高校数学(微分・積分)

算数の問題と解答とを考えていきます。




2017年07月18日(Tue)▲ページの先頭へ
合成関数の微分の公式と微分の連鎖律
「微分・積分」の勉強

(5)微分の知識:
 以下の合成関数の微分の公式があります。
以下の様に微分の計算を楽にするときに使う公式です。
(この公式には一定の縛り(成立条件)があります。それは、「f(g)の微分が存在し、g(x)の微分が存在する必要がある」という前提条件です。)
関数の微分が存在しない典型的な例として、以下の図の関数はx=0で微分が存在しません。

実はこの合成関数の微分の公式は以下の一般的な公式の一部です。
この各公式には一定の縛り(成立条件)があります。
その縛りというのは、
「上の式の様に微小量の割り算であらわした式の、ΔhもΔgもΔxも、何れも微小量でなけばならない」
とういう条件です。
例えば、関数g(x)=(1/x)を使った場合、
Δg=Δ(1/x)が、

x→0で、微小量にならないから、
x→0の場合には、関数g(x)=(1/x)を使うことができません。

また、更にその上に、各関数の微分可能条件も(あたりまえの条件のように見えますが)あえて意識する必要があります。
その理由は、xの位置に応じて、Δgが正から0になって負に変わる場合も考えられるからです。

(Δgが微小量より更に小さい真正の0になる場合を考えずに合成関数の微分の公式を証明したつもりの偽証明が流通しているので、自分の「分からないものは分からない」センスを大切にして、偽物に騙され無いように、注意しましょう。) 

 Δgが微小量より更に小さい真正の0になる場合は、以下で詳しく調べます。それ以外の場合は微小量の割り算で公式が説明できるので、高校2年生でも、以下の説明を読んで、その後は公式を覚えてしまいましょう。

Δgが微小量より更に小さい真正の0になる場合を、以下の合成関数の例で考えます。
【事例1】
 次に、以下の微分を考えます。
この式5を見ると、
x→0
の場合に、関数gの微分が0になることがわかります。
すなわち、
Δg=0
(微小量より更に小さい真正の0)です。
(dh/dg)が微分可能(値が確定した有限値になる)なら、
Δxに対してΔgが真正の0になるのと同時にΔhも真正の0になります。
(そうでなければ、(dh/dg)が微分可能で無くなるからです)
そのため、
x→0の場合に、
になります。実際に式3をxで微分すれば、その通りになっていることがわかります。
そして、Δxに対してΔgが真正の0なので、
であり、有限値(dh/dg)×(値が0の(dg/dx))=0
になります。
それは、結局、Δg=真正の0の場合にも、
Δgが真正の0で無いただの微小量の場合と同じ形の公式:
(dh/dx)=(dh/dg)×(dg/dx)
が成り立っていることを意味します。
(各関数が微分可能という条件が、この、都合の良い結果を導き出してくれます) 

【合成関数の微分の公式の別の証明】
 上の事例でΔgが真正の0になる場合を考えましたが、Δgが真正の0になるという発想は、Δxが0で無い場合にΔgが真正の0になる場合があるという、g(x)の関数の性質に由来する問題です。
 以下では、hをgの関数と考え、gをxの関数と考え、g(x)の関数の性質に左右されない証明をします

(証明開始)
(1)先ず、hをgの関数と考え、hはgが変化したときにどのくらい変化するか調べるため、hをgで微分する。
hがgで微分可能((Δh/Δg)の極限が有限の値になる)なら、
Δhが以下の式であらわされる。
(2)その場合に、以下の式が成り立つ。
(証明おわり)
 こう考えれば合成関数の微分の公式が自然に証明できます。
この証明の中には、Δx≠0のときにΔgが0(真正の0)になる場合も含まれています。
(1)で考えた(Δh/Δg)は、gが変化する場合のhの変化の割合を調べたものであり、gが変化しないならhも変化しないと考えています。
そして、(2)では、Δgが0になる場合も考慮されています。
すなわち、
(2)では、
Δg=0なら、
Δh=0になり、
(Δh/Δx)=0
になります。

 また、変数xのある値で、(Δh/Δx)≠0となる場合に(Δg/Δx)=0となる不適切な関数g(x)を選んだ場合は、
変数xのその値でΔgが真正の0になる場合に、(Δh/Δg)が無限大になろうとするので、hがgで微分可能では無くなります。
そのため、その変数xの値では公式が適用できなくなります。
 「関数が微分可能」という条件は、このように、不適切な関数g(x)が使われる場合でも、公式が適用できる変数xの範囲を制限することで公式を守っています。

なお、以上の証明の基礎となった以下の置き換えの公式(微分された関数が微分可能であることを前提にする)があります。これは、その他の全ての公式の証明に使えます。

【事例2】
 次に、各関数が微分可能では無い場合にどうなるかを事例2で調べます。 
以下の合成関数を考えます。
ここで、式2から、
x→0
の場合に、 
→0となります。次に、以下の微分を考えます。
この式5を見ると、
x→0
の場合に、関数gの微分が0になることがわかります。
すなわち、
Δg=0
(微小量より更に小さい真正の0)です。
一方、式4を見ると、
g→0 (x→0)
の場合に、
(dh/dg)=±∞ になり、hがgで微分可能(確定した有限値の微分係数を持つ)では無い
ことがわかります。
そのため、
g→0 (x→0)
の場合に、
合成関数の微分の公式が成り立ちません。
公式が適用できないことは以下のように確かめられます。
式3を直接にxで微分すれば、
になります。その結果と、
x→0 の場合に、式5から得た
とを合わせた公式の式:
は計算できません。 
(この事例からも、各関数の微分可能性が、合成関数の微分の公式に必須な条件だと分かります) 

この公式は微分の連鎖律と呼ばれています。

「f(g)の微分が存在し、g(x)の微分が存在する必要がある」という前提条件の意味を更に以下の事例3でも考えます。

【事例3】
 以下の合成関数を考えます。
次に、以下の微分を考えます。
この式5を見ると、
x→0
の場合に、関数gの微分(確定した有限値の微分係数)が存在しないことがわかります。
そもそも、微分をする以前に、
x→0
の場合に、関数gはプラスマイナス無限大になるので、x=0は関数gの定義域から外れます。そのためx=0では(定義域の外ですので)関数gは使えません。

また、式4を見ると、
g→0
の場合に、関数 f の微分が存在しないことがわかります。

そのため、以下の計算は、
x≠0
の場合にのみ適用できます。
x=0
の場合の関数 f の微分については、式3を直接xで微分して確かめる必要があります。

以上の調査の結果を見ると、
合成関数の微分の公式の縛り(成立条件)である
「f(g)の微分が存在し(確定した有限値になる)、g(x)の微分が存在する(確定した有限値になる)」
という前提条件は、
「式を0で割り算する計算をしてはいけない」
という計算の縛りと同じ様な意味を持っていることがわかります。 
  
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2017年07月17日(Mon)▲ページの先頭へ
微分するための極限の極意
「微分・積分」の勉強

(3)微分から極限に:
 以下の微分の問題を考えると大きな壁に直面します。
 この問題で微分を求めようと計算を進めてみます。
この式2まで計算できますが、その先には進めなくなりました。
以下の式を求める方法が無ければ、先に進めません。
この式の計算をできる方法を知ることが「極限」を学ぶということです。

(極限を学ぶ)
以下の単位円の角度を考えます。
この図の三角形OAHの面積と扇形OBAの面積の大小関係からsinθとθの大小関係を考えます。
先ず、この式3の大小関係が分かります。
次に、扇形OBAの面積と三角形OBTの面積の大小関係から以下の大小関係も考えます。
この式4の大小関係と式3の大小関係を合わせて、sinθより小さいものと大きいものが考えられました。
それを整理すると以下の式5になります。

この大小関係の式5をθで割り算した式の極限を求めます。
その計算の際に、極限では、
f<g<h
が、
f≦g≦h
となり得るので、
式5の不等号には等号も加えて以下の計算をします。
この様に、sinθの式を間に挟み込む2つの式の極限を計算することで、
式6の様に挟みこまれたsinθの式の極限が計算できました。
これが「極限」の極意(奥義)です。

