高校数学(微分・積分)

算数の問題と解答とを考えていきます。




2017年08月25日(Fri)▲ページの先頭へ
困った時に使う部分積分法
「微分・積分」の勉強

(6)積分の知識:
 「部分積分法」
ここをクリックした先のページのpdfの110ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、部分積分法が書いてあります。

3.3 部分積分法(integration by parts)
置換積分法を用いて.かなりの積分が求められるようになりました.しかし,置換積分法でも手に負えないものがあります.

 ではどうすればいいのでしょうか.そこで,置換積分を用いても不定積分が求められないとき,最後の手段として用いるものに,部分積分法(integration by parts) があります.


定理3.5 (部分積分法)

f(x), g(x) が連続であるとき,次の式が成り立つ.
この式1が部分積分法の公式です。
この式1は、以下の式2の形にして使うことができます。

【例題】
 この積分を計算します。
(解答はじめ)
先ず、以下の媒介変数 f を導入します。
式2の部分積分の計算をします。
 こうして、積分ができました。
(解答おわり)

リンク:
高校数学の目次



2017年08月18日(Fri)▲ページの先頭へ
高校2年生も覚えるべき置換積分法
「微分・積分」の勉強

(6)積分の知識:
 「置換積分法」
ここをクリックした先のページのpdfの108ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、置換積分法が書いてあります。

3.2 置換積分法(integration by substitution)
不定積分∫f(x)dx を求めるときに,

f(x)dx の x を媒介変数 t の関数g(t) に置き換えることにより,
f(x)dx を f(g(t))g’(t)dt という,積分し易い形に変形することを置換積分法(integration by substitution) と いいます.

定理3.4 (置換積分法)
f(x) が連続であるとき,

x = g(t) とおくと,g(t) が微分可能であれば,

が成り立つ.


(証明開始)
(1)先ず、xを媒介変数 t の関数g(t)で表す。
xはtが変化したときにどのくらい変化するか調べるため、x=g(t)をtで微分する。
x=g(t)がtで微分可能((Δx/Δt)の極限が有限の値になる)なら、
Δxが以下の式であらわされる。
(2)その場合に、以下の式が成り立つ。
ただし、xで積分するxの積分範囲がg(a)からg(b)までの場合に、
tで積分するtの積分範囲は、aからbまでにする。
(証明おわり)

(置換積分の例題)
下図の関数の積分を考えます。
この積分は、以下の様に変数xを変数tに変換する置換積分で計算することができます。
=2
です。
この変数変換をすると、A点からB点までの積分は、下図の関数の積分に変わりました。
そのため、積分が簡単になり、
積分結果が2になりました。
(例題おわり)

(補足)
この関数の積分は、A点からC点までの範囲までならばリーマン積分が可能です。
その積分可能範囲は、C点をB点に近付けた場合の積分結果の極限値をB点までの積分値であると、積分可能範囲の定義を拡張できます。

 一方で、この積分は、以下の様に変数xを変数tに変換する置換積分で計算できました。
この変数変換をすることで、A点からB点までの積分は、下図の関数の積分に変わりました。
上図の積分の場合、A点からB点までの範囲での関数の値が有限値なので、リーマン積分が可能です。
この変数tに変換した積分のA点からB点までの積分可能範囲が、変数xでの積分の、拡張した積分可能範囲と一致しました。

リンク:
高校数学の目次



2017年08月17日(Thu)▲ページの先頭へ
微分積分はどうすれば勉強できるか(2)
「微分・積分」の勉強
 高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。
 その脱落の原因を考えます。

高校では、定積分を以下のように教えています。
【関数f(x)の定積分を以下のように定義する】
(1)微分したらf(x)になる関数F(x)を見つけること。
この関数F(x)を原始関数と呼ぶ。
この原始関数を使って、以下の計算で定積分する。


【問題点】
 数学センスを持つ人が知っている以下の常識があります。
「何かが存在するならば、それで何かができる」という定理であって、
その存在する「何か」の集合がどういうものであるかが示せない、
言い換えると、その定理がいつ使えて、いつ使えないかを示せない、
という定理には、定理としての価値が無い』と言う常識です。
例えば、
「関数f(x)にxを掛け算した関数をF(x)とする。このとき、F(x)の微分がf(x)となる関数F(x)が存在するならば、その関数F(x)がf(x)の積分である」
という「定理」には価値が無い。
f(x)=1の場合
F(x)=xとなり、たしかにこの「定理」が成り立っている。
f(x)=xの場合、
F(x)=xとなり、
F’(x)=2x≠f(x)なので、この定理が規定する存在条件を満足する関数F(x)が無い。
よって、この場合も、この定理には矛盾がない。

 しかし、この論理には大きな欠陥があります。
「言っていることが成り立つ場合に、その定理が使える」
という条件を加えた定理は、いつだって成り立ちます。なぜならば、成り立たない場合は、その定理の適用範囲外だと規定しているからです。
 この「定理」は、いつ使えるかを明確化した定理に書き換えることができ、その書き換えた定理は:
「関数f(x)にxを掛け算した関数をF(x)とする。関数f(x)が定数である場合に限り、その関数F(x)がf(x)の積分である」
というように、内容を明確化して書き換えることができます。
 このように、いつ使えるかを明確化してみると、元の「定理」は、いつ使えて、いつ使えないかを定義せずあいまいにしている「ごまかし」があっただけとわかります。定理は、このように明確化しなければなりません。
 そのため、いつ使えて、いつ使えないかを定義していない定理は、
解くべき問題(いつ使えて、いつ使えないかという問題)を解かずに、
問題をあいまいにしている「ごまかし」があるので、
定理としての価値がありません。

【関数f(x)の定積分を以下のように定義する】では、原始関数F(x)が存在すれば、という適用除外条件があり、しかも、その適用が除外されない、存在するF(x)とはいかなるものかということが定義されていないので、無価値な定義です。
 原始関数の正しい定義は、以下のように定義できます。
【原始関数の正しい定義】
 微分不可能な点が無限にある関数F(x)もあります。その微分不可能な点では、その関数F(x)は原始関数ではありません。
 ただし、変数xの定義域から、微分不可能な点の変数xの値を除外した定義域では、その関数F(x)が原始関数になります。
(原始関数の定義)
 関数F(x)をxで微分する。その場合に、変数xの値のある範囲で微分でき、微分係数が与える関数がf(x)となった場合、
関数F(x)を、そのxの範囲に係わる関数f(x)の原始関数と呼び、
関数f(x)を関数F(x)の導関数と呼びます。
【原始関数の作り方】
 以下の式で定積分(定積分とは何かは後で説明します)をあらわすことができる関数F(x)を求める計算を積分と呼ぶ。

ここで得た関数F(x)を不定積分と呼ぶ。
この関数F(x)が、変数xのある範囲で微分できた(微分可能な)場合に、すなわち、
が成り立つ場合に、
F(x)は、先の原始関数の定義に従って、
xのその範囲に係わるf(x)の原始関数です。
(定義おわり)

 “論証"・論証"とやかましくいっておきながら,微積のところへ来ると,とたんにいいかげんな議論でごまかしている。一ーまた高校ではごまかさざるを得ないだろう。高校数学の目的は生徒のあたまを混乱させることにあるのだろうか。

 現在の高等学校の教科書は,積分の概念の説明を回避している。



 1997年からは、日本の高校の数学IIで面積が無定義に用いられという、数学センスを否定する蛮行が行なわれた。そして、関数f(x)のグラフとx軸で囲まれる領域の面積を,x方向で微分するともとの関数f(x)になり、面積の微分がf(x)となるという本末転倒なことを教えるようになった。
 このような、数学センスに反する無価値な情報をおぼえることを強制された場合、それを覚えることを拒否して良いと考えます。
 一つの選択としては、理系に進むのを止めて文系に進むことがあります。
 しかし、数学が好きな学生には、それはできない、と考えます。
その学生のために、以下の様に微分積分を学ぶことを推薦します。

(微分積分の学び方)
 ヨーロッパやアメリカでは、「高校で微分積分を教えるのは、直観にうったえる内容に限られ、正確な微分積分を教えられない」という理由で、微分積分は大学生に教える科目になっています。
 日本の大学でも、その欧米の教育に合わせて、初めて学ぶ者に分かるように微分積分を改めて教育しているようです。
 大学で使う微分積分の参考書は、高校で教える微分積分の知識を全く知らない学生に理解できるように書かれています。
 しかも、大学生向けの微分積分の参考書の方が、日本の高校生向けの微分積分の参考書よりやさしく分かり易い。

 高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校の微分・積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。読まない方が良いのではないかと考えます。
 微分については、大学生向けの参考書で無料でダウンロードできる、
「微分積分学入門」(横田 壽)
を読んでみることをお勧めします。
(しかし、同じ著者の書いた高校生向けの参考書「確実に身につく微分積分(2012年)」の1版は、内容が劣化しているのでお勧めできません。大学生向けの本物の知識の参考書「微分積分学入門(2004年)」を読んでください。)

「微分積分学入門」(横田 壽)の読み方は、 66ページから始まる2章「微分法」の以前のページは斜め読みして、何が書いてあるらしいかを漠然と把握しておいて、
66ページ以降の2章「微分法」をお勧めします。
読んでいるうちに知らない関数や概念が出てきたら、66ページ以前に書いてありますので、探して、その部分を読んで理解するように勉強してください。

 積分については,ここをクリックした先のpdfファイルにある原教授の以下のコメントが大切です。
---(原教授のコメント開始)---------
 積分については高校でも習ってはいるが,その基礎を突き詰めていくといろいろと困ったことがでてくる.
特に 「積分は微分の逆演算」として定義すると,「ある関数 f の積分を求めよ」という問題や「この関数の積分は定義でき るか?」という問題でハタと困ってしまう.
(微分して f になるような関数がわからない場合,高校までの知識ではお手上げだ.)
この節では高校までの知識はいったん忘れて,「積分とは何か」「積分をどのように定義すべきか」か ら話を始める.

4.1 積分(定積分)の定義
 ということで,まずやるべきは「与えられた関数f(x) に対して,その積分を定義すること」である.
これから見ていくように,かなり広いクラスの関数に対してその積分(定積分)を定義することができる.
定積分を通して不定積分も定義できるので,高校までの知識とのつながりがつくことになる.
・・・
積分の最も素朴な定義はこれから紹介する「リーマン和」に基づくもので、、、
---(原教授のコメントおわり)------ 


「微分積分学入門」(横田 壽)は、積分の説明もわかり易いのでお勧めですが、先ずは124ページのリーマン積分を読んでから、次に、その前のページに書かれている積分の説明を読んで欲しい。
 
(積分の計算の基本) 以下のグラフのように、面積を分割して、分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が「定積分」です。
 この計算のための法則性を整理して覚えることが「積分」を勉強するということです。

(「リーマン積分可能」の定義)
「微分積分学入門」(横田 壽)の124ページから125ページに「リーマン積分可能」の定義が書いてあります:

 ここではドイツの数学者G.F.B. Riemann (1826-1917) によって示されたRiemann 積分につ いて学んでいきます.リーマン積分による「積分可能」の定義は、全ての種類の「積分可能」の定義の基礎になっています。
  f(x) は閉区間[a, b] で定義されているとします.この閉区間[a, b] を次のような点xi(i = 1, 2, . . . , n) でn 個の小区間に分割します.
(a = x0 < x1 < x2 < · · · < xi < · · · < xn = b)

 この分割をΔ で表わし, Δxi = xi − xi−1 (i = 1, 2, . . . , n) のうちで最も大きい値を|Δ| で 表わします.
いま,それぞれの小区間[xi−1, xi] のなかに任意の点ξi をとり,Riemann 和 (Riemann sum) とよばれる次の和を考えます.

このとき、
となる実数S が存在するならば,このS をf(x) の定積分(definite integral) といい, f(x) は閉区間[a, b] で積分可能(integrable) であるといいます.また,このS を次のように表わします.
つまり関数f(x) が閉区間[a, b] で積分可能であるということは,分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まるということです.

 この定義に従い、関数の積分可能性を以下の様にして調べることができます。
先ず小さな閉区間[a, b] を定めて、
その閉区間の小区間への分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まる(積分可能)か否かを調べることができます。 

(積分可能な例1)
以下の図の関数f(x)のグラフを考えます。
この関数は、x=0の点での極限とx=2の点での極限が存在しません。
x=0の点とx=2の点で関数は不連続であり、また、極限も存在しませんが、
−1≦x≦3
の区間を細分した各小区間での関数の値の和が一通りに定まるので、その不連続点を中間に持つ区間でも積分可能です。
この関数f(x)を積分して、以下の図の関数F(x)を求めることができます。
この関数F(x)を微分して下図のグラフの関数を求めます。
x=0とx=2の点では、微分係数が存在しないので、その点では微分できません。
この(dF(x)/dx)のグラフは、x=0とx=2で関数値が存在しないという点で、関数f(x)と異なるグラフになるという特徴があります。
(関数f(x)の原始関数について)
変数xの、x≠0とx≠2の範囲に係わる関数f(x)の原始関数がF(x)であると言えます。

 この微分結果のグラフを再度積分したらどうなるでしょうか。
その積分結果は、再び同じ関数F(x)が得られると考えます。
x=0の点とX=2の点の有無で異なる2つのグラフを積分したら、同じ関数F(x)が得られました。
そのため、関数f(x)に積分結果の関数F(x)を対応させる写像変換は、
2個以上の関数f(x)に1つの関数F(x)を対応させる、
複数対1の写像であると考えられます。

 特に、積分では、被積分関数が連続関数である場合と、その連続関数の1点の関数値が存在しない(あるいは0等の値になる)不連続関数である場合とが区別できない。
(不連続関数f(x)の積分と、その微分の例)
 関数f(x)を:
変数xが整数の点では関数値が存在せず、
変数xが整数以外の点では値が1、
である不連続関数とします。
(上図において、x=整数の不連続点のxの値に対して、そのxの値における極限の値をf(x)の値に置き換えてf(x)=1とすれば関数が連続関数になります。そういう不連続点のことを、「除去可能な不連続点」と呼びます。)
 この不連続関数 f(x)のグラフを積分したら、
連続な関数 F(x)=xが得られます。
この連続関数F(x)=xを微分したら、
連続関数であるy=1が得られます。
(関数f(x)の原始関数について)
整数以外の変数xの範囲に係わる関数f(x)の原始関数がF(x)=xであると言えます。

 このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
 関数f(x)の変数xの一部の区間での積分結果がF(x)となる関数F(x)と元の関数f(x)との間の微分積分のあり得る関係が以下の図であらわせます。
(上図で、関数f(x)は、除去可能な不連続点を除去した関数です。関数F(x)は、変数xの値の範囲が、x1とx4を除いた範囲でf(x)の原始関数です。一方、関数F(x)は、変数xの値の範囲が、x1を除いた範囲で関数f(x)の原始関数でもあります
 このように、関数の不連続点がらみで、関数f(x)とF(x)の間に難しい関係があることが分かりました。

 微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
 そのため、使い易い関数として、極限が存在し、かつ、連続な「連続関数」 を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の変数の定義域を制限して、微分積分を行う範囲を制限します。その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。

 微分積分学は、微分可能な関数と積分可能な関数を定義して、その種の関数の間で微分したり積分をします。「微分可能」と「積分可能」という制限条件を定め、その制限条件を満足する関数を扱うのが微分積分学だと認識することがとても大切です。

リンク: 
高校数学の目次



2017年08月16日(Wed)▲ページの先頭へ
連続関数の定義
 高校2年になり学ぶ微分積分は、あらゆる関数に対する微分積分を考えるととても難しくなります。
不連続関数が特に問題を難しくする元になっています。

 そのため、不連続関数を除外することで、微分積分の問題を易しくします。

 そのように、不連続関数を除外した残りである連続関数を正確に定義し、頭を整理しましょう。  

ここをクリックした先のページのpdfの39ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、連続関数の定義が書いてあります。

不連続関数を含めた関数の極限、

を考えるときには,
x0 での極限の有無にかかわらず、 x0 での関数f(x)の値f(x0)定義されている必要はありませんでした.
また,関数f(x)の値 f(x0) が存在しても、その値がx0 での極限値
と一致する必要もありませんでした.

