棒の先端Aに、金属棒の外に電流を流そうとする電圧が残っています。
 金属棒の先端Aの根元Oに対する電圧は、電荷を、根元Oから先端Aまで引き上げる際に単位電荷あたりにしなければならない仕事量で定義されます。金属棒が磁場Hを出た瞬間は、もはや空間が電荷に力を加える起電力がありませんので、その電圧は、金属棒が自ら発生する電圧のみです。


 そのため、電荷が金属表面を、根元Oから先端Aまで移動するのに必要な仕事は、プラスの電荷がAにたまって発生する逆向きの電場から加えられる力に逆らって電荷が仕事をしなければなりません。その仕事の大きさは、その金属棒に蓄積された電荷の生じる電場が発生する電圧と電荷の積です。
 その、金属棒に蓄積された電荷の生じる電場は、磁場Hの領域内にある間は、空間の誘導電場に逆らって誘導電場を打ち消していました。そのため、その金属棒に蓄積された電荷の生じる電圧は、空間の誘導電場の生じる電圧とプラスマイナスが逆になります。
 それゆえ、金属棒の先端Aの根元Oに対する電圧は、
ωμH・r/2  (式1)
です。

【長い導線を金属棒に加えた場合を考えます】
 1つの導線Lの一端が金属棒のA点に接続し他端が磁場Hの存在領域の外まで出ていて、もう1つの導線Nの一端が金属棒のO点に接続し他端が磁場Hの存在領域の外まで出ているモデルを考えます。

 そのモデルでは、磁場Hの存在領域の外では、金属上の電荷の分布による電圧が、磁場Hの領域の外の2つの導線LとNの間に発生します。
 その金属上の電荷の分布は、金属の属する運動座標系において空間が金属の位置に生じていた局所的誘導電場によって金属の電荷が移動させられることで発生していたものです。
 その電荷移動を引き起こした局所的誘導電場は、磁場Hの存在領域の外では全く観察されません。その局所的誘導電場は、磁場Hの中で金属の電荷を移動させる役割を果たしたら、磁場Hの外には現れずに役目を終えるのです。
 その局所的誘導電場は、電流を発生させる電源の役割を持ちます。その局所的誘導電場が、金属棒に発生した起電力(というより、磁場Hの領域内に存在する金属棒と導線との全導体に発生した起電力)の原因です。


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高校物理:回転する磁場中の電荷に加わる力
 
 
【問】
 下の図のように回転する棒の、回転中心から半径rの位置に固定された電荷qがあります。

以下の図のように、この棒と一緒に回転して棒が静止して見える観測者から見て、棒に固定された電荷qに電磁界から加わる力をもとめなさい。
【解答】
 上の図のように棒が静止しているようにみえるとき、磁界が運動しているように見えます。上図に書いた座標系のように、z方向に速度Vで運動する磁界Hは電界Eを発生します。発生する電界がx方向の場合、磁界の方向がy方向で、磁界の運動方向がz方向に対応します。
 そして、上式のように、速度V=ωrを使った大きさの電界Eが、回転の中心から遠ざかる方向に加わります。そこにある電荷qには、回転の中心から遠ざかる方向の力が、
qωrμH
の大きさで加わります。

【別解】
 この問題は、棒といっしょに回転する観測者になって力を観測しないでも、ローレンツ力の法則を使って解けます。(そのようにして解く方が普通の解き方でもあります。)

 すなわち、上図のように、電荷qと速度Vの積のベクトルをx方向に対応させ、磁場Hの方向をy方向にし、運動する電荷に働く力の方向をz方向にした座標系を使って、ローレンツ力の方向がわかります。
 電荷qと速度Vのベクトルの積の方向をx方向にします。また、磁界の方向(紙面から手前に向く方向)をy方向とします。その座標系のz方向を、ローレンツ力Fに対応させます。
 そうすると、ローレンツ力Fの方向は、回転中心から遠ざかる方向になります。
 それで、電荷qには、その回転中心から遠ざかる方向に、大きさが
qωrμH
のローレンツ力が加わります。

 物体に加わる力は、別の速度(あるいは加速度)で運動している運動座標系で観測しても、同じ力になります。
 そのため、棒といっしょに回転運動している観測者が観察しても、 このローレンツ力と同じ大きさの力が電荷qに加わることが、観測できます。


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