(注意)この計算は、厳密には、θ<0の場合も確認する必要があります。

 この式6を使うと、先に途中まで考えた微分の計算を進めることができ、以下の式7まで微分を計算することができました。

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2017年07月16日(Sun)▲ページの先頭へ
極限:ロピタルの定理
「微分・積分」の勉強

(3)極限:
 以下の極限の問題があるとき、対応に困ります。
 この問題では、極限の計算をしようとすると、0を0で割らなければならないので困ります。
この問題を解くには、以下の様に考えると問題がやさしくなります。
この様に、微分を利用すると、極限の計算が楽になります。
これはロピタルの定理と呼ばれています。


この問題の式は、0に近い関数f(x)を0に近いxで割ることで微分係数を求める式に以下の点で似ています。

すなわち、問題の式は、0に近い関数f(x)を、 xを媒介変数にした0に近い分母の関数g(x)で割ることで、関数f(x)を関数g(x)で微分する式であると解釈できます。
そういう微分は、以下の様に変換できます。
ロピタルの定理は、この重要な数学的意味を伝えるという、微分を理解する重要なかなめ石としての役割を持っています。

この概念を教えないならば、それは、微分の概念を本気で教えるつもりが無いということだと思います。

(注意)

 ロピタルの定理は高校では教えないことに決まっています。
そのため、高校の数学の試験問題では、ロピタルの定理を使って問題を解答してはいけません。


ただし、「ロピタルの定理」という言葉を使うのでは無く、上の式のように、ロピタルの定理をその場で導き出して使うならば、使っても大丈夫と考えます。

 大学入学試験では、ロピタルの定理を使って解答して良いです(但し間違って適用する誤答をしないこと)。大学入学試験では、進んだ知識を持っていることは入学を拒否する理由にはならないからです。


 「ちょっと便利な方法だけを、深い理解無しで教えるのは良くないから」というのがロピタルの定理を無視する教育方針の正当そうに見える理由付けだろうと考えます。
 しかし、一見正当に見えるその理由も、
「学生の深い理解に至るまでとことん教えるのは面倒だから、それはやらない。」
という理由の言い換えにすぎず、間違っていると考えます。
学生が必要に応じその場でロピタルの定理を導き出して使うように教えるのが正しい教育と考えます。 

 先生が高校生に本当に数学を教えることができるように先生の立場を守ることができない日本の教育体制の問題がここにあらわれているのだろうと考えます。

 このような矛盾をかかえた教育では、「数学の試験」は、生徒の実力を正しく測る絶対的な方法ではなく、便宜的なものにすぎないと考えます。
 そのため、数学を学ぶ者は、試験の結果をあまり気にせず、自分の「わかった」という心に従って数学を学ぶのが良いと考えます。

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2017年07月15日(Sat)▲ページの先頭へ
微分:等加速度運動の発見
「微分・積分」の勉強

(2)微分:
 以下の現象があります。

 水平方向に打ち出された玉が時間とともに放物線を描いて落下していく(高さhが下がっていく)という現象があります。
 この問題は、以下の様に解釈できます。

玉の高さhの時間変化は、玉の落下速度vをあらわします。
 
そして、玉の落下速度の時間変化は、加速度をあらわします。
放物線運動を微分していくと、その運動の原因が等加速度運動にあることがわかります。

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2017年07月13日(Thu)▲ページの先頭へ
円と放物線が接する条件(2)
(2つのグラフが接する条件を求める問題)

【問】
 以下の2つの式であらわされる円のグラフと放物線のグラフが接するkの条件を求めよ。

【解答】
 先ずは、下図のようなグラフを描いて、問題の見通しを良くしてから問題を解きます。
図から、接点は、y=−1の点とy=1の点と、それ以外にy座標が−1/2程度の2つの点との合計4点あると、見通しを立てます。
(それをそのまま解答にしても良い)

接点を求める問題は、微分で接点の条件を与える方程式を作ることが計算を少なくできるコツです。

そのため、以下で、微分を利用して接点の条件を与える方程式を作ります。

これにより:
この式5bと先の2つのグラフの式2つとの、2変数の3つの式を連立させて、kを求める問題に変換できました。
式5bから、以下の式6が得られます。
以下で、この式の2つの場合に分けて、解を求めます。
 これにより、以下の第1の解の群が得られた。
次に、式6のもう1つの場合の解を求めます。
これにより、以下の第2の解の群が得られた。
よって、式1のグラフと式2のグラフが接するようにするkの値は、
k=±1, −5/4
の3つです。
(解答おわり)

(補足)
 式6bの場合の第2の解の群は、微分を用いないでも、以下の様にして接点が2重解を持つ条件から導くことができます。
(1)+(2):
この2次方程式は、
k=−5/4
の場合に2重解を持ちます。
 しかし、その2重解が接点をあらわすことはあまり明確ではありません。
また、この2次方程式にこだわると、
式6aの場合の接点の第1の解の群を見落とす恐れがあります。
 そのため、接点を求める計算では、
微分を利用した接点の条件の式5bを使って、式6aと式6bを導き出す明確な計算によって接点を計算する方が望ましいです。 

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2017年07月12日(Wed)▲ページの先頭へ
円と放物線が接する条件
(2つのグラフが接する条件を求める問題)

【問】
 以下の2つの式であらわされる円のグラフと放物線のグラフが接するkの条件を求めよ。

【解答】
 先ずは、下図のようなグラフを描いて、問題の見通しを良くしてから問題を解きます。
次に、方程式1のあらわすグラフと方程式2のあらわすグラフの交点を計算します。
その解の交点が2重点になれば、それが、グラフが接する条件です。

 2つの方程式のグラフの交点を求めるために、
先ず、方程式同士を引き算して以下の式3を作ります。

 この式3は、式1と式2から作りましたが、
式2から得たxの式を式1のxに代入したのでは無く、
xの二乗を代入することでxを消去したので、式の代入方法に無理があります。

このような場合に、
確実に計算をするためには:
この式3を得た時点で、
式1と式2との連立方程式が、
式3ともう1つの式(式1を使うことにする)との連立方程式に変換されただけであるとみなします。
式3は2つの直線を合わせた式なので、式3のあらわす2つの直線の1つづつと式1のグラフが交わる点を計算し、その解が、式1と式3の解です。

(注意)
「式3が重根y=−2を持つのがグラフが接する条件だ」
と考えることは、
条件が合えば、そう考えても良いが、
この問題の場合は、
式1 によって、
−1≦y≦1
なので、y=−2となり得ない。
そのため、この問題では、y=−2となる重解は存在しない。

式1と式3のグラフの交わる点の解が2重点を持つ(グラフが接する)場合が、以下のようにして求められます。 

(y座標の解は1つで、x座標の解は2つの解が重なった重解)
よって、グラフが接するkの条件は、
k=±1
です。
(解答おわり)

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2017年07月09日(Sun)▲ページの先頭へ
放物面鏡での光の反射
「微分・積分」の勉強

(2)微分:
 以下の問題を考えます。
【問題】 
 放物線鏡の中心面に垂直に入れた光(放物線の軸に平行な光)は反射してどこに行くか。
 この問題は、以下の様に解くことができます。

【解答】
先ず、放物線の軸に平行な光を点A(X,Y)に当てます(図ではX座標が1の場合を示す)。
光の反射方向を知るためにA点での鏡の傾きを近似的に計算します。
A点で反射した光は反射してY軸上のF点に達すると考えます。
A点近くの光と鏡面の関係を詳しくしらべます。
X座標の値がXである点Aでの放物線への接線がX軸と交わる点をCとします。またA点からX軸に垂直に下ろした点をBとします。
ここで、
なので、
三角形ACDの底辺CDの長さは近似的に、
と計算できます。 