そのように無制限な関数の条件に、新たに、
極限値とそこでの関数の値が等しいという条件を加えてみます。

そうすることは,以下で説明するように、
関数がある点で連続である
という条件を加えるという意味を持ちます.
【定義1.4 (連続関数) 】
 関数f(x) は区間(x0 − δ, x0 + δ) で定義されている.

が成り立つとき, f(x) はx = x0 で連続(continuous) であるという.

 この定義により,関数f(x) の定義域が区間(x0 − δ, x0 + δ) を含んでいるとき,関数f(x) は次 の2 つの不連続の場合を除外できて、x = x0 で連続になります.
(関数がx = x0 で不連続となる2つの場合)
   (場合1)      (場合2)
図1.13 不連続の例

(場合1)
 
が存在しない場合。

(場合2)
は存在するがその値はf(x0) と等しくない場合。

(場合1)では、x0 は真性不連続点(essential discontinuity) といい,
(場合2)では,x0 は除去可能な 不連続点(removable discontinuity) といいます.
 つまり,(場合2)では,f(x0) の値を新たに 定義することにより,x0 で関数を連続に修正することができます.


 ここで,関数を連続に修正できない(場合1)であるか否かを調べるのに便利なものがあります.

(左側極限値)(left-hand limit)
 x をx0 に近づけるとき,
特にx < x0 という制限があるときには, 
x はx0 より小さい値を とりながらx0 に近づくので,これを
x → x0 − 0 またはx → x0− 
と表わします.
(右側極限値)(right-hand limit)
 同様に,
xがx0 より大きい値をとりながら, x0 に近づくとき,これを
x → x0 + 0 またはx → x0+ 
と表わします.

 この左側極限値と右側極限値が一致すれば、極限値を持ち、
x0 において除去可能な不連続点を持つ、場合2の関数であるか、
又は、
x0 において連続な関数か、
のどちらかです。

そして、更に、その極限値をf(x0) と等しくすれば、
x0 において連続な関数になります。

リンク:
高校数学の目次



2017年08月12日(Sat)▲ページの先頭へ
積分可能の定義
「微分・積分」の勉強
 高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。
 その脱落の原因は、高校2年の極限・微分・積分の授業では、数学のうたい文句から外れた教育がされるからではないかと考えます。

 “論証"・論証"とやかましくいっておきながら,微積のところへ来ると,とたんにいいかげんな議論でごまかしている。一ーまた高校ではごまかさざるを得ないだろう。高校数学の目的は生徒のあたまを混乱させることにあるのだろうか。
 
すなわち、今までは、
「数学は、公式を正しく証明した後にその公式を使う」
と言って来たが、
高校2年生の、極限・微分・積分の授業からは、
「数学は、計算結果さえ合えば良い、途中の経緯は問わない、公式の証明は間違っていても問題視しない」
という教育思想が入り込み、
その思想の行き過ぎを避けるため、
「便利すぎる公式は、それをつかって直ぐ答えが得られてしまうから教えない」
という思想が混ざり、
数学教育に大きな濁りが入り込むので「微分積分がつまらない」となる原因があるのではないかと考えます。

 その濁りに押し流され無いため、高校2年生も 公式を厳密に証明して納得してから使う、数学の心に従って極限・微分・積分の学習をして欲しいと考えます。

 先ず、積分とは何かを、積分可能のハッキリした定義を知ることで頭を整理しましょう。
 積分については,ここをクリックした先のpdfファイルにある原教授の以下のコメントが大切です。
---(原教授のコメント開始)---------
 積分については高校でも習ってはいるが,その基礎を突き詰めていくといろいろと困ったことがでてくる.
特に 「積分は微分の逆演算」として定義すると,「ある関数 f の積分を求めよ」という問題や「この関数の積分は定義できるか?」という問題でハタと困ってしまう.
(微分して f になるような関数がわからない場合,高校までの知識ではお手上げだ.)
この節では高校までの知識はいったん忘れて,「積分とは何か」「積分をどのように定義すべきか」か ら話を始める.

4.1 積分(定積分)の定義
 ということで,まずやるべきは「与えられた関数f(x) に対して,その積分を定義すること」である.
これから見ていくように,かなり広いクラスの関数に対してその積分(定積分)を定義することができる.
定積分を通して不定積分も定義できるので,高校までの知識とのつながりがつくことになる.
・・・
積分の最も素朴な定義はこれから紹介する「リーマン和」に基づくもので、、、
---(原教授のコメントおわり)------


(積分の計算の基本)
定義6.1(Riemann積分) 同志社大学 押目教授

閉区間[a, b]上において有界(有限な最大値と有限な最小値を持つ)な関数f(x)に対して、
以下の小区間への分割の仕方および小区間内の点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和Sが一通りに定まる時,
f(x)は閉区間[a, b]において(Riemann)積分可能という.


 以下のグラフのように、面積を分割して、分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が「積分」です。
 この計算のための法則性を整理して覚えることが「積分」を勉強するということです。

(「リーマン積分可能」の定義)
「微分積分学入門」(横田 壽)の124ページから125ページに「リーマン積分可能」の定義が書いてあります:

 ここではドイツの数学者G.F.B. Riemann (1826-1917) によって示されたRiemann 積分につ いて学んでいきます.リーマン積分による「積分可能」の定義は、全ての種類の「積分可能」の定義の基礎になっています。
f(x) は閉区間[a, b] で定義されているとします.この閉区間[a, b] を次のような点xi(i = 1, 2, . . . , n) でn 個の小区間に分割します.
(a = x0 < x1 < x2 < · · · < xi < · · · < xn = b)

 この分割をΔ で表わし, Δxi = xi − xi−1 (i = 1, 2, . . . , n) のうちで最も大きい値を|Δ| で 表わします.
いま,それぞれの小区間[xi−1, xi] のなかに任意の点ξi をとり,Riemann 和 (Riemann sum) とよばれる次の和を考えます.

このとき、
となる実数S が存在するならば,このS をf(x) の定積分(definite integral) といい, f(x) は閉区間[a, b] で積分可能(integrable) であるといいます.また,このS を次のように表わします.
つまり関数f(x) が閉区間[a, b] で積分可能であるということは,小区間への分割の仕方および小区間内の点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まるということです.

 この定義に従い、関数の積分可能性を以下の様にして調べることができます。
先ず小さな閉区間[a, b] を定めて、
その閉区間の小区間への分割の仕方および小区間内の点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まる(積分可能)か否かを調べることができます。 

(積分可能な例1)
以下の図の関数f(x)のグラフを考えます。
この関数は、x=0の点での極限とx=2の点での極限が存在しません。
x=0の点とx=2の点で関数は不連続であり、また、極限も存在しませんが、
−1≦x≦3
の閉区間を小区間に細分した各小区間での関数の値の和が一通りに定まるので、その不連続点を中間に持つ区間でも積分可能です。
この関数f(x)を積分して、以下の図の関数F(x)を求めることができます。
この関数F(x)を微分して下図のグラフの関数を求めます。
x=0とx=2の点では、微分係数が存在しないので、その点では微分できません。
この(dF(x)/dx)のグラフは、x=0とx=2で関数値が存在しないという点で、関数f(x)と異なるグラフになるという特徴があります。
(関数f(x)の原始関数について)
変数xの、x≠0とx≠2の範囲に係わる関数f(x)の原始関数がF(x)であると言えます。

 この微分結果のグラフを再度積分したらどうなるでしょうか。
その積分結果は、再び同じ関数F(x)が得られると考えます。
x=0の点とX=2の点の有無で異なる2つのグラフを積分したら、同じ関数F(x)が得られました。
そのため、関数f(x)に積分結果の関数F(x)を対応させる写像変換は、
2個以上の関数f(x)に1つの関数F(x)を対応させる、
複数対1の写像であると考えられます。

 特に、積分では、被積分関数が連続関数である場合と、その連続関数の1点の関数値が存在しない(あるいは0等の値になる)不連続関数である場合とが区別できない。 

(不連続関数f(x)の積分と、その微分の例)
 関数f(x)を:
変数xが整数の点では関数値が存在せず、
変数xが整数以外の点では値が1、
である不連続関数とします。
(上図において、関数f(x)の不連続点である、変数x=整数での関数f(x)の極限値を、その変数xの位置での関数f(x)の値にして不連続点を除去すれば、関数f(x)=1となる連続関数になります。)
 この不連続関数 f(x)のグラフを積分したら、
連続な関数 F(x)=xが得られます。
この連続関数F(x)=xを微分したら、
連続関数であるf(x)=1が得られます。
(関数f(x)の原始関数について)
整数以外の変数xの範囲に係わる関数f(x)の原始関数がF(x)=xであると言えます。

(積分可能な例2)
上のグラフは、不連続な関数f(x)のグラフですが、積分可能なグラフの例を示しています。

 上の図の関数f(x)がリーマン積分可能なのは、変数xの全区間の部分区間毎です。
第1の部分区間:
ー∞<x<A
第2の部分区間:
A’<x≦C
(点Aで関数は不連続であり、また、極限も存在しませんが、
ー∞<x≦C
まで合わせた区間でも、関数の区間を細分した各小区間での関数の値の和が一通りに定まるので、その不連続点Aを中間に持つ区間でも積分可能です。)

(点Bでは、関数が無限大になるので積分ができません)
第3の部分:
D≦x<+∞

(注意1)
 リーマン積分では、点A’から点Dまで、関数f(x)の値が無限に大きくなる点Bを中間に持った区間で関数f(x)を積分することができません。
その理由は:
無限に関数値が大きくなる点Bを中間に持つと、その点Bを中間に持つxの小区間で、
細分の幅Δxがどれだけ小さな値であっても、
(1/Δx)≪f(ξ)
となる関数値f(ξ)を選ぶことができるからです。
そういう関数値f(ξ)を選んでしまうと、関数値の総和が定まらなくなってしまうからです。

(注意2)
 しかし、上図の関数f(x)は、B点の左側の区間で、X=A’からx=Cまでの積分の値の、Cを無限にBに近付けた極限の有限の値を持つものとします。
また、B点の右側の区間で、X=DからX=+∞までの積分の値の、Dを無限にBに近付けた極限の有限の値を持つものとします。
「そのように左側の区間のC点及び右側の区間のD点をB点に近付けた極限での積分の値が存在するならば、
B点の左側の区間の積分値と、B点の右側の区間の積分値の和を、点Bを中間に持つxの区間での積分とする」
と言うように、関数f(x)の「積分可能性」の定義を拡大することができます。 

(連続関数の積分)
 下図のグラフの関数は連続関数で、関数の極限が存在するが、でこぼこしていて、でこぼこがxのあらゆる有理数にまで在り、どの有理数のxの位置においても微分不可能な関数です。
 上図のグラフのよう微分不可能な位置(x=有理数の点)が無限にある関数であっても、積分はできます。
元の関数が連続関数等の、関数の極限が存在する関数の場合は、その関数を積分した関数は微分可能な関数になります。
こうして、極限が存在する関数を積分して関数群を作れば、その関数群は皆、微分可能な関数であることが保証されます。

(極限が存在しない点が無限にあり、積分不可能な関数)
 しかし、下のグラフの関数f(x)のように、どの位置においても関数の極限が存在しない関数もあり得ます。
 例えば、 
xが有理数の場合にf(x)=0であって、
xが無理数の場合のf(x)=1
という、極限が存在しない関数f(x)などです。
(f(x) ≡ 1−ディリクレ関数)
 そういう、極限が存在しない関数f(x)を積分して関数F(x)を得た場合(もし積分できた場合)、その積分により得られた関数F(x)は微分可能だろうか。
 そもそも、微分の計算は極限を求める計算なので、その関数f(x)が積分できても、その積分した関数F(x)を微分した場合に、元の関数f(x)は(極限値が存在しないので)、微分によっては得られないと考えます。

 この関数f(x)の変数x=x1からx=x2までの変数xの閉区間をn等分した小区間を作り、その小区間毎にf(x)の値f(ξ)を求めて、その値の和で積分します。
(1)その際に、 変数x=ξが全て有理数なら、f(ξ)=0になり、積分結果は0になります。
(2)一方、変数x=ξが全て無理数√2の有理数倍なら、f(ξ)=1になり、積分結果は(x2−x1)になります。
(3)小区間内の点ξの取り方によってf(ξ)の和による積分結果が変わるような計算の値は定かでは無いので、その様な関数f(x)は積分することができません。
(但し、無理数は有理数の可付番無限大倍よりも多く圧倒的に多い無理数を優先して計算するルベーグ積分という定義もあります。)

(極限が存在しない点が無限にあり、積分可能な関数)
上図のノコギリ関数g(x)を使って以下の関数を作ります。
この関数f(x)は、以下のx座標で極限が存在しない。
その他、
x=奇数/(整数×2)
の点では極限値が存在しない。

しかし、この関数f(x)は積分できて、連続関数G(x)が得られる。
積分結果の連続関数G(x)は微分できるxの値がある。
(関数G(x)は、元の関数f(x)の極限が存在しない有理数のxの値では、微分不可能です)
関数G(x)の微分結果は、以下の関数g2(x)を使ってあらわすことができる。
微分結果のグラフは、以下の(x)のグラフになります。
ただし、このf(x)のグラフは、関数f(x)の極限が存在しない有理数のxの値では、このグラフf(x)が不連続であり、かつ、グラフf(x)の関数値が存在しない。
この関数f(x)は、不連続点では関数値が存在しないが、関数f(x)は、不連続点でも関数値が存在します。
その点で、関数f(x)が、積分以前の関数f(x)と異なっています。
しかしながら、「微分可能」な変数xの値での関数f(x)の値は積分以前の関数f(x)の値と同じになります。
おもしろいことに、この関数f(x)のグラフは、
x=無理数の位置で「連続」です。
そのxの無理数の値から無限に小さい距離の近くにも有理数の値のxの不連続点があるにもかかわらずです。

 このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
 関数f(x)の変数xの一部の区間での積分結果がF(x)となる関数F(x)と元の関数f(x)との間の微分積分のあり得る関係が以下の図であらわせます。
(上図で、関数f(x)は、除去可能な不連続点を除去した関数です。関数F(x)は、変数xの値の範囲が、x1とx4を除いた範囲でf(x)の原始関数です。一方、関数F(x)は、変数xの値の範囲が、x1を除いた範囲で関数f(x)の原始関数でもあります
 このように、関数の不連続点がらみで、関数f(x)とF(x)の間に難しい関係があることが分かりました。

 微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
 そのため、使い易い関数として、極限が存在し、かつ、連続な「連続関数」 を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の変数の定義域を制限して、微分積分を行う範囲を制限します。その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。 

 微分積分学は、微分可能な関数と積分可能な関数を定義して、その種の関数の間で微分したり積分をします。「微分可能」と「積分可能」という制限条件を定め、その制限条件を満足する関数を扱うのが微分積分学だと認識することがとても大切です。
 しかし、この一番大切な概念を高校2年には教えない。高校3年に至っても「積分可能」の概念を教えていないようです。 
 しかも、1997年からは、日本の高校の数学IIで面積が無定義に用いられという、数学センスを否定する蛮行が行なわれた。そして、関数f(x)のグラフとx軸で囲まれる領域の面積を,x方向で微分するともとの関数f(x)になり、面積の微分がf(x)となるという本末転倒なことを教えるようになった。

 現在の高等学校の教科書は,積分の概念の説明を回避している。

 “論証"・論証"とやかましくいっておきながら,微積のところへ来ると,とたんにいいかげんな議論でごまかしている。一ーまた高校ではごまかさざるを得ないだろう。高校数学の目的は生徒のあたまを混乱させることにあるのだろうか。

 このようなデタラメな教育では、高校生に微分積分が分からないのも無理無いと考えます。

注意 5.3 1969年の日本書院の高校の教科書の数学IIIで, 定積分は次のように定義されている.
関数 y = f(x) は閉区間 [a, b] で連続とする.

