円と放物線の接線(4)






2011年09月18日(Sun)
円と放物線の接線(4)
「微分・積分」の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。

【問1】放物線
y=2−2x (式1)
とX軸で囲まれる範囲(x軸より上の範囲)にある円の半径の最大値を求めよ。

(解答の方針)
この問題で求める円は、式1の放物線とX軸とに接する円です。
その円は放物線と同じくY軸に関して対称(すなわち、Y軸上に中心がある)と考えられます。

その理由は、
もし、その円の中心がY軸上になければ、Y軸に関して全図形を左右に反転すれば、円の中心位置が左右に移動します。

放物線に接する円が左右に移動してしまったら、上図のように、円は放物線に接する位置から離れて、放物線に交わったり放物線から離れてしまったりします。

そのため、Yに関して全図形を左右に反転しても円が放物線に左右で接する形であるためには、円の中心はY軸上になければなりません。

求める円の中心がY軸上にあると考えると問題が大分簡単になります。

次に、考えることは、円と放物線が接する条件を求めることです。
なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できるので、微分により接線の式を計算して方程式を書きます。

(解答)
(1)
放物線の式は
y=2−2x (式1)
であり、
X軸の式は
y=0 (式2)
である。
(2)
式1の放物線とX軸で囲まれる範囲にある最大の半径の円は、式1の放物線と左右で接して、円の下がX軸に接する円と考えられる。

全図形をY軸に関して左右に反転しても、その円は放物線に左右で接する形であるが、
もし、左右に反転すると円の中心が左右に移動すると考えると円が放物線から離れたり放物線に交わったりして、放物線とX軸で囲まれる範囲にある最大の半径の円である条件から外れてしまい矛盾する。

よって、全図形を左右に反転しても円の中心は左右に移動しない。すなわち、円の中心はY軸上にある。
よって、x軸に接する半径rの円の式は以下の式であらわされる。
(y−r)+x=r (式3)
(注意)
半径のつもりで、rというパラメータを導入しましたが、rというパラメータは、x軸より上の円では正になり、x軸より下の円では負になる。x軸に接する円がx軸の上か下かどちら側にあるかをあらわすパラメータであるという意味を持っていることに注意すべき。


(3)
求める円は、式1の放物線と接する円と考えられるので、
先ずは、円と放物線が接し得る接点を全て求める。

(4)
放物線と円の接点をA(a,h)とする。
式1から、
放物線 h=2−2a  (式4)
式3から、
円 (h−r)+a=r (式5)

(5)
式1の放物線の接点(a,h)における接線の傾きは、式1の関数をxで微分して計算し、
−4a

式3の円の接点(a,h)における接線の傾きは、
円の法線の傾き(h−r)/aの逆数に(−1)を掛け算したものであって、
−a/(h−r) 

この2つの接線の傾きが等しいので、
−4a=−a/(h−r)
a{−4+(1/(h−r))}=0 (式6)
この式6(接点の座標の式)を解くと、
a=0 (式7)
or
h−r=1/4
h=r+1/4 (式8)

(6)
(式7(a=0)があらわす接点の座標を求める)
式7を放物線の式4に代入する。
h=2 (式9)
よって、1つの接点(a,h)=(0,2)が得られた。
この接点は式1があらわす放物線の頂点である。
この接点に接する円の半径r=1である。

(7)
(式8があらわす接点の座標を求める)
そのために、式8と式4と式5を連立して、接点の座標を導く。
(8) 

計算間違いを少なくするために、単純な式を早く作る。
そのために、先ず、式4と式5を整理して、aを消去して単純な式を得る。
式4から、
h−2+2a=0 (式4’)
式5から、
(h−r)+a−r=0 (式5’)
2×式5’−式4’を計算してaを消去する。
2(h−r)−2r−(h−2)=0
2h−4hr−h+2=0 (式9)
式9に代入すべき式8を変形する。
r=h−(1/4) (式8’)
式8’を式9に代入してrを消去する。
2h−4h(h−(1/4))−h+2=0
2h−4h+h−h+2=0
−2h+2=0
−1=0
(h−1)(h+1)=0
h=1
or
h=−1
h=−1は、x軸よりも下のy座標であるので、接点の座標として不適。
よって、
h=1 (式10) 

のみが有効。
式10を式8’に代入する。
r=1−(1/4)=3/4
また、式10を式4’に代入する。
1−2+2a=0
2a=1
=1/2
a=±(√2)/2 (式11)
よって、半径r=3/4の円について、
2つの接点(a,h)=A(√2/2,1)とB(−√2/2,1)が得られた。


(9)
以上で得た、円が放物線と接し得る点を全て列挙すると:
(9−1);
放物線の頂点(0,2)が接点になるとき、円の半径r=1
である。
(9−2);
A(√2/2,1)とB(−√2/2,1)が接点になるとき、
円の半径r=3/4
である。
(10)
しかし、半径r=3/4の円において既に放物線に接しているので、
(9−1)の場合の、円の半径が1になって放物線の頂点に円が接する場合には、円は、その他の点で放物線と交差していて、放物線の下には収まりきれていない。

 よって、(9−2)の場合のみが有効な解であり、放物線の下に収まりきれる最大の円の半径は、
r=3/4
である。
(解答おわり)

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カレンダ
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