線分ACに垂直な直線CBを考え、その直線を延長してY軸と交わる点をFとします。
∠ACB=∠R
です。
OC=X−CD=X/2
ですので、
OC=CD=X/2
です。
そのため
FC=BC
です。
二辺狭角が等しいので、
△AFC≡△ABC
です。
そのため
∠FAC=∠BAC
です。
よって、
直線FAは、
A点で反射した光線の通る道です。
FC=FB/2
です。
そのため、
OF=EF/2
です。
そして:
が得られます。
結局、光線は、どのX座標から入っても、
すべての光が点(0,1/4)に集光することがわかりました。
(解答おわり)

 この問題を解く過程で用いた、近似的な傾きを、「微分」という究極の傾きの式で表すことができます。

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2017年06月16日(Fri)▲ページの先頭へ
球の表面積を積分で求める
「微分・積分」の勉強

(1)積分:
 以下の問題を考えます。
【問題】 
 なぜ、半径 r の球の表面積Sは、
表面積S=4π r
なのか。

 この問題は、以下の様に解くことができます。

先ず、問題をやさしくするために、半径 r が1の場合を考えます。

 次に、以下の図のように、球の表面を輪切りにして多数のリングに分割し、
その1つのリングの面積を計算します。 
リングの幅をΔwとします。
球を輪切りにする間隔のΔxあたりのリングの面積が求められました。
このリングの面積の総和が球の表面積です。
球の表面積が4πになりました。
これから、半径 r の球の表面積Sは、
表面積S=4π r
になることがわかりました。 

 この様に、要素に分割して総和を計算することが「積分」をするということです。

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2017年06月14日(Wed)▲ページの先頭へ
「微分・積分」はどうすれば勉強できるか
「微分・積分」の勉強

 高校の数Uで、微分・積分を学ぶようになり、その勉強がつまらなくなり数学を学ぶのをあきらめて文系に進むことにする学生が多いらしい。そうなる以前に早めに数学がつまらなくなることを見切って早々と文系に進むことに決める学生も多いらしい。

 そのため、このページでは、「微分・積分」をどうすればおもしろく勉強できるかというコツを考えます。

先ず、勉強の順番が、
(1)極限
(2)微分
(3)積分
になっている事が、
「微分・積分」の勉強をつまらなくしていると考えます。

 数学が好きでいつも数学を勉強している学生は、「微分・積分」の授業の順番には「微分・積分」を学んでいないと考えます。

 数学の問題を多く解いていて、数学の問題を解く技術を磨いてきた学生は、「微分・積分」の基礎的な概念は既に考えたことがあり、その概念も利用して問題を解いている。
 そして、「微分・積分」の授業に出会ったら、既に知っている自分の知識を整理するために役立てようとして授業を聞くから、「微分・積分」の勉強ができるのだと考えます。

 その、既に知っている「微分・積分」の知識とは、どのようなものかを以下で考えます。

 数学が好きでいつも数学を勉強している学生は、好奇心を満足させる面白いテーマの順に数学を学んで行くと思います。
 面白い数学の課題を見つける都度、その課題を自分で研究するという道草を食います。その道草の1つに、基礎的な「微分・積分」の概念の修得があると思います。

 そのため、以下では、その、面白い順に、「微分・積分」を学んでいこうと思います。

(1)積分
(2)微分
(3)極限
の概念の順に学ぶのが面白く、
それを学んだら、
(4)極限の概念の精密化
(5)微分の知識の整理
(6)積分の知識の整理
を勉強するのが、勉強の順番として適切だと考えます。

(1)積分:
 以下の問題を考えます。
【問題1】 
 なぜ、三角錐の体積Vは、
体積V=底面積S×高さh×(1/3)
なのか。
 この公式は、何とか覚えられたと思いますが、
もっと、すっきり覚える方法が無いか?
と考えたことがあると思います。
 この問題は、以下の様に分析することができます。
この解に法則性があるように思われますが、
この問題は難しいので、これを解くための準備として、
この問題をもっとやさしくした以下の問題を先に解くことにします。

 【問題2】
 なぜ、三角形の面積Sは、S=底辺L×高さh×(1/2)
なのか。
この問題ならば、上のような場合を考えて、解くためのヒントを見つけることができます。

この問題2で得られたヒントを拡張して、 
以下の様に問題1を解析します。

 【問題1】
これは、以下のグラフの面積を分割して計算することに対応すると考えることができます。
このように問題を解析することで、後は、この2次関数のグラフの面積を与える法則性を把握すれば、この種の問題が自由に解けるようになることが理解できます。

 この様に、分割した要素の総計を求めてグラフの面積を計算する手法が「積分」です。
 また、その計算のための法則性を整理して覚えることが「積分」を勉強するということです。

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曲線同士が接する条件は点の座標の解の重なり
「微分・積分」の勉強

(1)なめらかな曲線の接線は、微分を使って見通し良く正しく定義できる。
(2)接点の座標の計算だけで2曲線の接触を判定する場合は、接点(x,y)が重解を持つか否かで判定する。接点(x,y)のx座標かy座標の一方の座標だけでの重解の有無で判定してはいけない。

【問1】放物線y=x/4と円x+(y−1)=1は接するか?

(方程式が重根を持つかで解析する方法) 
放物線 y=x/4  (式1)
円 x+(y−1)=1 (式2)
この2つの図形は、(0,0)で接することが図から明らかである。
そして、接線は、
接線 y=0 (式3)
であることが明らかである。
 

実際に、式1の放物線と式3の直線を連立させて、方程式からyを消去すると、
0=x/4
xは0となる重根を持ち、式1の放物線は式3の接線と(0,0)で接する。
 

次に、式2の円と式3の直線を連立させて、方程式からyを消去すると、
+(0−1)=1
=0
xは0となる重根を持ち、式2の円は式3の接線と(0,0)で接する。
 

【この問題で注意する点】
 曲線同士が接する条件は、
接点(x,y)が重解を持つか否かで判定するべきであり、接点(x,y)のx座標かy座標の一方の座標だけで重解の有無を判定してはいけない。
 

【解答】
式1の放物線と式2の円の方程式を連立させる。
放物線 y=x/4  (式1)
円 x+(y−1)=1 (式2)
式1から、
=4y (式4)
式4を式2に代入してxを消去する。
4y+(y−1)=1
+2y=0
y(y+2)=0 (式5)


 接点(x,y)が多重の解を持つかどうかはx座標も確認しないといけない。
 上の計算で得た式5に式4を代入して、x座標であらわした以下の式6に書き直す。
(x/4)/4+2)=0 (式6)
(x)(x+8)=0 (式7)
(x+8)≠0 なので、
=0 (式8)
が得られる。
式8から、xの値が重根の値0を持つことがわかり、
「多重根ができるから接する」。
(解答おわり)

(補足)
 この例題のように、曲線の接触の確認には、接点(0,0) の x 座標が重根になるのであって、重解の2点のy座標は同じになるため、 x 座標が重根になる事を確認しなければならない。

(注意)
 ここで、この問題のグラフの x 座標を、
t ≡ x
で定義されるt座標を使い、 t,y 座標系での曲線の接点を求める問題と考えたらどうなるか。
t ≧ 0,
(式1)→ y=t/4  (式1b)
(式2)→ t+(y−1)=1 (式2b)
 この場合は、式2bに式1bを代入すると、
t+((t/4)−1)=1,
16t+((t−4)=16,
+8=0,
t(t+8)=0,
t=0
このように、t座標の解も重根を持たない。
 それでは、2つのグラフが接しないという解になってしまう。
 一方、与えられた2つのグラフの t,y 座標系に写像した2つのグラフは、下図のようになり、この2つのグラフは接しない。
よって、 t,y 座標系では、この2つの曲線は接しないという結論は正しい。