(関数が不連続な場合への積分の定義の拡大を排除していないので、定義にごまかしが無い)
この区間を図のように (n-1) 個の点
, x, … , xn−1
で n 個の小区間
[a,x], [x,x], … , [xn−1, b]
に分ける.それら小区間内にそれぞれ任意の点
, t, … , t …@
をとって,和

を作る.ただし、a=x0,b=xとする。
すべての小区間の長さが,いずれも 0 に近づくように n を限りなく大きくするとき, @の点のとり方にかかわらず, 和Sは一定の極限値に近づくことが知られている. この極限値を,関数 f(x) の区間 [a, b] における定積分といい

で表す. ■

 この定義は高校生のための定積分の定義として優れている. リーマン積分の理論と断絶していない。 

大学において、そこに開かれている. 「収束」の意味,区間和の上限,下限などを学習し,
連続関数なら、Sが収束することと、積分可能であること、
をつかんだら、
その段階で,高校での定義を再認識することができる.
高校教科書はこのようでなければならない.

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2017年08月11日(Fri)▲ページの先頭へ
球の体積を積分で求める
「微分・積分」の勉強

(1)積分:
 以下の問題を考えます。
【問題】 
 なぜ、半径 r の球の体積Vは、
体積V=(4π/3) r
なのか。

 この問題は、以下の様に解くことができます。

先に、半径 r の球の表面積Sは、
表面積S=4π r
であることを求めておきます。

 次に、以下の図のように、球を玉ネギ状に、厚さΔrの皮の集合と考えます。
その1つの皮の体積を計算します。 
皮の厚さをΔrとします。
球の皮の厚さΔrあたりの皮の体積ΔVが求められました。
ΔV=4π rΔr
この皮の体積の総和が球の体積Vです。
V=4π((Δr)Δr+(2Δr)Δr+(3Δr)Δr+・・・)
= 4π(Δr)(1+2+3+4・・・+n  
= 4π(Δr)n(n+(1/2))(n+1)/3
→ 4π r/3
( r=n(Δr))
 (この計算で用いた2乗の数列の和の式はここをクリックした先のページにあります

 これから、半径 r の球の体積Vは、
体積V=(4π/3) r
になることがわかりました。

 この様に、要素に分割して総和を計算することが「積分」をするということです。

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2017年08月04日(Fri)▲ページの先頭へ
合成関数の極限の裏切り
「微分・積分」の勉強

(4)極限:
 高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。
 その脱落の原因は、高校2年の極限・微分・積分の授業では、数学のうたい文句から外れた教育がされるからではないかと考えます。
すなわち、今までは、
「数学は、公式を正しく証明した後にその公式を使う」
と言って来たが、
高校2年生の、極限・微分・積分の授業からは、
「数学は、計算結果さえ合えば良い、途中の経緯は問わない、公式の証明は間違っていても問題視しない」
という教育思想が入り込み、
その思想の行き過ぎを避けるため、
「便利すぎる公式は、それをつかって直ぐ答えが得られてしまうから教えない」
という思想が混ざり、
数学教育に大きな濁りが入り込むので「微分積分がつまらない」となる原因があるのではないかと考えます。

 その濁りに押し流され無いため、高校2年生も 公式を厳密に証明して納得してから使う、数学の心に従って極限・微分・積分の学習をして欲しいと考えます。

 先ず、
「数学は公式を覚えれば良く、公式は正しく証明しないでも良い」
という誤った思想に対する数学からの警告の1つの、合成関数の極限が直観を裏切る例を以下で見ます。

以下の2つの図の関数:
y=f(t)
t=g(x)
の合成関数を使って、
極限を求める直観の信頼性を調べてみます。
y=f(t):
(図1) 
この図1の関数f(t)はt=0で不連続です。
そのため、
t≠0の場合の
t→0 による、f(t)→0と、
t=0の場合の
f(0)=1とが異なります。

t=g(x):
(図2) 

この合成関数の形を下図に描きます。
y=f(g(x))=h(x):
(図3)

直観によると、以下の各関数の式1から3が成り立っているように見えます。
 
直観によると、式1と式2から、式3=0が導かれるように思えますが、
実際は、関数f(t)が不連続であるということと、
関数g(x)が有限の範囲で一定の値になることが重なって、
直観を裏切った式3が成り立っています。

ここをクリックした先のページのpdfの33ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、極限の定義が書いてあります。
 関数f(x) において, x をx0 に限りなく近づけていくとき,
f(x) がある定数l に限りなく近づくならば, l をx がx0 に近づくときのf(x) の極限値(limit) という。

x がx0 に限りなく近づくとは,
絶対値|x−x0| を限りなく小さくできるということと同じだと考えてもよいでしょう.
同様に, f(x) が定数 l に限りなく近づくということも
|f(x) − l | を限りなく小さくできることだと考えてもよいでしょう.

 そこで,限りなく小さくできるということで考えてみると,
どんな小さな正の数を比較の相手と選んでも,それよりも小さくできるならば,
限りなく小さくできるといえるのではないでしょうか.
 この考え方が数学でいうところの限りなく小さいということなのです.これを用いて関数の極限を厳密に定義します.

【定義1.3】
任意の正の数ε に対して,
0 < |x − x0| < δ のとき,

(すなわち、x ≠ x0 の場合に)
|f(x) − l | < ε が成り立つように
正の数δ が選べるならば,
 
である。

この定義のポイントは、
x→0を、
0 < |x − 0| < δ
(すなわち、x ≠ 0 の場合に)
として、
t=g(x)→0を、
|g(x) − 0 | < ε 
(すなわち、t=g(x) = 0 の場合を含む)
というふうに極限を定義していることです。
x→0でx ≠ 0の場合に、
t→0 (t = 0も含む)となる場合を
t=g(x)の極限が存在する」
という極限の意味を明確にしていることです。
すなわち、
x→0 (x ≠ 0)と、
t→0 (t = 0も含む)は、
異なっていることを明確にしています。    

この厳密な極限の定義によっても、
関数f(t)は、t=0での極限の値が0になり、式2が成り立っています。 

この問題の本質は、
x→0の場合に、
t=g(x)=0
となっていること
(t=g(x)=0は、 | t − 0 | < ε が成り立つので、式1が成り立つが)
と、
t→0の場合に
f(t)→0 (式2)
であるが、
t=0の場合に、
f(0)=1 ≠ 0
であること(f(t)が連続では無い)。
そのため、式3では、
x→0の場合に、
t=0であり、
f(0)=1 (式3)
となったことです。  

式1と式2が成り立っている場合に、直観の通りに、式3=0となるようにするには、極限の定義の後半の、
t→0 (t = 0も含む)に整合させて、
t→0 (t ≠ 0)におけるf(t)は
t=0におけるf(t)に等しい値を持つこと
「関数f(t)が連続である場合」
という前提条件を付け加える必要があります。

その場合は、直観通りに、式3=0となります。
しかし、関数g(x)が不連続なら合成関数 y = h(x)=f(g(x)) も不連続になるので気持ちは晴れません。
そのため、合成関数 y = h(x)=f(g(x)) を連続関数にするために、更に、
「関数g(x)が連続である」という条件も加えて、以下の定理を成り立たせます。
ここをクリックした先のページのpdfの42ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽) 
定理1.7 t = g(x) がx = x0 で連続で,y = f(t) がt = g(x0) で連続ならば,
合成関数 y = f(g(x)) も x = x0 で連続である.
 


(補足:日本の高校の極限と微分積分の教育)
 ヨーロッパやアメリカでは、「高校で微分積分及び極限を教えるのは、直観にうったえる内容に限られ、正確な微分積分を教えられない」という理由で、微分積分は大学生に教える科目になっています。
 日本の大学でも、その欧米の教育に合わせて、初めて学ぶ者に分かるように微分積分及び極限を改めて教育しているようです。
 大学で使う微分積分の参考書は、高校で教える微分積分の知識を全く知らない学生に理解できるように書かれています。
 しかも、大学生向けの微分積分の参考書の方が、日本の高校生向けの微分積分の参考書よりやさしく分かり易い。

 高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校の微分・積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。読まない方が良いのではないかと考えます。
 とりあえず、大学生向けの参考書で無料でダウンロードできる、
「微分積分学入門」(横田 壽)
を読んでみることをお勧めします。 
(しかし、同じ著者の書いた高校生向けの参考書「確実に身につく微分積分(2012年)」の1版は、内容が劣化しているのでお勧めできません。大学生向けの本物の知識の参考書「微分積分学入門(2004年)」を読んでください。) 

「微分積分学入門」(横田 壽)の読み方は、 66ページから始まる2章「微分法」の以前のページは斜め読みして、何が書いてあるらしいかを漠然と把握しておいて、2章「微分法」以降を精読することをお勧めします。読んでいるうちに知らない関数や概念が出てきたら、66ページ以前に書いてありますので、探して、その部分を読んで理解するように勉強してください。

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2017年08月03日(Thu)▲ページの先頭へ
xの実数乗の関数の微分の公式
「微分・積分」の勉強

【問題】
以下の式1であらわされた、xの実数α乗の関数をxで微分せよ。

【解答】
媒介変数tを用いて、xを以下の関数であらわす。ここで、定数Aには1以外の正の実数(具体的にはどれを使っても良い)を使う。
yは媒介変数tを用いて以下の関数であらわせる。
yのxによる微分を媒介変数tを使って計算する。
(解答おわり)
こうして、xの実数α乗の関数の微分の公式:
が得られました。

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2017年08月02日(Wed)▲ページの先頭へ
xの有理数乗の関数の微分の公式
「微分・積分」の勉強

【問題】
整数pとrであらわした以下の関数をxで微分せよ。

【解答】
両辺をp乗する。
この式2をxで微分する。
この式3を、合成関数の微分の公式を使って展開する。
この式より、dy/dxを計算する。
(解答おわり)
こうして、
が得られました。

 有理数の極限で無理数が定義できるので、
この公式の極限の関数で、xの無理数乗を定義し、
xの無理数乗の関数の微分についても同様な公式が成り立つと考えられる。

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2017年08月01日(Tue)▲ページの先頭へ
対数微分法
 高校2年の微分の授業で、対数微分を教えていない。
 そもそも、対数関数の微分を高校3年になってから数Vでようやく教えている。
 しかし、対数微分を教えないと微分の重要な公式を導き出す(証明する)こともできない。証明していない公式を覚えさせて使わせるという、数学教育の崩壊に近いことも行われているようです。
 そういう不健全状態を改善するために、高校2年生も、以下に説明する対数微分を覚えるべきと考えます。

【対数微分法】
「微分積分学入門」(横田 壽)77ページ
   両辺の対数をとって微分する方法を対数微分法(logarithmic differentiation) といいます.

y = xn のn が整数のときの導関数は,例題2.4 で求めました.
しかし, y = xα のα が実数 のときの導関数は例題2.4 で用いた方法では求められません(なぜでしょう?).
しかしもう大丈 夫です.なぜなら私たちには対数微分法があるからです.


 以下で、対数微分法の例を説明します。
【問題】 
 以下の式1は、(値が負になっても良い)実数αを使って表されている。ここで、
x>0,
である。 この式1を微分せよ。
【解答】
式1の両辺の対数をとる。
 この式2の両辺を微分する。
(対数関数の微分の公式を使う)

 こうして、求める微分の式5が得られました。
(解答おわり)

この解答から、以下の、 xの実数乗の式の微分の公式が得られました。
ただし、x>0,であり、
αは、値が負でも良い実数である。

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2017年07月31日(Mon)▲ページの先頭へ
微分可能の定義
「微分・積分」の勉強
 高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。
 その脱落の原因は、高校2年の極限・微分・積分の授業では、数学のうたい文句から外れた教育がされるからではないかと考えます。
すなわち、今までは、
「数学は、公式を正しく証明した後にその公式を使う」
と言って来たが、
高校2年生の、極限・微分・積分の授業からは、
「数学は、計算結果さえ合えば良い、途中の経緯は問わない、公式の証明は間違っていても問題視しない」
という教育思想が入り込み、
その思想の行き過ぎを避けるため、
「便利すぎる公式は、それをつかって直ぐ答えが得られてしまうから教えない」
という思想が混ざり、
数学教育に大きな濁りが入り込むので「微分積分がつまらない」となる原因があるのではないかと考えます。

 その濁りに押し流され無いため、高校2年生も 公式を厳密に証明して納得してから使う、数学の心に従って極限・微分・積分の学習をして欲しいと考えます。

 先ず、微分とは何かを、微分可能のハッキリした定義を知ることで頭を整理しましょう。

関数f(x)であらわされるグラフの傾きは、以下のようにあらわされます。
この傾きは以下に説明する微分によって求めます。

---(定義2.1 「微分積分学入門」(横田 壽)67ページ---
関数f(x) がx0 を含むある区間で定義されているとき,極限値
(有限の傾きA)
が存在するならば,
関数f(x) は, x = x0 微分可能(differentiable) であるといいます.
また,この極限値A を点x0 における微分係数といい,

で表わします.
-----(定義おわり)--------------------------- 

f(x) がx0 で微分可能でなくても、
h<0について、
 
または、
h>0について、
 
が存在することがあります.
下の図のような場合です。
その場合,
最初の値を左側微分係数(left-hand derivative ) と いい,
で表わし,
後の値を右側微分係数(right-hand derivative) といい,

で表わします.
微分可能の定義より,

 が共に存在し,かつ両者が等しいとき に限りf(x) はx = x0 で微分可能となります

関数f(x)が微分可能の場合に、
関数f(x)が初等関数などの通常の関数の場合は、
Δyの誤差が以下の式であらわせます。
----ビッグオー O(Δx)の 定義--------
ここで、O(Δx)は、以下のように定義されます。

x=x0+Δxとする絶対値が十分小さいΔxに対して、
ある定数Mがあって、
|Δy−(df/dx)Δx| ≦ MΔxμ
が成り立つとき、 
|Δy−(df/dx)Δx|はオーダーμの無限小であると言い、
 Δy−(df/dx)Δx=OΔxμ)とあらわす。

つまり、OΔxは、MのΔx倍程度の誤差をあらわす誤差関数です。
Δxが0に近づくと、誤差O(Δx)は、Δxよりも更に急速にMのΔx倍のオーダー(概算値)で0に近づくということをあらわしています。
----(定義おわり)---------------

 全ての関数について厳密に成り立つ関係としては:
関数f(x)が微分可能であれば、Δxが小さくなればなる程、Δyの誤差が、MのΔx倍よりも急速に小さくなる誤差関数(スモールオー)で表した以下の式が成り立っています。
 スモールオー o(Δx)の定義は、上の極限の式であらわされ、Δxよりも急速に小さくなる誤差関数です。

 Δxが小さくなればなる程、Δyの誤差o(Δx)が、MのΔx倍よりも急速に小さくなるので、Δxが十分小さいと考えれば、誤差が十分小さくなり、以下の近似式がいっそう正確に成り立つようになります。
 そのため、Δyを上の式であらわして微分を計算して良いです。

(注意1)関数の変数を変換すると微分不可能な点が微分可能な点に変わることがある。
 下図のグラフの関数は、O点では傾きが無限大なのでxで微分不可能です。
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
 この変数tで元の関数をあらわすと以下のグラフになります。
このグラフはO点で、tで微分可能です。
このように関数の変数を変換する、変数xでは微分不可能だった関数の点が、変数tでは微分可能になる、ということが起こり得ます。 
という関係があります。
 有限の微分係数が存在する(微分可能)という状態は、変数を変換すると変わることがあります。
 それは、微分する変数に応じる「微分可能」という条件が、
いわば、
「式を0で割り算する計算をしてはいけない」
という計算の縛りと似た意味を持つことを意味しています。

(注意2)関数の変数を変換すると微分不可能な点が微分可能な点に変わることがあるもう1つの例を考える。
 下図のグラフの関数は、O点では、左側微分係数と右側微分係数が異なるのでxで微分不可能です。
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
この変数tで元の関数をあらわすと以下のグラフになります。
このグラフはO点で、tで微分可能です。
このように関数の変数を変換する、変数xでは微分不可能だった関数の点が、変数tでは微分可能になる、ということが起こり得ます。

(注意3)関数の変数を変換すると、接する2つグラフが接さない2つのグラフに変換される例を考える。
 下の2つの関数のグラフは、O点で同じ微分係数=0を持ち、O点で接しています。
しかし、変数xを以下のグラフの関係を持つ変数tに変換してみます。
この変数tで元の2つの関数をあらわすと以下の2つのグラフになります。
元の2つのグラフの変数xを変数tに変換した2つのグラフは、O点で変数tで微分すると異なる微分係数を持ち、O点で接さず交差しています。
(変数を変換すると、このように、互いに接する2つのグラフが、接さない2つのグラフに変わってしまうことがあることに気をつけましょう)

【導関数】
 関数f(x) が,ある区間 I の各点で微分可能(有限の傾きを持つ)のとき
f(x) は区間 I で微分可能(differentiable on I) であるといいます.
この場合,区間 I の各点にそこでの微分係数を対応させることにより定まる関数を
f(x) の導関数(derivative) といい,

であらわします。

また,関数f(x) の導関数を求めることを微分する(differentiate) といいます.

また、xの関数f(x)=yの微分(導関数)を、y’とも書きます。


例題2.4 f(x) = xn (n 整数) を微分してみましょう.
となります。
(解答おわり)
が得られました。

次に、以下の微分も計算してみます。
この図形を直線y=xに関して折り返して考えます。
こうして、
が得られました。

(微分の式の前提条件:関数が存在すること)
微分をあらわす式: 
(dy/dx)は関数f(x)の導関数をあらわす式です。
そのため、
(dy/dx)=(df(x)/dx)
であり、変数yを微分で使う場合には、
y=f(x)とあらわす関数f(x)が必ず存在することが、変数yを使う前提条件にあります。
関数f(x)が必ず存在するということは、変数xに対して、必ず1つの値のy=f(x)が定まる関係(規則)が、変わらず、存在するということです。
微分の式は、定まった関数であらわされる関係が必ず存在する変数yとxその他の媒介変数の間の関係をあらわす式です。
微分の計算で使う全ての変数yやxやその他の媒介変数同士は、必ず、その変数を他の変数であらわす不変な関数で結ばれていることが前提にあります。
その関数はどの式であっても良いですが、計算の途中で変化することが無い、いつも変わらない関係式であることが微分の計算の前提になっています。

(微分可能な関数を選んで微分すること)
 下図のグラフの関数はでこぼこしていて、でこぼこがあらゆる細部にまで在り、どの有理数のxの位置においても微分不可能な関数の例です。
 この図の関数のように、関数が微分不可能な変数の値を判定して、変数の範囲(定義域)から除外するために、「微分」の定義を使って関数の変数を選別して、その変数の範囲の関数を微分計算の対象にします。
 実際は、微分不可能な関数は、警戒しなければならないほどに多く存在するわけでは無く。数学で学んで来た、ほとんど大部分の初等関数は微分可能な関数です。

 また、上のグラフのよう微分不可能な変数(有理数)が無限にある関数であっても、積分はできます。
元の関数が連続関数等の、関数の極限が存在する関数の場合は、その関数を積分した関数は微分可能な関数になります。こうして、極限が存在する関数を積分して関数群を作れば、その関数群は皆、微分可能な関数であることが保証されます。

(「リーマン積分可能」の定義)
「微分積分学入門」(横田 壽)の124ページから125ページに「リーマン積分可能」の定義が書いてあります:

 ここではドイツの数学者G.F.B. Riemann (1826-1917) によって示されたRiemann 積分につ いて学んでいきます.リーマン積分による「積分可能」の定義は、全ての種類の「積分可能」の定義の基礎になっています。
  f(x) は閉区間[a, b] で定義されているとします.この閉区間[a, b] を次のような点xi(i = 1, 2, . . . , n) でn 個の小区間に分割します.
(a = x0 < x1 < x2 < · · · < xi < · · · < xn = b)

 この分割をΔ で表わし, Δxi = xi − xi−1 (i = 1, 2, . . . , n) のうちで最も大きい値を|Δ| で 表わします.
いま,それぞれの小区間[xi−1, xi] のなかに任意の点ξi をとり,Riemann 和 (Riemann sum) とよばれる次の和を考えます.

このとき、
となる実数S が存在するならば,このS をf(x) の定積分(definite integral) といい, f(x) は閉区間[a, b] で積分可能(integrable) であるといいます.また,このS を次のように表わします.
つまり関数f(x) が閉区間[a, b] で積分可能であるということは,分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まるということです.

 この定義に従い、関数の積分可能性を以下の様にして調べることができます。
先ず小さな閉区間[a, b] を定めて、
その区間の小区間への分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まる(積分可能)か否かを調べることができます。 

【積分が不可能な関数】
下のグラフの関数f(x)のように、どの位置においても関数の極限が存在しない関数もあり得ます。
 例えば、 
xが有理数の場合にf(x)=0であって、
xが無理数の場合のf(x)=1
という、極限が存在しない関数f(x)などです。
 そういう、極限が存在しない関数f(x)を積分して関数F(x)を得た場合(もし積分できた場合)、その積分により得られた関数F(x)は微分可能だろうか。
 そもそも、微分の計算は極限を求める計算なので、その関数f(x)が積分できても、その積分した関数F(x)を微分した場合に、元の関数f(x)は(極限値が存在しないので)、微分によっては得られないと考えます。

 この関数f(x)の変数x=x1からx=x2までの変数xの閉区間をn等分した小区間を作り、その各小区間毎にf(x)の値f(ξ)を求めて、その値の和で積分します。
(1)その際に、 変数x=ξが全て有理数なら、f(ξ)=0になり、積分結果は0になります。
(2)一方、変数x=ξが全て無理数√2の有理数倍なら、f(ξ)=1になり、積分結果は(x2−x1)になります。
(3)小区間内の変数xの点ξの選び方によってf(ξ)の和による積分結果が変わるような計算の値は定かでは無いので、その様な関数f(x)は積分することができません。

 このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
 微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
 そのため、使い易い関数として、極限が存在し、かつ、連続な「連続関数」 を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の変数の定義域を制限して、微分積分を行う範囲を制限します。その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。

 このように、微分積分学は、微分可能な関数と積分可能な関数を定義して、その種の関数の間で微分したり積分をします。「微分可能」と「積分可能」という制限条件を定め、その制限条件を満足する関数を扱うのが微分積分学だと認識することがとても大切です。 
 しかし、この一番大切な概念を高校2年には教えない。高校3年に至っても「積分可能」の概念を教えていないようです。 
 しかも、1997年からは、日本の高校の数学IIで面積が無定義に用いられという、数学センスを否定する蛮行が行なわれた。そして、関数f(x)のグラフとx軸で囲まれる領域の面積を,x方向で微分するともとの関数f(x)になり、面積の微分がf(x)となるという本末転倒なことを教えるようになった。
 
  現在の高等学校の教科書は,積分の概念の説明を回避している。

 このようなデタラメな教育では、高校生に微分積分が分からないのも無理無いと考えます。

(微分積分の教育方針)
 ヨーロッパやアメリカでは、「高校で微分積分を教えるのは、直観にうったえる内容に限られ、正確な微分積分を教えられない」という理由で、微分積分は大学生に教える科目になっています。
 日本の大学でも、その欧米の教育に合わせて、初めて学ぶ者に分かるように微分積分を改めて教育しているようです。
 大学で使う微分積分の参考書は、高校で教える微分積分の知識を全く知らない学生に理解できるように書かれています。
 しかも、大学生向けの微分積分の参考書の方が、日本の高校生向けの微分積分の参考書よりやさしく分かり易い。

 高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校の微分・積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。読まない方が良いのではないかと考えます。
 とりあえず、大学生向けの参考書で無料でダウンロードできる、
「微分積分学入門」(横田 壽)
を読んでみることをお勧めします。 
(しかし、同じ著者の書いた高校生向けの参考書「確実に身につく微分積分(2012年)」の1版は、内容が劣化しているのでお勧めできません。大学生向けの本物の知識の参考書「微分積分学入門(2004年)」を読んでください。)

「微分積分学入門」(横田 壽)の読み方は、 66ページから始まる2章「微分法」の以前のページは斜め読みして、何が書いてあるらしいかを漠然と把握しておいて、2章「微分法」以降を精読することをお勧めします。読んでいるうちに知らない関数や概念が出てきたら、66ページ以前に書いてありますので、探して、その部分を読んで理解するように勉強してください。

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2017年07月29日(Sat)▲ページの先頭へ
極限の定義
 高校2年になり学ぶ「極限」は、微分の計算をする上で必要になった計算技術です。
 そのため、微分の計算を先にして、計算に困ったときに「極限」を学ぶという勉強スタイルでも良いと考えます。

そういう計算の役に立つように、頭を整理することが、極限を学ぶということです。  

ここをクリックした先のページのpdfの33ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、極限の定義が書いてあります。

【定義1.2 (直感的極限値) 】

 関数f(x) において, x をx0 に限りなく近づけていくとき,
f(x) がある定数l に限りなく近づくならば, l をx がx0 に近づくときのf(x) の極限値
(limit) といい,

で表わします.

  さて,ここで限りなく近づくというのはどういうことでしょうか.
x がx0 に限りなく近づくとは,
絶対値|x−x0| を限りなく小さくできるということと同じだと考えてもよいでしょう.
同様に, f(x) が定数 l に限りなく近づくということも
|f(x) − l | を限りなく小さくできることだと考えてもよいでしょう.

 そこで,限りなく小さくできるということで考えてみると,
どんな小さな正の数を比較の相手と選んでも,それよりも小さくできるならば,
限りなく小さくできるといえるのではないでしょうか.
 この考え方が数学でいうところの限りなく小さいということなのです(納得しましたか?).
 これを用いて関数の極限をもう一度定義します.
この定義はδ − ε 論法と呼ばれる証明法のもとになっていて,
この章の定理の証明に用いますが,
難しく感じる人は,直感的極限値で十分です.