 2つのグラフが接するという事は、 x,y 座標系でのみ成り立つ現象である。変数変換をしたら、グラフが接するかどうかは不明になる。

(結論)
 曲線の式と曲線の式を連立させて方程式を解く場合には、
曲線が接する判定条件は、(x,y)の座標点が重解になるかどうかで判定するべきである。


(補足)
 以上の計算における曲線の接触の判定の計算は、「この式8が得られることで正しく重解の存在を判定できるのか?」 という疑問が湧くという、接点の判定条件が怪しげで不明瞭であるという問題がある。
 この不明瞭さを解消するには、式の微分を用いることで明瞭な判定ができる。その判定方法は、後のページの例題で例示する。

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2017年06月10日(Sat)▲ページの先頭へ
対数関数の微分
 高校2年の微分の授業で、対数関数の微分を教えていない。
 対数関数の微分は、高校3年の理系学生に、数Vの「微分法」でようやく教えているようです。
 しかし、ある関数の微分を教えない微分の授業というのは、微分の本質を教えていない。数学教育の崩壊に近いのではないかと考えます。

【対数関数の微分の公式】
 以下で、対数関数の微分の公式を証明します。
ここで e はネイピア数と呼ばれる重要な数です。

【証明開始】
 以下で、対数関数の微分を計算する。
(証明おわり)
 こうして、対数関数の微分の公式が導き出せ、
また、ネイピア数 e が無理無く導入できた。

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2017年06月05日(Mon)▲ページの先頭へ
指数関数の微分
 高校2年の微分の授業で、指数関数の微分を教えていない。
 指数関数の微分は、高校3年の理系学生に、数Vの「微分法」でようやく教えているようです。
 しかし、ある関数の微分を教えない微分の授業というのは、微分の本質を教えていない。数学教育の崩壊に近いのではないかと考えます。

 以下で、指数関数の微分を簡単に説明します。
指数関数のうち一番重要なネイピア数 e の指数関数の微分の式1を説明します。

【式1の証明の試み1】
ネイピア数 e は以下の式2で定義されます。
この式2を使って、ネイピア数 e の指数関数が以下の式3で定義できます。
この式3を微分して以下の式が得られます。
(証明おわり?)

【上の証明の数学的批判】
 上の証明では、ネイピア数 e のx乗を、大きな数mを使った極限であらわした式に対して微分の公式を適用して答えを計算しています。
 しかし、そもそも「微分」とは、無限に小さい微小量に関して、関数の変化率を求める計算のことです。無限に小さい微小量を使う以前にネイピア数 e の値が確定している必要があります。そのため、微分で使う無限に小さい微小量よりも、ネイピア数 e の値を定義する微小量=(1/m)の方がもっと小さい微小量でなければなりません。
 (1/m)にくらべれば、微分に使う微小量の方がきめが粗いのです。そのため、(1/m)における極限を求めるよりも先に微分の公式を使うのは、数学的におかしい計算です。

【式1の証明】
  (1/m)にくらべれば、微分に使う微小量Δxの方がきめが粗いということが分かったので、その、きめが粗い微小量Δxを使った微分の定義の式を使って、m乗の式を展開した以下の式を計算する。
この式は、mが十分大きいと以下の式に変形できる。
 このように、先にmの極限の計算をしてから、次にΔxの極限の計算をした。
すなわち、きめの細かい(1/m)の極限を先に計算して、次に、Δxの極限の計算をしたので、この計算ならば問題ない。
(証明おわり)

(補足1)
 上の計算のように、 きめの細かい(1/m)と、きめの粗いΔxを混在させた式を書くと、Δxの値が十分小さければ、それが(1/m)よりも大きくても、Δxの二乗以上の項を省略することができることが顕わにわかる。
 その計算は、結果的に、mの極限を計算する前に微分の公式を適用したのと同じになりますが、その計算をしても良いことを顕わにして計算するので、その順に計算しても正しく論理性が保たれた証明ができます。

(補足2)
 この様に、ネイピア数 e の指数関数が、m乗の式3で定義されているので、そのm乗の式をΔxのk乗(k=0〜m)の項の和から成る多項式に展開することができ、それにより、微分の値を計算することができた。
 ネイピア数 e 以外の数を底にした指数関数も、式3と同様のm乗の式であらわすことで、その指数関数の微分を計算することができる。
 全ての指数関数のうち、ネイピア数 e の指数関数が、最も単純な形の式3であらわすことができる。そのため、ネイピア数 e の指数関数が最も基本的な指数関数である。

(補足3)
 ネイピア数eは、以下の様にして指数関数を微分する公式を求めようと努力する中で、以下の様に定義することができる。
この式4の指数関数を微分しようとしても、直ぐには微分の計算方法がわからない。
であることを考慮して、
この式4を以下の多項式5に展開する。そうすると微分の計算ができるようになる。
先ず、以下の式6で定義する簡単な形の指数関数を考える。

この式6を、以下の様に展開する。
こうして、式5の形に展開した式8が得られた。
この式を各項毎に微分して式9を得る。
この式9により、式6で定義したネイピア数の指数関数は、微分しても同じ指数関数に戻ることがわかった。

(補足4)
 ネイピア数は、指数関数の微分よりも先に対数関数の微分を考えることで、以下のように無理無く導入できる。
こうして、対数関数の微分の公式が無理なく導き出せた。

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2017年06月01日(Thu)▲ページの先頭へ
マクローリン展開とオイラーの公式
以下でオイラーの公式を導きます。
先ず、ネイピア数eを底にした指数関数 e マクローリン展開します。

ここで、指数関数の虚数乗を以下の式2で定義します。
cos(x)をマクローリン展開します。
sin(x)をマクローリン展開します。
式3と式4を使って以下の式を作ります。
この式5は、オイラーの公式と呼ばれています。

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微分とマクローリン展開
以下の微分の式が成り立ちます。
(1次式)
(2次式)
(3次式)
(4次式)
(5次式)
そのため、以下の式1が成り立つ。
この式1をマクローリン展開と呼ぶ。

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2017年05月09日(Tue)▲ページの先頭へ
既約多項式が重根を持たない不思議
(2つの多項式の最大公約多項式を求める問題)

 次数の大きい方の多項式 f を、次数の小さい方の多項式 g で割り算して余りの多項式を求め、その余りの多項式で次数の小さい方の多項式 g を割り算する。
こうして、少しづつ式の次数を小さくしていき、最後に式が割り切れた場合に、その最小の次数の式が、最大公約多項式です。

 この手順で最大公約多項式を求める方法を、ユークリッドの互除法と呼びます。

【例題1】(微分の応用)
 有理数係数では因数分解できない(既約)多項式 f が式1であらわされている。この多項式は複素数係数の範囲では式2に因数分解でき、根α,β,γを持つ。
ここで、根α,β,γは必ず異なる、すなわち、既約多項式1は重根を持たないことを証明せよ。


【解答】
(仮定1)既約多項式 f が式3であらわされ、重根αを持つと仮定する。
この式を微分する。
 ここで、f’の式は、係数が有理数で、かつ、fの式1より次数が低い式5に計算される。

  この式5の(因数分解しない元の)f’の式は、以下の式6になる。

この様に、式5のf’の式は、式6の様に、有理数係数を持つ式1のxの累乗の項の係数に有理数を掛け算した有理数の係数を持つ式になる。
しかも、式5(又は式6)は、3次式である式1より次数が低い2次の式である。
また、式5は、式1と共通する根αを持つ。

 この有理数係数の2次のf’の式6と有理数係数の3次のfの式1にユークリッドの互除法を適用すると、f’の式6より1つ次数が低い1次の余りの式が計算される。
その1次の余りの式は有理数係数を持つ

 その有理数係数の1次の余りの式は、この有理数係数の2次のf’の式と有理数係数の3次のfの式1の共通因数の式(x−α)の有理数倍の式になる。
そのため、(x−α)は有理数係数の式になる。

(x−α)が有理数係数の式なので、(x−α)で有理数係数の3次のfの式1を因数分解できることになってしまい、多項式fが既約多項式であることと矛盾する。

 そのため、仮定1は成り立たない。
 よって、有理数係数の範囲で因数分解できない既約多項式 f は、複素数係数の範囲でも重根を持たない。

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2017年04月20日(Thu)▲ページの先頭へ
楕円と双曲線と放物線の接線の公式を覚える
「微分・積分」の勉強
【研究】
 高校3年で学ぶ楕円の接線の式を含めた、
楕円と双曲線と放物線の接線の式は、
以下の(大学で学ぶ)微分の計算によって導くことができる。