【定義1.3】

任意の正の数ε に対して,
0 < |x − x0| < δ のとき,

|f(x) − l | < ε が成り立つように
正の数δ が選べるならば,
 
である。

この定義のポイントは、例えば、
x→0を、
0 < |x − 0| < δ
(すなわち、x ≠ 0 の場合に)
として、
例えば、
f(x)→0を、
|f(x) − 0 | < ε 
(すなわち、f(x) = 0 の場合を含む)
というふうに極限を定義していることです。
x→0でx ≠ 0の場合に、
f(x)→0 (f = 0も含む)となる場合を
f(x)の極限が存在する」
という極限の意味を明確にしていることです。
すなわち、
x→0 (x ≠ 0)と、
f→0 (f = 0も含む)は、
異なっていることを明確にしています。

(極限値が存在しない点が有限個ある関数)
 以下の図の関数f(x)のグラフを考えます。
この関数は、x=0の点での極限とx=2の点での極限が存在しません。
x<0で、x→0とすると、f(x)→0になり(左側極限値)、
x>0で、x→0とすると、f(x)→1になります(右側極限値)
左側極限値と右側極限値が一致しない場合は、極限値が存在しません。

(極限値が存在しない点が無限にあり積分できない関数の例) 
 例えば、xが有理数の場合のf(x)の値とxが無理数の場合のf(x)の値が1以上異なるような関数には極限が存在しません。
どの位置においても関数の極限値が存在しない関数は、例えば下のグラフの関数のようになります。

(極限値が存在しない点が無限にあるが積分可能な関数)
上図のノコギリ関数g(x)を使って以下の関数を作ります。
この関数は、以下のx座標で極限が存在しない。
その他、
x=奇数/(整数×2)
の点では極限値が存在しない。

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2017年07月27日(Thu)▲ページの先頭へ
合成関数の微分の公式の信頼性
「微分・積分」の勉強

(5)微分の知識:
 以下の合成関数の微分の公式があります。
この合成関数の微分の公式は、関数f(t)とg(x)があり、
その関数の合成関数の、
y=f(g(x))=h(x)
という関数を作った場合に、
f’(t)=(dy/dt)と、
g’(x)=(dt/dx)との積が、
h’(x)=(dy/ dx)になる、
という公式です。

どの関数f(t)とg(x)についても、公式の成立条件が満足されれば、公式が成り立つ、という公式です。

この公式には一定の縛り(成立条件)があります。それは、「(dy/dt)=f’(t)の有限の微分係数が存在し、(dt/dx)=g’(x)の有限の値の微分係数が存在する(微分可能)」という前提条件です。

「関数が微分可能(有限の値の微分係数が存在する)」
という意味は、
「関数の変数の値の範囲が、その関数の微分係数が有限の値になる条件を満足する値に限られる」
という意味です。
「関数の微分係数を有限の値にしない変数の値を除外すれば良い」という意味です。

関数の微分が存在しない例として、以下の2つの図の関数:
y=f(t)
t=g(x)
の合成関数を使って、
合成関数の微分の公式の信頼性を調べてみます。
y=f(t):
(図1)

t=g(x):
(図2)

関数f(t)はt=0でtによる微分が存在しません。
そのため、t≠0の場合だけに、合成関数の微分の公式を適用します。

 ここで、この問題の意図が良く分かるようにするため、この合成関数の形を下図に描きます。
y=f(g(x))=h(x):
(図3)

この合成関数h(x)の、xがー1から1までの間の関数の値は良く分からないので、点線でごまかしました。

 このあいまいさが気持ち悪い人のために、関数f(x)を以下のグラフのように定義することができます。 
(図4)

 この場合に、関数t=g(x)は図2のままにすると、合成関数h(x)は、以下の図5になります。
(図5)

以下で、関数f(t)の微分で、有限の確定した微分係数が存在する変数 t の定義域である、
t≠0
の場合だけに合成関数の微分の公式を適用します。
先ず、t=g(x)≠0を満足する条件の1つの、
x<−1の場合を計算します。
次に、t=g(x)≠0を満足する残りの条件の、
 x>1の場合を計算します。
以上で得た結果をまとめると、
関数f(t)については、(dy/dt)=f’(t)の有限の微分係数が存在するtの範囲は、t≠0である範囲である。
関数g(x)については、xのどの値でも有限の微分係数が存在するので問題無い。
制限された範囲であるt≠0を満足するt=g(x)のxの範囲は、
x<−1 or x>1
である。
そのxの範囲内で、
合成関数の微分を計算すると、以下の結果が得られた。
(計算おわり)

(補足)
 ここで、合成関数h(x)が図5の形になる場合に、
−1<x<1の間で
h’(x)=0
になっています。
しかし、合成関数の微分の公式では、
−1<x<1の間で
h’(x)=0
となることを導き出すことができませんでした。
 このことから、
合成関数の微分の公式では、0を0で割り算することになる部分で、合成関数の一部の微分係数が計算できないことがある、
ということがわかりました。

(補足2)
 以上の調査の結果を見ると、
合成関数の微分の公式の縛り(成立条件)である
「f(t)の微分が存在し(確定した有限値になる)、
t(x)の微分が存在する(確定した有限値になる)」
という前提条件は、
「式を0で割り算する計算をしてはいけない」
という計算の縛りと同じ様な意味を持っていることがわかります。

 すなわち、「微分可能」という前提条件は、
「0で割り算しない場合に限る」という前提条件 、
言いかえると、
「計算の違反が無い計算に限る」という前提条件、
を加えて微分の式を書くことだと考えます。

 そういう「万能の条件」を正しく組み込んで計算するならば、どの様な計算もできてしまいます。
(その条件を正しく組み込まないでその計算をまねした計算は計算違反がある誤った計算になります)
その通りに、どの様な計算もできるのが、合成関数の微分の公式やその他の公式が成り立つ根拠だと考えます。

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2017年07月24日(Mon)▲ページの先頭へ
高校2年生も覚えるべき合成関数の微分の公式
「微分・積分」の勉強

(5)微分の知識:
高校2年生から、極限・微分・積分の「意味がわからない」「つまらない」「教わる計算方法が正しいと言える理由(証明)がわからない」で数学の学習から脱落する高校2年生が多いらしい。
 その脱落の原因は、どうやら、合成関数の微分の公式らしい。

高校3年の教科書の合成関数の微分の公式の証明が間違っているのと、(高校2年に微分を教える際に合成関数の微分の公式を教えない教育が1955年ころから続いている)のが、「微分の意味がわからない」原因になっているのではないかと考えるので。
 その間違いを正すことで、数学の学習から脱落する者を減らすため、 合成関数の微分の公式を教科書よりも正確に証明します。

 合成関数の微分の公式は、以下の公式です。
以下の様に微分の計算を楽にするときに使う公式です。
(合成関数とは)
 そもそも、「合成関数」とは何なのか、という問題があります。

ここをクリックした先のページのpdfの21ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、合成関数の定義が書いてあります。 

合成関数(composite functions)
 関数どうしのつなぎ方として,
合成法則(composition) とよばれる方法について考えます.
まず, f(x) とg(x)2 つの関数を用意します.
次に任意のx に対して規則g を用いて1 つの実数g(x) を取り出します.
もしこのg(x) が関数f(x) の定義域に入っていれば,
規則f を用いて1 つの実数f(g(x)) を取り出すことができるでしょう.
ところで,この実数f(g(x)) は何なのでしょうか.
もしg(x) の値域がf(x) の定義域に含まれていれば,
g(x) の定義域内の各数x に対して, f(g(x)) を作ることができます.
これはg(x) の定義域内の各数x に対し,ただ1 つの実数f(g(x)) を定める規則と考えられます.
よってこの規則をf とg の合成関数(composite function) といい,
f ◦ g で表わすと(f ◦ g)(x) = f(g(x)) となります.


以下に合成関数の例をあげます。
 上の式はxの関数hを合成関数の形で表現しました。
関数hは、gというパラメータ関数を使って、式1と式2とであらわした、結局は式3の形のxの関数です。
hは、式1の形と式3の形との2つの形の式であらわすことができます。
 この関数hは、以下の形の合成関数の形であらわすこともできます。
 式3の形の関数hは、sというパラメータ関数を使って、式4と式5であらわすことができます。
hは、式3の形や式4の形であらわせました。
式3で表されるxの関数hは、パラメータ関数 g(x) や s(x) を自由に選ぶことで式1や式4の形やその他の形の無限に多くの形であらわすことができます。 

以下の合成関数の微分の公式:
は、関数f(g)とg(x)があり、その関数の合成関数の、
y=f(g(x))=h(x)
という関数を作った場合に、
f’(g)=(df/dg)と、
g’(x)=(dg/dx)との積が、
h’(x)=(dh/ dx)になる、
という公式です。

どの関数f(g)とg(x)についても、公式の成立条件が満足されれば、公式が成り立つ、という公式です。

この公式には一定の縛り(成立条件)があります。それは、「(dh/dg)=f’(g)の有限の値の確定した値の微分係数が存在し、(dg/dx)=g’(x)の有限の値の確定した値の微分係数が存在する(微分可能)」という前提条件です。

「関数が微分可能(有限の値の確定した値の微分係数が存在する)」
という意味は、
「関数の変数の定義域の範囲が、その関数の微分係数を確定した有限の値にする、変数の値の集合に限られる」
という意味です。
「関数の微分係数の値が確定しない、また、微分係数の値を有限の値にしない、変数の値を定義域から除外すれば良い」という意味です。

 合成関数の微分の公式が以下の式で表現されることがあります。
 こう書くと変数hとxとgの間の関係をあらわす式と誤解されやすいと思います。
 しかし、合成関数の微分の公式は、変数の間の関係式では無く、関数の微分の関係式です。
(dh/dg)は、hをgであらわす関数f(g)が存在し、しかも、その関数の微分(df(g)/dg)が有限の値の確定した値の微分係数を持たなければなりません。
また、(dg/dx)は、gをxであらわす関数g(x)が存在し、しかも、その関数の微分(dg(x)/dx)が有限の値の確定した値の微分係数を持たなければなりません。
 それらが成り立つことが、合成関数の微分の公式が成り立つ大前提です。 

 微分の計算で使う全ての変数yやxやその他の媒介変数g同士は、必ず、その変数を他の変数であらわす不変な関数で結ばれているという大前提があります。
その関数はどの式であっても良いですが、計算の途中で変化することが無い、いつも変わらない関係式であることが微分の計算の大前提です。

合成関数の微分の公式は、以下のように証明できます。

(証明開始) 
合成関数の微分の公式を以下の式で表すことにします。
この式で、h=f(g(x))という合成関数です。

(1)先ず、h=f(g)をgの関数と考え、hはgが変化したときにどのくらい変化するか調べるため、h=f(g)をgで微分する。
h=f(g)がgで微分可能((Δh/Δg)の極限が有限の値になる)なら、
Δhが以下の式であらわされる。
(2)その場合に、以下の式が成り立つ。
(証明おわり)

(別の証明)
 ここをクリックした先のページのpdfの75ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)に、もっと鮮やかな合成関数の微分の公式の証明を見つけました。それは、以下のようにする証明です。
(証明開始)
「h ≡ f(g)のgによる微分が存在し(確定した有限値になる)、
g(x)のxによる微分が存在する(確定した有限値になる)」場合:
 (証明おわり)

(補足1) 
 合成関数の微分の公式は、以下のように式の項を作っている関数のかたまりで微分して、後で、その関数のかたまりを微分するという計算を可能にします。
(検算)この答えが正しいか否かを、以下のグラフを思い描いて確認してください。
想像したグラフの傾きがマイナスであることと、微分計算結果の式がマイナスになることが一致しているので、この計算結果が正しそうだと確認できました。
(検算おわり)

 合成関数の微分の公式を使うことにより、微分の計算がだいぶ楽になる。合成関数の微分の公式は、微分の計算にとって、生物が必要とする空気のように必要な公式です。

(補足2)
 この合成関数の微分の公式には縛り(成立条件)があります。
それは、
「h ≡ f(g)のgによる微分が存在し(確定した有限値になる)、
g(x)のxによる微分が存在する(確定した有限値になる)」
という前提条件です。

---(定義2.1 「微分積分学入門」(横田 壽)67ページ---
関数f(x) がx0 を含むある区間で定義されているとき,極限値
が存在するならば,
関数f(x) は, x = x0 微分可能(differentiable) であるといいます.
また,この極限値A を点x0 における微分係数といい,

で表わします.
-----(定義おわり)---------------------------

この、有限の微分係数が存在する(微分可能)という前提条件は、いわば、
「式を0で割り算する計算をしてはいけない」
という計算の縛りと同じ様な意味を持っています。

 すなわち、「微分可能」という前提条件は、
「0で割り算しない場合に限る」という前提条件 、
言いかえると、
「計算の違反が無い計算に限る」という前提条件、
を加えて微分の式を書くことです。

 そういう「万能の条件」を正しく組み込んで計算するならば、計算の自由度が高くなります。
 『合成関数を構成する2つの関数が何れも「微分可能=微分係数が有限の確定値になる」であるように関数の変数の定義域を定める』という前提条件付きで、パラメータ関数 g(x) や s(x) を自由に選ぶことができます。

その様に計算の自由度を高くするから合成関数の微分の公式が成り立つのだと考えます。

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逆関数の微分の公式
「微分・積分」の勉強

(5)微分の知識:

【逆関数の微分の公式の証明】
 念のために、以下で、xをyの関数と考えた逆関数の微分の公式を証明します。

(証明開始)
(1)先ず、xをyの逆関数と考え、xは、yが変化したときにどのくらい変化するか調べるため逆関数xをyで微分する。
xがyで微分可能((Δx/Δy)の極限が有限の値になる)なら、
Δxが以下の式であらわされる。
(2)その場合に、以下の式が成り立つ。
(証明おわり)

 こう考えれば逆関数の微分の公式が自然に証明できます。

上の公式は、下のグラフのように、逆関数は、元の関数に対して、直線y=xに関して対称なので、その傾きが元の関数の傾きに対して、対称な傾きである、逆数の値の傾きになる、
ということを意味している。

 ここで、逆関数の微分の公式の縛り(成立条件)である
「xのyによる微分が存在する(確定した有限値になる)」、 
という前提条件は、
「式を0で割り算する計算をしてはいけない」
という計算の縛りと同じ様な意味を持っています。

 すなわち、「微分可能」という前提条件は、
「0で割り算しない場合に限る」という前提条件 、
言いかえると、
「計算の違反が無い計算に限る」という前提条件、
を加えて微分の式を書くことです。

 そういう「万能の条件」を正しく組み込んで計算するならば、どの様な計算もできてしまいます。
その通りに、どの様な計算もできるのが、逆関数の微分の公式やその他の公式が成り立つ根拠だと考えます。

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2017年07月18日(Tue)▲ページの先頭へ
合成関数の微分の公式と微分の連鎖律
「微分・積分」の勉強

(5)微分の知識:
 以下の合成関数の微分の公式があります。
以下の様に微分の計算を楽にするときに使う公式です。
(この公式には一定の縛り(成立条件)があります。それは、「f(g)の微分が存在し、g(x)の微分が存在する(微分可能)必要がある」という前提条件です。)
関数の微分が存在しない典型的な例として、以下の図の関数yはx=0でxによる微分が存在しません。
(この関数yは、x→0において、他の変数のt=(1/x)による微分(dy/dt)についても、ー1から1まで振動し、安定しません)

合成関数の微分の公式である以下の式:
は、関数f(g)とg(x)があり、その関数の合成関数の、
y=f(g(x))=h(x)
という関数を作った場合に、
f’(g)=(df/dg)と、
g’(x)=(dg/dx)との積が、
h’(x)=(dh/ dx)になる、
という公式です。

どの関数f(g)とg(x)についても、公式の成立条件が満足されれば、公式が成り立つ、という公式です。

この公式には縛り(成立条件)があります。その縛りは、「(dh/dg)=f’(g)の有限の微分係数が存在し、(dg/dx)=g’(x)の有限の値の微分係数が存在する(微分可能)」という前提条件です。

「関数が微分可能(有限の値の微分係数が存在する)」
という意味は、
「関数の変数の値の範囲が、その関数の微分係数が有限の値になる条件を満足する値に限られる」
という意味です。
「関数の微分係数を有限の値にしない変数の値を除外すれば良い」という意味です。

実はこの合成関数の微分の公式は以下の同様な式で表された公式群の一部です。
この各公式には、先ず、以下の縛り(成立条件)があります。
その縛りというのは、
「上の式の様に微小量の割り算であらわした式の、ΔhもΔgもΔxも、何れも微小量でなけばならない」
とういう条件です。
例えば、関数g(x)=(1/x)を使った場合、
Δg=Δ(1/x)が、

x→0で、微小量にならないから、
x→0の場合には、関数g(x)=(1/x)を使うことができません。

また、更にその上に、各関数の微分可能条件も(あたりまえの条件のように見えますが)あえて意識する必要があります。
その理由は、xの位置に応じて、Δgが正から0になって負に変わる場合も考えられるからです。

「関数が微分可能(有限の値の微分係数が存在する)」
を規定する意味は、
「関数の変数の値の範囲が、その関数の微分係数が有限の値になる条件を満足する値の場合に限って公式が適用できる」
という意味です。
「この公式を構成する関数に対して:各関数の微分係数を有限の値にしない変数の値があれば、その値をその変数の範囲から除外すれば良く、その値を除外した変数の範囲内で公式が適用できる」という意味です。

(注意)
以下の式で:
Δgが微小量より更に小さい真正の0になる場合を考えずに合成関数の微分の公式を証明したつもりの偽証明が流通しています。自分の「分からないものは分からない」センスを大切にして、偽物に騙され無いように、注意しましょう。

 Δgが微小量より更に小さい真正の0になる場合は、以下で詳しく調べます。それ以外の場合は微小量の割り算で公式が説明できるので、高校2年生でも、以下の説明を読んで、その後は公式を覚えてしまいましょう。

Δgが微小量より更に小さい真正の0になる場合を、以下の合成関数の例で考えます。
【事例1】
 次に、以下の微分を考えます。
この式5を見ると、
x→0
の場合に、関数gの微分が:
となり、微分が0になることがわかります。
その場合は、
Δg=0(微小量より更に小さい真正の0)になります。

(dh/dg)が微分可能(値が確定した有限値になる)なら、
となるので、
Δxに対してΔgが真正の0になるのと同時にΔhも真正の0になります。
そのため、
x→0の場合に、
になります。実際に式3をxで微分すれば、その通りになっていることがわかります。
この関数hの微分を、Δgを含めて展開すると:
となります。
 このように、ほとんどΔg=0である(真正の0である)とも言える関数g(x)の場合にも、
Δgが真正の0で無いただの微小量の場合と同じ形の公式:
が成り立っていました。
 この事例は、0では無い小さなΔxが存在すれば、 ΔgがΔxの2乗程度の極めて小さい値になりますが、Δgは厳密には0にはならないので助かりました。

 しかし、以下の図のような、有限な範囲でg(x)の値が一定値で続く関数g(x)の場合は、0では無い小さなΔxに対して厳密にΔg=0になります。(この関数gは−1<x<1の範囲でg(x)=0であり、かつ、(dg/dx)=0です)。そういう関数g(x)の場合には、この事例の計算方法では、正しい答えが得られません。
 その場合にも有効な結果を得る計算方法が以下の様に考えられます。
着目点は、hが微分可能であれば、(Δh/Δg)の値は、Δgがどれだけ小さくても値が安定して(dh/dg)に収束することです。
 計算の初めの時点から、(Δh/Δg)の式のかわりに、有限値の微分の値(dh/dg)を使って計算するならば、上の計算は、
有限値(dh/dg)・(値が0に収束する(Δg/Δx))
の計算に置き換えることができます。
そうすれば、小さなΔxでΔgが厳密に0(真正の0)になっても、
式の中でΔgが分母に来ることが無いので、
Δgがどうであれ合成関数の微分の公式が成り立ちます。

 hのgによる微分が有限の値の(dh/dg)に収束する(微分可能)ならば、合成関数の微分の公式を成り立たせる結果を導き出せます。

【合成関数の微分の公式の別の証明】
 上の事例でΔgが真正の0になる場合を考えましたが、Δgが真正の0になるという発想は、Δxが0で無い場合にΔgが真正の0になる場合があるという、g(x)の関数の性質に由来する問題です。
 以下では、hをgの関数と考え、gをxの関数と考え、g(x)の関数の性質に左右されない証明をします。

(証明開始)
(1)先ず、hをgの関数と考え、hはgが変化したときにどのくらい変化するか調べるため、hをgで微分する。
hがgで微分可能((Δh/Δg)の極限が有限の値になる)なら、
Δhが以下の式であらわされる。
(2)その場合に、以下の式が成り立つ。
(証明おわり)

 こう考えれば合成関数の微分の公式が自然に証明できます。
この証明の中には、Δx≠0のときにΔgが0(真正の0)になる場合も含まれています。
(1)で考えた(Δh/Δg)は、gが変化する場合のhの変化の割合を調べたものであり、gが変化しないならhも変化しないと考えています。
そして、(2)では、Δgが0になる場合も考慮されています。
すなわち、
(2)では、
Δg=0なら、
Δh=0になり、
(Δh/Δx)=0
になります。

 また、変数xのある値で、(Δh/Δx)≠0となる場合に(Δg/Δx)=0となる不適切な関数g(x)を選んだ場合は、
変数xのその値でΔgが真正の0になります。それとともに、変数xのその値に対応するg(x)の値では、関数hのgによる微分(Δh/Δg)が無限大になろうとし、関数hがその値のgでは微分可能では無くなります。
そのため、そのようにdg/dx=0とする変数xの値(そのxに対応するg(x)の値)においては、公式が適用できなくなります。
 「関数が微分可能」という条件は、このように、不適切な関数g(x)が使われる場合でも、変数xの定義域の範囲、および関数hを微分する変数としてのgの値の定義域の範囲を、公式が適用できる範囲に制限することで公式を守っています。

なお、以上の証明の基礎となった以下の置き換えの公式(微分された関数が微分可能であることを前提にする)があります。これは、その他の全ての公式の証明に使えます。

【事例2】
 次に、各関数が微分可能では無い場合にどうなるかを事例2で調べます。 
以下の合成関数を考えます。
ここで、式2から、
x→0
の場合に、
g→0となります。

次に、以下の微分を考えます。

この式5を見ると、
x→0
の場合に、関数gの微分が0になることがわかります。
すなわち、
Δg=0(微小量より更に小さい真正の0)です。
一方、式4を見ると、
g→0 (x→0)
の場合に、
(dh/dg)=±∞ になり、
関数hが(gの値が0の場合は)変数としてのgで微分可能(確定した有限値の微分係数を持つ)では無いことがわかります。また、関数hは、gの値が0以外の値の場合は、変数としてのgで微分可能であることがわかります。
そのため、
g→0 (x→0)
の場合に、
合成関数の微分の公式が成り立ちません。
公式が適用できないことは以下のように確かめられます。
式3を直接にxで微分すれば、
になります。
その結果と、

x→0 の場合に、式5から得た
とを合わせた公式の式:
は計算できません。
 一方、xの値が0以外の値(同時にgの値が0以外の値)の場合は問題が無く、合成関数の微分の公式が適用できます。
(この事例からも、各関数の微分可能性が、合成関数の微分の公式に必須な条件だと分かります) 

この公式は微分の連鎖律と呼ばれています。

「f(g)の微分が存在し、g(x)の微分が存在する必要がある」という前提条件の意味を、更に以下の事例3でも考えます。

【事例3】
 以下の合成関数を考えます。
次に、以下の微分を考えます。
この式5を見ると、
x→0
の場合に、関数gの微分(確定した有限値の微分係数)が存在しないことがわかります。
そもそも、微分をする以前に、
x→0
の場合に、関数gはプラスマイナス無限大になるので、
x=0は関数gの定義域から外れます。
そのためx=0では(定義域の外ですので)関数gは使えません。

また、式4を見ると、
g→0 (x→±∞)
の場合に、関数 f の微分が存在しないことがわかります。

そのため、以下の計算は、
x ≠ 0 (g ≠ ±∞) and  x ≠ ±∞ (g ≠ 0)
の場合にのみ適用できます。
x=0の場合の関数 f の微分については、
式3を直接xで微分して確かめる必要があります。

 以上の調査の結果を見ると、
合成関数の微分の公式の縛り(成立条件)である
「f(g)の微分が存在し(確定した有限値になる)、
g(x)の微分が存在する(確定した有限値になる)」
という前提条件は、
「式を0で割り算する計算をしてはいけない」
という計算の縛りと同じ様な意味を持っていることがわかります。

 すなわち、「微分可能」という前提条件は、
「0で割り算しない場合に限る」という前提条件 、
言いかえると、
「計算の違反が無い計算に限る」という前提条件、
を加えて微分の式を書くことだと考えます。

 そういう「万能の条件」を正しく組み込んで計算するならば、どの様な計算もできてしまいます。
(その条件を正しく組み込まないでその計算をまねした計算は計算違反がある誤った計算になります)
その通りに、どの様な計算もできるのが、合成関数の微分の公式やその他の公式が成り立つ根拠だと考えます。

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2017年07月17日(Mon)▲ページの先頭へ
微分するための極限の極意
「微分・積分」の勉強

(3)微分から極限に:
 以下の微分の問題を考えると大きな壁に直面します。
 この問題で微分を求めようと計算を進めてみます。
この式2まで計算できますが、その先には進めなくなりました。
以下の式を求める方法が無ければ、先に進めません。
この式の計算をできる方法を知ることが「極限」を学ぶということです。

(極限を学ぶ)
以下の単位円の角度を考えます。
この図の三角形OAHの面積と扇形OBAの面積の大小関係からsinθとθの大小関係を考えます。
先ず、この式3の大小関係が分かります。
次に、扇形OBAの面積と三角形OBTの面積の大小関係から以下の大小関係も考えます。
この式4の大小関係と式3の大小関係を合わせて、sinθより小さいものと大きいものが考えられました。
それを整理すると以下の式5になります。

この大小関係の式5をθで割り算した式の極限を求めます。
その計算の際に、極限では、
f<g<h
が、
f≦g≦h
となり得るので、
式5の不等号には等号も加えて以下の計算をします。
この様に、sinθの式を間に挟み込む2つの式の極限を計算することで、
式6の様に挟みこまれたsinθの式の極限が計算できました。
これが「極限」の極意(奥義)です。

(注意)この計算は、厳密には、θ<0の場合も確認する必要があります。

 この式6を使うと、先に途中まで考えた微分の計算を進めることができ、以下の式7まで微分を計算することができました。

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2017年07月16日(Sun)▲ページの先頭へ
極限:ロピタルの定理の一部
「微分・積分」の勉強

(3)極限:
 以下の極限の問題があるとき、対応に困ります。
 この問題では、極限の計算をしようとすると、0を0で割らなければならないので困ります。
この問題を解くには、以下の様に考えると問題がやさしくなります。
この様に、微分を利用すると、極限の計算が楽になります。
これは
媒介変数表示による関数の微分法であり、ロピタルの定理の一部でもあります。
(ロピタルの定理は、上式のような微小量で微分する場合以外にも成り立つ定理です)

この問題の式は、0に近い関数f(x)を0に近いxで割ることで微分係数を求める式に以下の点で似ています。

すなわち、問題の式は、0に近い関数f(x)を、 xを媒介変数にした0に近い分母の関数g(x)で割ることで、関数f(x)を関数g(x)で微分する式であると解釈できます。
そういう微分は、以下の様に変換できます。
媒介変数表示による関数の微分法は、この重要な数学的意味を伝えるという、微分を理解する重要なかなめ石としての役割を持っています。

媒介変数表示による関数の微分法は、xの微小量を使って分子の関数 f と分母の関数 g を微分します。
ここをクリックした先のページのpdfの78ページ(「微分積分学入門」著者:横田 壽)を参照

この概念を教えないならば、それは、微分の概念を本気で教えるつもりが無いということだと思います。

(注意)

 ロピタルの定理は高校では教えないことに決まっています。
そのため、高校の数学の試験問題では、ロピタルの定理を使って問題を解答してはいけません。


ただし、「ロピタルの定理」という言葉を使うのでは無く、上の式のように、媒介変数表示による関数の微分法をその場で導き出して使うならば、使っても大丈夫と考えます。

 大学入学試験では、
媒介変数表示による関数の微分法を使って解答して良いです。ロピタルの定理も使って良い(但し間違って適用する誤答をしないこと)と考えます。大学入学試験では、進んだ知識を持っていることは入学を拒否する理由にはならないからです。

 「ちょっと便利な方法だけを、深い理解無しで教えるのは良くないから」というのがロピタルの定理を無視する方針の根拠と考えます。ロピタルの定理を教えない方針に引きずられて、それに近い公式の媒介変数表示による関数の微分法も教えていないのではないかと考えます。
 しかし、一見正当に見えるその理由も、
「学生の深い理解に至るまでとことん教えるのは面倒だから、それはやらない。」
という理由の言い換えにすぎず、間違っていると考えます。
学生が必要に応じその場で媒介変数表示による関数の微分法を導き出して使うように教えるのが正しい教育と考えます。 

 先生が高校生に本当に数学を教えることができるように先生の立場を守ることができない日本の教育体制の問題がここにあらわれているのだろうと考えます。

 このような矛盾をかかえた教育では、「数学の試験」は、生徒の実力を正しく測る絶対的な方法ではなく、便宜的なものにすぎないと考えます。
 そのため、数学を学ぶ者は、試験の結果をあまり気にせず、自分の「わかった」という心に従って数学を学ぶのが良いと考えます。

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2017年07月15日(Sat)▲ページの先頭へ
微分:等加速度運動の発見
「微分・積分」の勉強

(2)微分:
 以下の現象があります。

 水平方向に打ち出された玉が時間とともに放物線を描いて落下していく(高さhが下がっていく)という現象があります。
 この問題は、以下の様に解釈できます。

玉の高さhの時間変化は、玉の落下速度vをあらわします。
 
そして、玉の落下速度の時間変化は、加速度をあらわします。
放物線運動を微分していくと、その運動の原因が等加速度運動にあることがわかります。

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2017年07月13日(Thu)▲ページの先頭へ
円と放物線が接する条件(2)
(2つのグラフが接する条件を求める問題)

【問】
 以下の2つの式であらわされる円のグラフと放物線のグラフが接するkの条件を求めよ。

【解答】
 先ずは、下図のようなグラフを描いて、問題の見通しを良くしてから問題を解きます。
図から、接点は、y=−1の点とy=1の点と、それ以外にy座標が−1/2程度の2つの点との合計4点あると、見通しを立てます。
(それをそのまま解答にしても良い)

接点を求める問題は、微分で接点の条件を与える方程式を作ることが計算を少なくできるコツです。

そのため、以下で、微分を利用して接点の条件を与える方程式を作ります。

これにより:
この式5bと先の2つのグラフの式2つとの、2変数の3つの式を連立させて、kを求める問題に変換できました。
式5bから、以下の式6が得られます。
以下で、この式の2つの場合に分けて、解を求めます。
 これにより、以下の第1の解の群が得られた。
次に、式6のもう1つの場合の解を求めます。
これにより、以下の第2の解の群が得られた。
よって、式1のグラフと式2のグラフが接するようにするkの値は、
k=±1, −5/4
の3つです。
(解答おわり)

(補足)
 式6bの場合の第2の解の群は、微分を用いないでも、以下の様にして接点が2重解を持つ条件から導くことができます。
(1)+(2):
この2次方程式は、
k=−5/4
の場合に2重解を持ちます。
 しかし、その2重解が接点をあらわすことはあまり明確ではありません。
また、この2次方程式にこだわると、
式6aの場合の接点の第1の解の群を見落とす恐れがあります。
 そのため、接点を求める計算では、
微分を利用した接点の条件の式5bを使って、式6aと式6bを導き出す明確な計算によって接点を計算する方が望ましいです。 