【楕円の接線】
楕円 x/a+y/b=1 (式1)です。

 楕円の接線の公式は、大学の数学科の射影空間の授業で、以下の微分の計算で導くことを教わると思います。
この式3が射影空間の座標系であらわした接線の式です。
具体的にあらわすと、以下の式になります。
z=1の場合が、通常のxy座標系での接線の式です。
 この式6が楕円の接線の式です。

【双曲線の接線】
 双曲線の接線の公式は、大学の数学科の射影空間の授業で、以下の微分の計算で導くことを教わると思います。
この式3が射影空間の座標系であらわした接線の式です。
具体的にあらわすと、以下の式になります。
 z=1の場合が、通常のxy座標系での接線の式です。
 この式5が双曲線の接線の式です。

【放物線の接線】
 放物線の接線の公式は、大学の数学科の射影空間の授業で、以下の微分の計算で導くことを教わると思います。
この式3が射影空間の座標系であらわした接線の式です。
具体的にあらわすと、以下の式になります。
 z=1の場合が、通常のxy座標系での接線の式です。
 この式6が放物線の接線の式です。

 このようにして接線の式を導き出すことを覚えたら、このやりかたで直ぐ接線の公式を導き出すことができるようになるので、各図形の接線の公式を覚えないでも良くなり便利です。

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2011年09月20日(Tue)▲ページの先頭へ
3次方程式が重根を持つ条件
「微分・積分」の勉強

以下の問題は、微分の基礎知識を勉強した後で解いてください。

【難問】三次の方程式
+ax+b=0 (式1)
の根が重根を持つ場合に、パラメータaとbの間に成り立つ関係を求めよ。
(注意:どの3次方程式も変数を変換することでこの形の式に帰着できる)


(解答の方針)
この問題は、
方程式
f(x)=0 (式2)
が重根を持つ場合に以下の関係が成り立つという知識が無いと解くのがとても難しい問題ではないかと思います。

方程式2の重根の解x=αにおいて、
f’(α)=0 (式3)
が成り立つ。
すなわち、方程式2を微分した方程式の解も、その重根の解x=αと同じ解を持つ。
これは、以下のようにして証明できます。
(証明開始)
f(x)=(x−α)g(x)
という式であるとすると、この式を微分すると以下の式が得られる。
f’(x)=2(x−α)g(x)+(x−α)g’(x)
=(x−α){2g(x)+(x−α)g’(x)}
よって、
f’(α)=0 (式3)
が成り立つ。
(証明終わり)

そのため、
f(x)=x+ax+b=0 (式1)
の根が重根を持つ場合に、
f’(x)=3x+a=0 (式4)
の根の1つが、式1の根と等しい。
そのため、
式1と式4を連立させて、両式がともに成り立つxの値が、式1の重根である。
この公式を知っていれば、この問題は解ける。

【解答1】
(1)
f(x)=x+ax+b=0 (式1)
の根が重根を持つ場合に、
f’(x)=3x+a=0 (式4)
の根の1つが、式1の根と等しい。
そのため、
式1と式4を連立させて、両式がともに成り立つxの値が、式1の重根である。
(2)
3(式1)−(式4)xを計算する。
3x+3ax+3b−(3x+ax)=0
3ax+3b−ax=0
2ax+3b=0 (式5)
(3)
a≠0の場合は、
x=−3b/(2a) (式6)
このxの値が重根である。
(4)
a=0の場合は、
式5より、
b=0
すなわち、a=b=0の場合に、式1も式4もx=0を解に持つ。
(5)
式6のxの値を式4に代入する。
3(−3b/(2a))+a=0
(27/4)(b/a)+a=0
27b+4a=0 (式7)
式7は、a=b=0の場合も含んでいる。
(6)
式6のxの値を式1に代入する。
(−3b/(2a))+a(−3b/(2a))+b=0
−(27/8)(b/a)−(3/2)b+b=0
−(27/8)(b/a)−(1/2)b=0 
−27(b/a)−4b=0
27(b/a)+4b=0
27b+4ba=0
b(27b+4a)=0
b=0
or
27b+4a=0 (式7)
再び式7を得た。
(7)
よって、パラメータaとbの間に成り立つ関係は、 
27b+4a=0 (式7)
である。おぼえ易い式に変形すると、
(b/2)+(a/3)=0 (式7’) 
これが、式1が重根(3重根も重根の一種として)を持つ条件である。
(解答おわり)

【解答2】 
 式1が重根を持つ場合は、式fと、それを微分した式f’≡gが共通因数を持つ。
 共通因数を持つ式fと式gをユークリッドの互除法で余りを計算すると、余りの式は割り切れる結果、余りの定数項が0になる。
そのため、以下のように、ユークリッドの互除法で余りの定数項を計算する。
(1)先ず、f’≡gを計算する。
このfをgで割り算した余りの式hを計算する。
 次にgをhで割り算した余りの定数項の式kを計算する。
(ただし、a≠0とする)

fとgが共通因数hを持つので、式gはhで割り切れ、余りの定数項kは0になる。
よって、以下の式が成り立つ。
解答1で求めた解の式7と同じ式a−5が得られた。
(a=0の場合)
 重根を持つ条件は、b=0である。
これは、式a−5に当てはまっている。
その場合にx=0で3重根を持つ。
(解答おわり)

(コメント)
ここで、3次方程式1の判別式Dは、
D≡−(b/2)−(a/3)
であり、
D=0の場合に式1は重根を持ち、
D>0の場合に式1は3つの実数根を持つ。

この判別式Dは、以下の様にすると思い出し易い。
式1をyとして、
yの微分に−1を掛けた式8を考える。
そして、その式8のxに、
式1が重根を持つ場合には重根の絶対値をあらわす
を代入して式9を計算する。
その式9:
yの微分に−1を掛けた式≧0
が、式1の根が全て実数になる条件式であると覚える
と、判別式Dを思い出し易い。

この式9を展開すると以下の式10になります。
この式10を以下の様に変形することで判別式Dが導き出せます。
 こうして、式11の判別式Dが導き出せた。
(参考)
「3次方程式で1つの根がわかっている場合の残りの根」

リンク:
三次方程式の判別式
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2011年09月18日(Sun)▲ページの先頭へ
円と放物線の接線(4)
「微分・積分」の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。

【問1】放物線
y=2−2x (式1)
とX軸で囲まれる範囲(x軸より上の範囲)にある円の半径の最大値を求めよ。

(解答の方針)
この問題で求める円は、式1の放物線とX軸とに接する円です。
その円は放物線と同じくY軸に関して対称(すなわち、Y軸上に中心がある)と考えられます。

その理由は、
もし、その円の中心がY軸上になければ、Y軸に関して全図形を左右に反転すれば、円の中心位置が左右に移動します。

放物線に接する円が左右に移動してしまったら、上図のように、円は放物線に接する位置から離れて、放物線に交わったり放物線から離れてしまったりします。

そのため、Yに関して全図形を左右に反転しても円が放物線に左右で接する形であるためには、円の中心はY軸上になければなりません。

求める円の中心がY軸上にあると考えると問題が大分簡単になります。

次に、考えることは、円と放物線が接する条件を求めることです。
なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できるので、微分により接線の式を計算して方程式を書きます。

(解答)
(1)
放物線の式は
y=2−2x (式1)
であり、
X軸の式は
y=0 (式2)
である。
(2)
式1の放物線とX軸で囲まれる範囲にある最大の半径の円は、式1の放物線と左右で接して、円の下がX軸に接する円と考えられる。

全図形をY軸に関して左右に反転しても、その円は放物線に左右で接する形であるが、
もし、左右に反転すると円の中心が左右に移動すると考えると円が放物線から離れたり放物線に交わったりして、放物線とX軸で囲まれる範囲にある最大の半径の円である条件から外れてしまい矛盾する。

よって、全図形を左右に反転しても円の中心は左右に移動しない。すなわち、円の中心はY軸上にある。
よって、x軸に接する半径rの円の式は以下の式であらわされる。
(y−r)+x=r (式3)
(注意)
半径のつもりで、rというパラメータを導入しましたが、rというパラメータは、x軸より上の円では正になり、x軸より下の円では負になる。x軸に接する円がx軸の上か下かどちら側にあるかをあらわすパラメータであるという意味を持っていることに注意すべき。


(3)
求める円は、式1の放物線と接する円と考えられるので、
先ずは、円と放物線が接し得る接点を全て求める。

(4)
放物線と円の接点をA(a,h)とする。
式1から、
放物線 h=2−2a  (式4)
式3から、
円 (h−r)+a=r (式5)

(5)
式1の放物線の接点(a,h)における接線の傾きは、式1の関数をxで微分して計算し、
−4a

式3の円の接点(a,h)における接線の傾きは、
円の法線の傾き(h−r)/aの逆数に(−1)を掛け算したものであって、
−a/(h−r) 

この2つの接線の傾きが等しいので、
−4a=−a/(h−r)
a{−4+(1/(h−r))}=0 (式6)
この式6(接点の座標の式)を解くと、
a=0 (式7)
or
h−r=1/4
h=r+1/4 (式8)

(6)
(式7(a=0)があらわす接点の座標を求める)
式7を放物線の式4に代入する。
h=2 (式9)
よって、1つの接点(a,h)=(0,2)が得られた。
この接点は式1があらわす放物線の頂点である。
この接点に接する円の半径r=1である。

(7)
(式8があらわす接点の座標を求める)
そのために、式8と式4と式5を連立して、接点の座標を導く。
(8) 

計算間違いを少なくするために、単純な式を早く作る。
そのために、先ず、式4と式5を整理して、aを消去して単純な式を得る。
式4から、
h−2+2a=0 (式4’)
式5から、
(h−r)+a−r=0 (式5’)
2×式5’−式4’を計算してaを消去する。
2(h−r)−2r−(h−2)=0
2h−4hr−h+2=0 (式9)
式9に代入すべき式8を変形する。
r=h−(1/4) (式8’)
式8’を式9に代入してrを消去する。
2h−4h(h−(1/4))−h+2=0
2h−4h+h−h+2=0
−2h+2=0
−1=0
(h−1)(h+1)=0
h=1
or
h=−1
h=−1は、x軸よりも下のy座標であるので、接点の座標として不適。
よって、
h=1 (式10) 

のみが有効。
式10を式8’に代入する。
r=1−(1/4)=3/4
また、式10を式4’に代入する。
1−2+2a=0
2a=1
=1/2
a=±(√2)/2 (式11)
よって、半径r=3/4の円について、
2つの接点(a,h)=A(√2/2,1)とB(−√2/2,1)が得られた。


(9)
以上で得た、円が放物線と接し得る点を全て列挙すると:
(9−1);
放物線の頂点(0,2)が接点になるとき、円の半径r=1
である。
(9−2);
A(√2/2,1)とB(−√2/2,1)が接点になるとき、
円の半径r=3/4
である。
(10)
しかし、半径r=3/4の円において既に放物線に接しているので、
(9−1)の場合の、円の半径が1になって放物線の頂点に円が接する場合には、円は、その他の点で放物線と交差していて、放物線の下には収まりきれていない。

 よって、(9−2)の場合のみが有効な解であり、放物線の下に収まりきれる最大の円の半径は、
r=3/4
である。
(解答おわり)

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2011年09月04日(Sun)▲ページの先頭へ
接線と放物線の交点
佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【問1】放物線
y= x+1 (式1)
上の任意の点Pにおける接線が、放物線
y=x (式2)
と交わる点をQ,Rとするとき、次のことが成り立つことを示せ。
Pは線分QRの中点である。


(解答の方針)
式1の放物線上の点P(p,p+1)での接線の式をあらわし、
その接線点の式と式2とを連立させて、交点Q,Rの座標を計算する式を求めれば良い。
ただし、問題の解き方も工夫する。

(解答)
式1を微分して式1のグラフの傾きを求める。
y’= 2x
P(p,p+1)での傾きy’は、
y’= 2p (式3)
式1の放物線上の点P(p,p+1)での接線の式は以下の式になる。
y−(p+1)=y’(x−p)
y=y’(x−p)+(p+1)
この式に式3を代入して、y’を式3の右辺で置き換える。
y=2p(x−p)+(p+1) (式4)
式4と式2を連立して、接線と式2の放物線の交点Q,Rの座標を求める式を計算する。
=2p(x−p)+(p+1)
−2px+p−1=0 (式5)
ここで問題の解き方を工夫する。
根と係数の関係により、交点Q,Rのx座標をqとrとすると、式5のxの係数との間に以下の関係が成り立つ。
2p=q+r
p=(q+r)/2
これは、接線上の点Pのx座標が、点QとRの中点のx座標であることを意味する。
∴ Pは線分QRの中点である。
(解答おわり)

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2011年08月25日(Thu)▲ページの先頭へ
2つの放物線の共通接線
佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【問1】2つの放物線
y= x (式1)
y=−(x−2) (式2)
の共通接線の方程式を求めよ。


(解答の方針)
式1の接点A(a,b)での接線の式をあらわし、
式2の接点C(c,d)での接線の式をあらわし、
それらの接線の式が等しいとする方程式を書いて、
その方程式を解けば良い。

ただし、その方程式を解く過程で計算間違いをすると正しい答えが出ない。
そのため、計算間違いを少なくする問題の解き方を工夫する。

(解答)
y= x (式1)
y=−(x−2) (式2)
(1)
式1を微分して式1のグラフの傾きを求める。
y’=2x (式3)
接点A(a,a)での式1の接線の式は
傾きy’=2a
だから、以下の式になる。
y−a=y’(x−a)
y−a=2a(x−a) (式4)

(2)
式2を微分して式2のグラフの傾きを求める。
y’=−2(x−2) (式5)
接点C(c,−(c−2))での式2の接線の式は
傾きy’=−2(c−2)
だから、以下の式になる。
y+(c−2)=y'(x−c)
y+(c−2)=−2(c−2)(x−c)
この式を、
c−2=e (式6)
とおいて、以下のように単純な式であらわす。
y+e=−2e(x−c) (式7)
このように単純な形に式をあらわすことで、計算が簡単になり、計算間違いを少なくすることができる。
式7に残っているcもeにおきかえる。
y+e=−2e(x−e−2) (式8)

(3)
接線の式8と4の傾きが等しい条件式を求める。
−2e=2a
e=−a (式9)
(4)
式4と式8のそれ以外の項も等しくなる条件式を求める。
+2e(−e−2)=−a+2a・a
−e−4e=a
式9を代入してeをaにおきかえる。
−a+4a=a
−2a+4a=0
a(a−2)=0
a=0 (式10)
or
a=2 (式11)

(5)式10の場合:
a=0 (式10)
式10を式4に代入。
y=0 (式12)

(6)式11の場合:
a=2 (式11)
式11を式4に代入。
y−4=4(x−2)
y=4x−4 (式13)

以上の結果、式1と2の放物線の共通接線の方程式は、
y=0 (式12)
と、
y=4x−4 (式13)
である。
(解答おわり)

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2011年08月24日(Wed)▲ページの先頭へ
3次関数の曲線の形
佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【覚えておくべきこと】3次関数の曲線
y= x+ax+bx+c (式1)
の形は、中心点Aを中心にして点対象な形をしている。

その中心点Aのx座標は、式1を微分した式、
y= 3x+2ax+bx (式2)
の2次関数のグラフが左右対称になる対称軸の座標、
x=−a/3
である。

式1を微分した2次関数のグラフが、その対称軸の左右で対称であるので、
式1のあらわす3次関数のグラフは、中心点Aの左右で傾きが等しい。
そのため、式1のあらわす3次関数のグラフが、中心点Aを中心にして点対象な形になる。