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2017年07月12日(Wed)▲ページの先頭へ
円と放物線が接する条件
(2つのグラフが接する条件を求める問題)

【問】
 以下の2つの式であらわされる円のグラフと放物線のグラフが接するkの条件を求めよ。

【解答】
 先ずは、下図のようなグラフを描いて、問題の見通しを良くしてから問題を解きます。
次に、方程式1のあらわすグラフと方程式2のあらわすグラフの交点を計算します。
その解の交点が2重点になれば、それが、グラフが接する条件です。

 2つの方程式のグラフの交点を求めるために、
先ず、方程式同士を引き算して以下の式3を作ります。

 この式3は、式1と式2から作りましたが、
式2から得たxの式を式1のxに代入したのでは無く、
xの二乗を代入することでxを消去したので、式の代入方法に無理があります。

このような場合に、
確実に計算をするためには:
この式3を得た時点で、
式1と式2との連立方程式が、
式3ともう1つの式(式1を使うことにする)との連立方程式に変換されただけであるとみなします。
式3は2つの直線を合わせた式なので、式3のあらわす2つの直線の1つづつと式1のグラフが交わる点を計算し、その解が、式1と式3の解です。

(注意)
「式3が重根y=−2を持つのがグラフが接する条件だ」
と考えることは、
条件が合えば、そう考えても良いが、
この問題の場合は、
式1 によって、
−1≦y≦1
なので、y=−2となり得ない。
そのため、この問題では、y=−2となる重解は存在しない。

式1と式3のグラフの交わる点の解が2重点を持つ(グラフが接する)場合が、以下のようにして求められます。 

(y座標の解は1つで、x座標の解は2つの解が重なった重解)
よって、グラフが接するkの条件は、
k=±1
です。
(解答おわり)

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2017年07月09日(Sun)▲ページの先頭へ
放物面鏡での光の反射
「微分・積分」の勉強

(2)微分:
 以下の問題を考えます。
【問題】 
 放物線鏡の中心面に垂直に入れた光(放物線の軸に平行な光)は反射してどこに行くか。
 この問題は、以下の様に解くことができます。

【解答】
先ず、放物線の軸に平行な光を点A(X,Y)に当てます(図ではX座標が1の場合を示す)。
光の反射方向を知るためにA点での鏡の傾きを近似的に計算します。
A点で反射した光は反射してY軸上のF点に達すると考えます。
A点近くの光と鏡面の関係を詳しくしらべます。
X座標の値がXである点Aでの放物線への接線がX軸と交わる点をCとします。またA点からX軸に垂直に下ろした点をBとします。
ここで、
なので、
三角形ACDの底辺CDの長さは近似的に、
と計算できます。 

線分ACに垂直な直線CBを考え、その直線を延長してY軸と交わる点をFとします。
∠ACB=∠R
です。
OC=X−CD=X/2
ですので、
OC=CD=X/2
です。
そのため
FC=BC
です。
二辺狭角が等しいので、
△AFC≡△ABC
です。
そのため
∠FAC=∠BAC
です。
よって、
直線FAは、
A点で反射した光線の通る道です。
FC=FB/2
です。
そのため、
OF=EF/2
です。
そして:
が得られます。
結局、光線は、どのX座標から入っても、
すべての光が点(0,1/4)に集光することがわかりました。
(解答おわり)

 この問題を解く過程で用いた、近似的な傾きを、「微分」という究極の傾きの式で表すことができます。

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2017年06月16日(Fri)▲ページの先頭へ
球の表面積を積分で求める
「微分・積分」の勉強

(1)積分:
 以下の問題を考えます。
【問題】 
 なぜ、半径 r の球の表面積Sは、
表面積S=4π r
なのか。

 この問題は、以下の様に解くことができます。

先ず、問題をやさしくするために、半径 r が1の場合を考えます。

 次に、以下の図のように、球の表面を輪切りにして多数のリングに分割し、
その1つのリングの面積を計算します。 
リングの幅をΔwとします。
球を輪切りにする間隔のΔxあたりのリングの面積が求められました。
このリングの面積の総和が球の表面積です。
球の表面積が4πになりました。
これから、半径 r の球の表面積Sは、
表面積S=4π r
になることがわかりました。 

 この様に、要素に分割して総和を計算することが「積分」をするということです。

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2017年06月14日(Wed)▲ページの先頭へ
「微分・積分」はどうすれば勉強できるか
「微分・積分」の勉強

 高校の数Uで、微分・積分を学ぶようになり、その勉強がつまらなくなり数学を学ぶのをあきらめて文系に進むことにする学生が多いらしい。そうなる以前に早めに数学がつまらなくなることを見切って早々と文系に進むことに決める学生も多いらしい。

 そのため、このページでは、「微分・積分」をどうすればおもしろく勉強できるかというコツを考えます。

先ず、勉強の順番が、
(1)極限
(2)微分
(3)積分
になっている事が、
「微分・積分」の勉強をつまらなくしていると考えます。

 数学が好きでいつも数学を勉強している学生は、「微分・積分」の授業の順番には「微分・積分」を学んでいないと考えます。

 数学の問題を多く解いていて、数学の問題を解く技術を磨いてきた学生は、「微分・積分」の基礎的な概念は既に考えたことがあり、その概念も利用して問題を解いている。
 そして、「微分・積分」の授業に出会ったら、既に知っている自分の知識を整理するために役立てようとして授業を聞くから、「微分・積分」の勉強ができるのだと考えます。

 その、既に知っている「微分・積分」の知識とは、どのようなものかを以下で考えます。

 数学が好きでいつも数学を勉強している学生は、好奇心を満足させる面白いテーマの順に数学を学んで行くと思います。
 面白い数学の課題を見つける都度、その課題を自分で研究するという道草を食います。その道草の1つに、基礎的な「微分・積分」の概念の修得があると思います。


 そのため、以下では、その、面白い順に、「微分・積分」を学んでいこうと思います。
(1)積分
(2)微分
(3)極限
の概念の順に学ぶのが面白く、
それを学んだら、
(4)極限の概念の精密化
(5)微分の知識の整理
(6)積分の知識の整理
を勉強するのが、勉強の順番として適切だと考えます。

(1)積分:
 以下の問題を考えます。
【問題1】 
 なぜ、三角錐の体積Vは、
体積V=底面積S×高さh×(1/3)
なのか。
 この公式は、何とか覚えられたと思いますが、
もっと、すっきり覚える方法が無いか?
と考えたことがあると思います。
 この問題は、以下の様に分析することができます。
この解に法則性があるように思われますが、
この問題は難しいので、これを解くための準備として、
この問題をもっとやさしくした以下の問題を先に解くことにします。

 【問題2】
 なぜ、三角形の面積Sは、S=底辺L×高さh×(1/2)
なのか。
 
この問題ならば、上のような場合を考えて、解くためのヒントを見つけることができます。

この問題2で得られたヒントを拡張して、 
以下の様に問題1を解析します。

 【問題1(再)】
これは、以下のグラフの面積を分割して計算することに対応すると考えることができます。
(この計算で用いた2乗の数列の和の式はここをクリックした先のページにあります)

 このように問題を解析することで、後は、この2次関数のグラフの面積を与える法則性を把握すれば、この種の問題が自由に解けるようになることが理解できます。

 この様に、分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が「積分」です。
 また、その計算のための法則性を整理して覚えることが「積分」を勉強するということです。

(微分積分学の歴史) 

 ライプニッツが、1684年に「極大と極小にかんする新しい方法」を出版して、その中で微分法を発表し、
ついで1686年に「深遠な幾何学」を出版して積分法を発表しました。

 その後に、ニュートンが微分積分学を発表しました。

   それに対して、旧い数学者のバークレー司教(Bishop George Berkeley)が微分積分学を攻撃した論争が微分積分学を正しく育てました。
 バークレー司教は、ダブリンのトリニティ・カレッジで神学を学び、後に講義をする。アイルランド、クロインの(英国国教会の)監督Bishopとなる(1734)。

 バークレー司教は、数学から唯物論を追放する目的で、『解析者―不誠実な数学者へ向けての論説』(The Analyst: or a Discourse Addressed to an Infidel Mathematician, 1734)で、ニュートン・ライプニッツ理論(微分積分学)を攻撃し、大論争を引き起こす(『解析教程』第II章第1節参照)。
ド・モアブル、テイラー、マクローリン、ラグランジュ、ヤコブ・ベルヌーイ、ヨハン・ベルヌーイなどが論争に加わり、微積分学の論理的基礎づけに対する関心を高めた功績は大きい。
とくに、マクローリンは反論のためにニュートンの方法の厳密な構成を行った。


以下で、バークレー司教の微分積分学に対する感想を見てみます

『バークレー司教:解析者より』
  「しかし、速度の速度、その速度、そのまた速度、またその速度、またまたその速度などなどというのは、私が間違っているのでなければ、すべての人間の理解を越えてしまっています。

精神がこの捉え難いアイデア(微分積分学)を解析し追及すればするほど、それはまごつき狼狽えることになり.....」

『バークレー司教:解析者より』
  「......我が時代の解析者
(微分積分学)は有限の量の差を考えるだけでは満足しません。
彼ら(微分積分学)はさらにその差の差を考え、最初の差の差の差を考えます。 そしてさらに無限にまで。
 つまり彼ら
(微分積分学)は認識できる最小の量よりさらに無限に小さい量を考えます。
その無限に小さい量よりもさらに無限に小さな量を、そしてその上これまでの無限小量よりもさらに無限に小さい量を考え、終わりも限界もないのです。
......もう告白するしかありませんが、無限に小さい量を心に描くことは ......私の能力を超えています。
しかし、そのような無限に小さい量の、それよりさらに無限に小さい一部、だから結局それを無限倍したとしても最も微細な有限の量にまでなることもできない、そんなものを想像するということは、どんな人にとってもそれこそ無限に困難なことだろうと、私は思うのです。.....」

『バークレー司教:解析者より』
  「そして、この流率(微分)とは何だろうか?

  無限小の増分の速度。 そして、これら同じ無限小の増分の速度とは何なんだろうか?
  これらは有限の量でもなく、無限に小さい量でもなく、無でもない。 こんなものなら、過ぎ去った量の幽霊と呼んではいけないというのだろうか? 」

 ニュートンとライプニッツの微分は、「無限小」の概念が十分に論理付けされていなかったため、今日のような厳密さが欠けていただが、微分は、力学や天文学などで応用可能、しかも実用的であったため、ベルヌーイやロピタル、オイラー、ラグランジュ、ラプラスなどの研究によって普及していった。

 微分学が厳密性を伴うようになったのは、19世紀に入ってからである。仏の数学者コーシーは、1821年に発表した「解析教程」で「極限」や「無限小」、「連続関数」の概念を定義し、解析学の基礎を刷新し、その後デデキントやカントールによる実数論などを経て、今日の微分の基礎が完成した。


(補足1)
 微分と積分は,歴史的にも,数学的にも,別々に定義される. 独立して定義されたものが,結びついている。 (日本の高校の微分積分の教科書ではいちばん大切な数学の発見が,次代に伝わらない。) 

(補足2)
(「リーマン積分可能」の定義)
「微分積分学入門」(横田 壽)の124ページから125ページに「リーマン積分可能」の定義が書いてあります:

 ここではドイツの数学者G.F.B. Riemann (1826-1917) によって示されたRiemann 積分につ いて学んでいきます.リーマン積分による「積分可能」の定義は、全ての種類の「積分可能」の定義の基礎になっています。
f(x) は閉区間[a, b] で定義されているとします.この閉区間[a, b] を次のような点xi(i = 1, 2, . . . , n) でn 個の小区間に分割します.

(a = x0 < x1 < x2 < · · · < xi < · · · < xn = b)

 この分割をΔ で表わし, Δxi = xi − xi−1 (i = 1, 2, . . . , n) のうちで最も大きい値を|Δ| で 表わします.
いま,それぞれの小区間[xi−1, xi] のなかに任意の点ξi をとり,Riemann 和 (Riemann sum) とよばれる次の和を考えます.

このとき、
となる実数S が存在するならば,このS をf(x) の定積分(definite integral) といい, f(x) は閉区間[a, b] で積分可能(integrable) であるといいます.また,このS を次のように表わします.
つまり関数f(x) が閉区間[a, b] で積分可能であるということは,分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まるということです.

 この定義に従い、関数の積分可能性を以下の様にして調べることができます。
先ず小さな閉区間[a, b] を定めて、
その区間の小区間への分割の仕方および点ξi(i = 1, 2, . . . , n) のとり方に関係なく、各点の関数値の和が一通りに定まる(積分可能)か否かを調べることができます。 

(積分が不可能な関数)
 下のグラフの関数f(x)のように、どの位置においても関数の極限が存在しない関数があり得ます。
 例えば、 
xが有理数の場合にf(x)=0であって、
xが無理数の場合のf(x)=1
という、極限が存在しない関数f(x)などです。
 そういう、極限が存在しない関数f(x)を積分して関数F(x)を得た場合(もし積分できた場合)、その積分により得られた関数F(x)は微分可能だろうか。
 そもそも、微分の計算は極限を求める計算なので、その関数f(x)が積分できても、その積分した関数F(x)を微分した場合に、元の関数f(x)は(極限値が存在しないので)、微分によっては得られないと考えます。  

 上図の関数f(x)の変数x=x1からx=x2までの変数xの閉区間をn等分して、その区分した部分毎にf(x)の値f(ξ)を求めて、その値の和で積分します。
(1)その際に、 変数x=ξが全て有理数なら、f(ξ)=0になり、積分結果は0になります。
(2)一方、変数x=ξが全て無理数√2の有理数倍なら、f(ξ)=1になり、積分結果は(x2−x1)になります。
(3)f(x)の値f(ξ)の選び方によって結果が変わるような計算の値は定かでは無いので、その様な関数f(x)は積分することができません。 

 このように、微分積分学では、あらゆる関数に微分積分を行う理論を作ろうとすると、いろいろな難しい問題があることがわかりました。
 微分積分学で、難しい問題が生じない関数の範囲を把握して、その範囲内で微分積分の計算をすることで、応用上で微分積分を使い易くできます。
 そのため、使い易い関数として、極限が存在し、かつ、連続な「連続関数」 を主に扱う対象にし、また、「微分可能性」で関数の変数の定義域を制限して、微分積分を行う範囲を制限します。その範囲内で成り立つ法則を把握して、種々の公式を導き出して使うことで微分積分学を最大限に応用できるようになります。

 微分積分学は、微分可能な関数と積分可能な関数を定義して、その種の関数の間で微分したり積分をします。

「関数を積分して、それを微分したら元の関数に戻る」 
という、微分積分学の基本定理がありますが、
その定理は、その関数f(x)の積分可能な部分に限り、かつ積分後の関数F(x)の微分可能な部分に限って成り立つ定理です。
 その定理の大前提に、何が微分可能で何が積分可能であるかの定義があります。