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2011年08月22日(Mon)▲ページの先頭へ
放物線の極線
佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【難問】放物線
y= x (式1)
に、点P(a,b)を通る傾きm直線が交差する交点をQとRとするとき、
点Qでの放物線の接線と点Rでの放物線の接線との交点をSとするとき、
傾きmを変化させたとき、Sはある直線上にあることを示せ。


この問題は、以下の問題と同じ問題です。
【問題2】放物線
y= x (式1)
に、点P(a,b)を通る直線が交差する交点をQとRとするとき、
点Qでの放物線の接線と点Rでの放物線の接線との交点Sは、点Pから放物線に引いた2つの接線の接点を結んだ直線上にあることを示せ。

また、以下の問題とも同じです。
【問題3】放物線
y= x (式1)
に、点P(a,b)を通る傾きmの直線が交差する交点をQとRとするとき、
点Qでの放物線の接線と点Rでの放物線の接線との交点Sは、mの値に関係なく、ある直線上にあることを示せ。

(解答の方針)
この問題は、放物線外の一点Pから、放物線に弦を無数に引いたとき、弦の両端における2本の接線の交点を結んでできる直線(これは極線と呼ばれている。その極線を作る元になる点Pは「極」と呼ばれている)を求める、有名な問題です。
この問題は、何度でも解いて練習すべき問題として推薦します。

(解答)
(1)
点P(a,b)を通る傾きmの直線を以下の式で定義する。
y−b=m(x−a) (式2)
点Q(c,d)とR(e,f)との座標c及びeを求める式は、式1に式2を代入してyを消去することで求められる。
=m(x−a)+b
−mx+ma−b=0
−mx+ma−b=(x−c)(x−e) (式3)
(2)
点Q及び点Rでのx=t(t=c,e)の位置でも接線の傾きは式1を微分することで求められる。
y’=2x (式4)
式4から、x=tの位置での接線の傾きは2tである。
よって、x=tとなる放物線上の点の接線の式は、以下の式であらわせる。
y−t=2t(x−t)
この式をtについて整理する。
−2xt+y=0 (式5)
この式5は、
(x,y)が、点Qの接線とRの接線とで共通な値となるとき、
すなわち、両接線の交点S(x,y)の座標をあらわすとき、
tに、点Q(c,d)の座標値cを代入して成り立つ式であり、
かつ、R(e,f)の座標値eをtに代入して成り立つ式である。
よって、式5は、S(x,y)の座標に関する式で、t=c、t=eを根に持つ二次方程式である。
−2xt+y=(t−c)(t−e) (式6)
(3)
式3と式6を比べると、
−mx+ma−b=(x−c)(x−e) (式3)
−2xt+y=(t−c)(t−e) (式6)
式3と式6の根と係数の関係より、
−m=−(c+e)=−2x
m=2x (式7)
ma−b=ce=y
ma−b=y (式8)
式7と8よりmを消去すると、
2xa−b=y
y=2ax−b (式9)
点Sは、この直線9(極線)上にある。
(解答おわり)

【注意】
この問題を、点Sの軌跡を求める問題と考える場合は、点Sの軌跡は式9であらわされる直線のうち、式1の放物線で切り取られる弦の外側の部分を描くことに注意。

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2011年08月21日(Sun)▲ページの先頭へ
4次曲線の2点への接線
佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【難問】4次曲線
y= x−x+x (式1)
に、直線
y=ax+b (式2)
が相異なる2点で接するときa、bの値を求めよ。

(解答の方針)
問題の条件をあらわす方程式の形に従って、問題の解き方が決まってしまう。問題を解き易い形に問題の条件をあらわすには、問題の条件を可能な限り図形であらわして問題の条件をどういう図形であわらすかを工夫することが大切です。

この問題では、グラフを想像しながら方程式(のあらわすグラフ)を変形して問題を解くことが大切なポイントです。


4次曲線は、上の図のようにあらわせる。
式1に式2を代入すると、
−x+x=ax+b
−x+(1−a)x−b=0 (式3)
この式3が、接点のx座標x=αとx=βとで成り立つ、しかも、αとβそれぞれが重根であることが、式2の直線が式1のグラフに2点で接する接線になる条件である。

ここで、そのような式3を求めるということは、
y=x−x+(1−a)x−b=0 (式4)
という4次曲線がx軸と2点で接する条件を求めることと同じである。

(1)4次曲線は、座標軸xを平行移動することで、3次の項が無い式になる(式1は既にそうなっている)。
(2)次に、その4次曲線はxの1次の項を無くせば、y軸に関して、x方向の左右で対称な形のグラフになる。そのグラフは、x軸に平行な直線に2点で接する。
  すなわち、式3のxの項の(1−a)=0にすれば、x軸に平行な線に接するグラフになる。
(3)そうすれば、y軸に関して、x軸方向で左右対称なグラフになるので、接点のx座標はαと−αとになる。
つまり、式4は、
y=((x−α)(x+α))+C
y=(x−α+C
というグラフになる。

このC=0とするように、値bを調整したグラフにすれば、そのグラフはx軸に2点で接する。
そのようにグラフを変形するように、aとbを定めれば良い。

【解答1】
(1)
式1に式2を代入すると、
−x+x=ax+b
−x+(1−a)x−b=0 (式3)
この式3が、接点のx座標x=αとx=βとで成り立つ、しかも、αとβそれぞれが重根を持つことが、式2の接線に対して成り立つ条件である。
その条件は、
y=x−x+(1−a)x−b=0 (式4)
という4次曲線がx軸と2点で接する条件を求めることと同じである。

(2)
先ず、
a=1 (式5)
とすると、
式4は、以下の式になる。
y=x−x−b=0 (式6)
この式6のグラフはx軸に平行な線に2点で接するグラフである。
この式6を変形する。
y=(x−(1/2))−(1/4)−b=0 (式7)
(3)
次に、
b=−1/4 (式8)
とすると、
式7は以下の式になる。
y=(x−(1/2))=0 (式9)
この式9はx軸と2点で接するグラフである。
その接点のx座標は、
−(1/2)=0
x=±√2/2

このように、式4で、a=1、b=−1/4としたら、x軸にx=±√2/2で接する式9のグラフになったので、求める直線のaとbは、
a=1 (式5)
b=−1/4 (式8)
である。
(解答おわり)

(補足)
 この問題は、図形を思い描かないで計算力だけで答えを得ようとすると落とし穴に落ちる難問です。
 なぜなら、この問題で、(重なることを許した)2点で接するという問題と考えて計算力だけで答えを計算しようとすると、答えは:
(1)下凸の異なる2点で接する。
(2)下凸の1点と上凸の1点との2点が1点に重なった点で接する。
という2種類の答えが出て来るからです。
その2種類の答えのうち、(1)の答えのみが、異なる2点で接しますので、計算力で求めた答えを選別してやっと答えにたどり着きますので、その回り道をする分だけ時間がかかってしまうという落とし穴に落ちます。
 その落とし穴に落ちないために、先ず、グラフの図形を思い描いて答えの条件を絞り込んだ上で答えを計算することが望ましいです。

【解答2】
 以下で、図形を思い描かないで計算力だけで行なった解答例を示します。

(1)
式1に式2を代入すると、
−x+x=ax+b
−x+(1−a)x−b=0 (式3)
この式3は、
y=x−x+(1−a)x−b=0 (式4)
という4次曲線がx軸と2点で接する条件を求めることと同じである。
この式3が、接点のx座標x=αとx=βとで成り立つ、しかも、αとβそれぞれが重根を持つことが、式2の接線に対して成り立つ条件である。
その条件は、式9であらわされる。
この式9の形をしている式 f を微分した式gを計算する。
この式 g と式 f の最大公約多項式 h が式12になる。
「グラフが直線に相異なる2点で接する」という条件を、上の式13であらわす。
(2)
 次に、ユークリッドの互除法を利用して式 f を式 g で割り算した余り h が式 f と g の最大公約多項式になる条件を導き出す。
ここで、この余りの式 h =式12に関する式13の条件は、以下の式15であらわせる。
余りの式 h が式 f と g の最大公約多項式になる条件は、この式 h で式 g を割り算した余り k が0になることである。
この式16であらわされる余りの多項式 k が0になる。
そのため、以下の式17と18が成り立つ。