 微分積分を学ぶ者は、「微分可能」と「積分可能」という制限条件を定め、その制限条件を満足する関数を扱うのが微分積分学だと認識することがとても大切です。 
 しかし、この一番大切な概念を高校2年には教えない。高校3年に至っても「積分可能」の概念を教えていないようです。
 しかも、1997年からは、日本の高校の数学IIで面積が無定義に用いられという、数学センスを否定する蛮行が行なわれた。そして、関数f(x)のグラフとx軸で囲まれる領域の面積を,x方向で微分するともとの関数f(x)になり、面積の微分がf(x)となるという本末転倒なことを教えるようになった。

  現在の高等学校の教科書は,積分の概念の説明を回避している。

 “論証"・論証"とやかましくいっておきながら,微積のところへ来ると,とたんにいいかげんな議論でごまかしている。一ーまた高校ではごまかさざるを得ないだろう。高校数学の目的は生徒のあたまを混乱させることにあるのだろうか。

 このようなデタラメな教育では、高校生に微分積分が分からないのも無理無いと考えます。
 バークレー司教が、これを知ったら、「論外の教育だ」 と酷評すると思います。 

 (補足3:日本の微分積分の教育)
 ヨーロッパやアメリカでは、「高校で微分積分を教えるのは、直観にうったえる内容に限られ、正確な微分積分を教えられない」という理由で、微分積分は大学生に教える科目になっています。
 日本の大学でも、その欧米の教育に合わせて、初めて学ぶ者に分かるように微分積分を改めて教育しているようです。
 大学で使う微分積分の参考書は、高校で教える微分積分の知識を全く知らない学生に理解できるように書かれています。
 しかも、大学生向けの微分積分の参考書の方が、日本の高校生向けの微分積分の参考書よりやさしく分かり易い。

 高校の微分積分を勉強するなら、先ず、大学生向けの微分積分の参考書を読むことを推薦します。高校の微分・積分の教科書は分かりにくいだけで無く、間違いも含まれています。読まない方が良いのではないかと考えます。
 とりあえず、大学生向けの参考書で無料でダウンロードできる、
「微分積分学入門」(横田 壽)
を読んでみることをお勧めします。 
(しかし、同じ著者の書いた高校生向けの参考書「確実に身につく微分積分(2012年)」の1版は、内容が劣化しているのでお勧めできません。大学生向けの本物の知識の参考書「微分積分学入門(2004年)」を読んでください。)

「微分積分学入門」(横田 壽)の読み方は、 66ページから始まる2章「微分法」の以前のページは斜め読みして、何が書いてあるらしいかを漠然と把握しておいて、2章「微分法」以降を精読することをお勧めします。読んでいるうちに知らない関数や概念が出てきたら、66ページ以前に書いてありますので、探して、その部分を読んで理解するように勉強してください。

「微分積分学入門」(横田 壽)は、積分の説明もわかり易いのでお勧めですが、先ずは124ページのリーマン積分を読んでから、次に、その前のページに書かれている積分の説明を読んで欲しい。

リンク: 
高校数学の目次



曲線同士が接する条件は点の座標の解の重なり
「微分・積分」の勉強

(1)なめらかな曲線の接線は、微分を使って見通し良く正しく定義できる。
(2)接点の座標の計算だけで2曲線の接触を判定する場合は、接点(x,y)が重解を持つか否かで判定する。接点(x,y)のx座標かy座標の一方の座標だけでの重解の有無で判定してはいけない。

【問1】放物線y=x/4と円x+(y−1)=1は接するか?

(方程式が重根を持つかで解析する方法) 
放物線 y=x/4  (式1)
円 x+(y−1)=1 (式2)
この2つの図形は、(0,0)で接することが図から明らかである。
そして、接線は、
接線 y=0 (式3)
であることが明らかである。
 

実際に、式1の放物線と式3の直線を連立させて、方程式からyを消去すると、
0=x/4
xは0となる重根を持ち、式1の放物線は式3の接線と(0,0)で接する。
 

次に、式2の円と式3の直線を連立させて、方程式からyを消去すると、
+(0−1)=1
=0
xは0となる重根を持ち、式2の円は式3の接線と(0,0)で接する。
 

【この問題で注意する点】
 曲線同士が接する条件は、
接点(x,y)が重解を持つか否かで判定するべきであり、接点(x,y)のx座標かy座標の一方の座標だけで重解の有無を判定してはいけない。
 

【解答】
式1の放物線と式2の円の方程式を連立させる。
放物線 y=x/4  (式1)
円 x+(y−1)=1 (式2)
式1から、
=4y (式4)
式4を式2に代入してxを消去する。
4y+(y−1)=1
+2y=0
y(y+2)=0 (式5)


 接点(x,y)が多重の解を持つかどうかはx座標も確認しないといけない。
 上の計算で得た式5に式4を代入して、x座標であらわした以下の式6に書き直す。
(x/4)/4+2)=0 (式6)
(x)(x+8)=0 (式7)
(x+8)≠0 なので、
=0 (式8)
が得られる。
式8から、xの値が重根の値0を持つことがわかり、
「多重根ができるから接する」。
(解答おわり)

(補足)
 この例題のように、曲線の接触の確認には、接点(0,0) の x 座標が重根になるのであって、重解の2点のy座標は同じになるため、 x 座標が重根になる事を確認しなければならない。

(注意)
 ここで、この問題のグラフの x 座標を、
t ≡ x
で定義されるt座標を使い、 t,y 座標系での曲線の接点を求める問題と考えたらどうなるか。
t ≧ 0,
(式1)→ y=t/4  (式1b)
(式2)→ t+(y−1)=1 (式2b)
 この場合は、式2bに式1bを代入すると、
t+((t/4)−1)=1,
16t+((t−4)=16,
+8=0,
t(t+8)=0,
t=0
このように、t座標の解も重根を持たない。
 それでは、2つのグラフが接しないという解になってしまう。
 一方、与えられた2つのグラフの t,y 座標系に写像した2つのグラフは、下図のようになり、この2つのグラフは接しない。
よって、 t,y 座標系では、この2つの曲線は接しないという結論は正しい。

 2つのグラフが接するという事は、 x,y 座標系でのみ成り立つ現象である。変数変換をしたら、グラフが接するかどうかは不明になる。

(結論)
 曲線の式と曲線の式を連立させて方程式を解く場合には、
曲線が接する判定条件は、(x,y)の座標点が重解になるかどうかで判定するべきである。


(補足)
 以上の計算における曲線の接触の判定の計算は、「この式8が得られることで正しく重解の存在を判定できるのか?」 という疑問が湧くという、接点の判定条件が怪しげで不明瞭であるという問題がある。
 この不明瞭さを解消するには、式の微分を用いることで明瞭な判定ができる。その判定方法は、後のページの例題で例示する。

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2017年06月10日(Sat)▲ページの先頭へ
対数関数の微分
 高校2年の微分の授業で、対数関数の微分を教えていない。
 対数関数の微分は、高校3年の理系学生に、数Vの「微分法」でようやく教えているようです。
 しかし、ある関数の微分を教えない微分の授業というのは、微分の本質を教えていない。数学教育の崩壊に近いのではないかと考えます。

【対数関数の微分の公式】
 以下で、対数関数の微分の公式を証明します。
ここで e はネイピア数と呼ばれる重要な数です。

【証明開始】
 以下で、対数関数の微分を計算する。
(証明おわり)
 こうして、対数関数の微分の公式が導き出せ、
また、ネイピア数 e が無理無く導入できた。

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2017年06月05日(Mon)▲ページの先頭へ
指数関数の微分
 高校2年の微分の授業で、指数関数の微分を教えていない。
 指数関数の微分は、高校3年の理系学生に、数Vの「微分法」でようやく教えているようです。
 しかし、ある関数の微分を教えない微分の授業というのは、微分の本質を教えていない。数学教育の崩壊に近いのではないかと考えます。

 以下で、指数関数の微分を簡単に説明します。
指数関数のうち一番重要なネイピア数 e の指数関数の微分の式1を説明します。

【式1の証明の試み1】
ネイピア数 e は以下の式2で定義されます。
この式2を使って、ネイピア数 e の指数関数が以下の式3で定義できます。
この式3を微分して以下の式が得られます。
(証明おわり?)

【上の証明の数学的批判】
 上の証明では、ネイピア数 e のx乗を、大きな数mを使った極限であらわした式に対して微分の公式を適用して答えを計算しています。
 しかし、そもそも「微分」とは、無限に小さい微小量に関して、関数の変化率を求める計算のことです。無限に小さい微小量を使う以前にネイピア数 e の値が確定している必要があります。そのため、微分で使う無限に小さい微小量よりも、ネイピア数 e の値を定義する微小量=(1/m)の方がもっと小さい微小量でなければなりません。
 (1/m)にくらべれば、微分に使う微小量の方がきめが粗いのです。そのため、(1/m)における極限を求めるよりも先に微分の公式を使うのは、数学的におかしい計算です。

【式1の証明】
  (1/m)にくらべれば、微分に使う微小量Δxの方がきめが粗いということが分かったので、その、きめが粗い微小量Δxを使った微分の定義の式を使って、m乗の式を展開した以下の式を計算する。
この式は、mが十分大きいと以下の式に変形できる。
 このように、先にmの極限の計算をしてから、次にΔxの極限の計算をした。
すなわち、きめの細かい(1/m)の極限を先に計算して、次に、Δxの極限の計算をしたので、この計算ならば問題ない。
(証明おわり)

(補足1)
 上の計算のように、 きめの細かい(1/m)と、きめの粗いΔxを混在させた式を書くと、Δxの値が十分小さければ、それが(1/m)よりも大きくても、Δxの二乗以上の項を省略することができることが顕わにわかる。
 その計算は、結果的に、mの極限を計算する前に微分の公式を適用したのと同じになりますが、その計算をしても良いことを顕わにして計算するので、その順に計算しても正しく論理性が保たれた証明ができます。

(補足2)
 この様に、ネイピア数 e の指数関数が、m乗の式3で定義されているので、そのm乗の式をΔxのk乗(k=0〜m)の項の和から成る多項式に展開することができ、それにより、微分の値を計算することができた。
 ネイピア数 e 以外の数を底にした指数関数も、式3と同様のm乗の式であらわすことで、その指数関数の微分を計算することができる。
 全ての指数関数のうち、ネイピア数 e の指数関数が、最も単純な形の式3であらわすことができる。そのため、ネイピア数 e の指数関数が最も基本的な指数関数である。

(補足3)
 ネイピア数eは、以下の様にして指数関数を微分する公式を求めようと努力する中で、以下の様に定義することができる。
この式4の指数関数を微分しようとしても、直ぐには微分の計算方法がわからない。
であることを考慮して、
この式4を以下の多項式5に展開する。そうすると微分の計算ができるようになる。
先ず、以下の式6で定義する簡単な形の指数関数を考える。

この式6を、以下の様に展開する。
こうして、式5の形に展開した式8が得られた。
この式を各項毎に微分して式9を得る。
この式9により、式6で定義したネイピア数の指数関数は、微分しても同じ指数関数に戻ることがわかった。

(補足4)
 ネイピア数は、指数関数の微分よりも先に対数関数の微分を考えることで、以下のように無理無く導入できる。
こうして、対数関数の微分の公式が無理なく導き出せた。

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2017年06月01日(Thu)▲ページの先頭へ
マクローリン展開とオイラーの公式
以下でオイラーの公式を導きます。
先ず、ネイピア数eを底にした指数関数 e マクローリン展開します。

ここで、指数関数の虚数乗を以下の式2で定義します。
cos(x)をマクローリン展開します。
sin(x)をマクローリン展開します。
式3と式4を使って以下の式を作ります。
この式5は、オイラーの公式と呼ばれています。

(関連する話題)
 オイラーの公式によって、以下の問題が解決されました。
対数関数 log(x)を、xが負の場合にも対数関数を定義したい希望がありました。
log(−1)=a
とすると、
2a=2log(−1)=log((−1))= log(1)=0
∴ a=0 ?
という矛盾を生じました。
この矛盾は、以下のように解決できます。
log(−1)=(2n+1)πi
a=(2n+1)πi
であって、
2a=2(2n+1)πi=2mπi
なので、
2log(−1)=2(2n+1)πi
になったのです。
この
2(2n+1)πi 
は2分の1にしても、
(2n+1)πi 
になるだけで、0や2mπi にはならないです。
また、 log(1)についても、
log(1)=0+2mπi
となり、その答えは0だけでは無い、
ということがわかります。

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微分とマクローリン展開
以下の微分の式が成り立ちます。
(1次式)
(2次式)
(3次式)
(4次式)
(5次式)
そのため、以下の式1が成り立つ。
この式1をマクローリン展開と呼ぶ。

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2017年05月09日(Tue)▲ページの先頭へ
既約多項式が重根を持たない不思議
(2つの多項式の最大公約多項式を求める問題)

 次数の大きい方の多項式 f を、次数の小さい方の多項式 g で割り算して余りの多項式を求め、その余りの多項式で次数の小さい方の多項式 g を割り算する。
こうして、少しづつ式の次数を小さくしていき、最後に式が割り切れた場合に、その最小の次数の式が、最大公約多項式です。

 この手順で最大公約多項式を求める方法を、ユークリッドの互除法と呼びます。

【例題1】(微分の応用)
 有理数係数では因数分解できない(既約)多項式 f が式1であらわされている。この多項式は複素数係数の範囲では式2に因数分解でき、根α,β,γを持つ。
ここで、根α,β,γは必ず異なる、すなわち、既約多項式1は重根を持たないことを証明せよ。


【解答】
(仮定1)既約多項式 f が式3であらわされ、重根αを持つと仮定する。
この式を微分する。
 ここで、f’の式は、係数が有理数で、かつ、fの式1より次数が低い式5に計算される。

  この式5の(因数分解しない元の)f’の式は、以下の式6になる。

この様に、式5のf’の式は、式6の様に、有理数係数を持つ式1のxの累乗の項の係数に有理数を掛け算した有理数の係数を持つ式になる。
しかも、式5(又は式6)は、3次式である式1より次数が低い2次の式である。
また、式5は、式1と共通する根αを持つ。

 この有理数係数の2次のf’の式6と有理数係数の3次のfの式1にユークリッドの互除法を適用すると、f’の式6より1つ次数が低い1次の余りの式が計算される。
その1次の余りの式は有理数係数を持つ

 その有理数係数の1次の余りの式は、この有理数係数の2次のf’の式と有理数係数の3次のfの式1の共通因数の式(x−α)の有理数倍の式になる。
そのため、(x−α)は有理数係数の式になる。

(x−α)が有理数係数の式なので、(x−α)で有理数係数の3次のfの式1を因数分解できることになってしまい、多項式fが既約多項式であることと矛盾する。

 そのため、仮定1は成り立たない。
 よって、有理数係数の範囲で因数分解できない既約多項式 f は、複素数係数の範囲でも重根を持たない。

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