(3)
この式17と18を連立して解を求め、その解のうち、式15を満足する解を選別する。
式18から式19が得られる。
この解は式15を満足した。
次に、b=1/12の場合の解を調べる。
この解は式15を満足しない。
よって、求める解は、
a=1,
b=−1/4,
である。
(解答おわり)

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2011年08月20日(Sat)▲ページの先頭へ
放物線の直交接線の交点の軌跡
佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【難問】放物線
y= x (式1)
について、互いに直交する2つの接線の交点は定直線上にあることを証明せよ。


(解答の方針)
放物線の接線の傾きy’は微分で求められる。
y’=2x (式2)
1つの接点をA(a,b)とすると、
接線の式は、
y−b=2a(x−a)
y−a=2a(x−a) (式3)
もう1つの接点をB(c、d)とすると、
接線の式は、
y−d=2c(x−c)
y−c=2c(x−c) (式4)
式3の接線と式4の接線が直交する条件は、
(2a)(2c)=−1 (式5)

また、式3の接線と式4の接線の交点をQ(x,y)とすると、
式3と式4の連立方程式が得られる。
y−a=2a(x−a) (式3)
y−c=2c(x−c) (式4)
この連立方程式と、接点の交差をあらわす式5とで全ての条件があらわされる。
(2a)(2c)=−1 (式5)

これらの式3〜5は3つの式であるから、未知数を2つ消去した1つの式を作ることができる。
未知数aとcを消去すれば、残るのはxとyだけにかかわる式であり、
その式は曲線か直線のグラフをあらわす。
その式は、aとcがどう変化してもいつも変わらず成りたつ、xとyの関係である。
そのため、式3の接線と式4の接線の交点(x,y)は、その式があらわすグラフ上の点である。

実際に、そのグラフの計算方法を考える。

【注意点】
式3はaに関する二次関数であり、式4もcに関する二次関数であり複雑な式である。このまま計算すれば、計算が複雑になると予測される。
そのため、工夫する必要がある。
【工夫点】
式3はaに関する式であるが、それは、cを求めるための式(解t=a,c)でもあると解釈する。
y−t=2t(x−t)
−2tx+y=0
−2tx+y=(t−a)(t−c)=0 (式6)
そして、式3のtの解のaとcとの間には、式5の関係があると考える。
すなわち、式6の2つの解aとcの積は、式5から
ac=−1/4
式6の根と係数の関係から、
y=ac=−1/4 (式7)

よって、式6は、
−2tx−1/4=0
−1/4=2tx
t−1/(4t)=2x
x=(1/4){2t−1/(2t)}
x=(1/4){2c−1/(2c)} (式8)

よって、式7から、直交接線の交点Q(x,y)は、式7であらわされる直線上にあり、そのx座標は式8であらわされる。
このように、解答の方針を考えているうちに解答が出来上がってしまった。
そのため、以上を、解答とする。
(解答おわり)

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2011年08月17日(Wed)▲ページの先頭へ
2つの放物線の接線が直交する
佐藤の数学教科書「微分」編の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。)

【難問】2つの放物線
y= x−2x+2 (式1)
y=−x+ax+b (式2)
は、それらの交点の1つPで、接線が互いに直交しているものとする。
 このとき、放物線(式2)は、a、bの値に無関係な一定の点Qを通ることを証明し、Qの座標を求めよ。


(解答の方針)
「一定の点Qを通る」というような耳慣れない性質を求める問題が出て来ても、あわてずに、
先ず、与えられた全ての条件を数式で表わす。
 そうする理由は、その数式の解き方のパターンは限られていて、
この問題は、どの解き方のパターンで解けば良いかが数式から分かるからです。

交点P(c,d)とする。
交点Pのdが式1と式2とであらわされるから、交点P(c,d)を代入した式1=式2が成り立つ
−2c+2=−c+ac+b (式3)

式1の放物線の接線の傾きは、
y’=2x−2 (式4)
式2の放物線の接線の傾きは、
y’=−2x+a (式5)
点Pでの接線が互いに直交する条件は、次式になる。
(2c−2)(−2c+a)=−1 (式6)
点Q(x,y)は放物線(式2)上にあるので、
y=−x+ax+b (式2)
である。

結局、以下の式の群が得られた。
−2c+2=−c+ac+b (式3)
(2c−2)(−2c+a)=−1 (式6)
y=−x+ax+b (式2)

これら3つの式を使って問題を解くのは、未知数を順次に減らす計算パターンしか無い。
未知数は、a、b、c、x、yである。
式が3つあるので、未知数を2つ消去できる。
そのように未知数を消去する計算をすると、未知数群(a,b,c)のうちで残った1つの未知数と(x,y)とを含む1つの式が得られる。
そのため、この問題は、その1つの式から(x,y)を求める問題であることがわかる。

すなわち、この問題は、
「1つの未知数に関する1つの式から、未知数の値に無関係な一定の点Q(x,y)の値を求める」
という問題である。
問題を言いかえると、
「(1つの)未知数の値が変化しても一定の値の(x,y)によって式が満足される、そういう値(x,y)を求める」
という問題である。
更に問題を言いかえると、
「(1つの)未知数の値がどのように変化しても式がいつも成り立つようにする(x,y)を求める」
という問題である。
ここまで言いかえると、この問題は、
「(1つの)未知数に関する式を恒等式にする条件を満足する(x,y)を求める」
という問題であることがわかる。
それで、この問題を解くめどが立った。

このように、数式を書けば、その数式の解き方のパターンの数が限られているので、どういう問題であるかの、問題の意味が見えて来る。

(解答)
(1)
交点P(c,d)とする。
交点Pのdが式1と式2とであらわされるから、交点P(c,d)を代入した式1=式2が成り立つ
−2c+2=−c+ac+b (式3)
2c−(2+a)c+2−b=0 (式7)
(2)
式1の放物線の接線の傾きは、
y’=2x−2 (式4)
式2の放物線の接線の傾きは、
y’=−2x+a (式5)
点Pでの接線が互いに直交する条件は、次式になる。
(2c−2)(−2c+a)=−1 (式6)
−4c+2ca+4c−2a=−1
−4c+2ca+4c−2a+1=0
4c−2ca−4c+2a−1=0
4c−(2a+4)c+2a−1=0 (式8)
(3)
点Q(x,y)は放物線(式2)上にあるので、
y=−x+ax+b (式2)
である。

(4)
これらの式を整理して並べると、
2c−(2+a)c+2−b=0 (式7)
4c−(2a+4)c+2a−1=0 (式8)
y=−x+ax+b (式2)

この3つの式から未知数a,b,cのうちの2つの未知数を消去し、残った未知数の式が恒等式になるように(x,y)の値を定める。
ここで、式7と式8から、複雑な式を成す未知数cが消去できることがわかる。
(式7)×2−(式8)を計算する。
4−2b−(2aー1)=0
4−2b−2a+1=0 (式9)

(5)
式2から、
b=y+x−ax (式2’)
この(式2’)を式9に代入してbを消去する。
4−2(y+x−ax)−2a+1=0
この式を未知数aに関して整理する。
a(2x−2)+4−2y−2x+1=0
この式が未知数aに関して恒等式になる条件は、
2x−2=0 (式10)
4−2y−2x+1=0 (式11)

(5−1)
式10から、
2x=2
x=1 (式12)
(5−2)
式12を式11に代入する。
4−2y−2+1=0
3=2y
y=3/2
よって、
Q(x,y)=(1,3/2)
(解答おわり)

【注意】この問題を解くのに、最初に未知数cを消去したが、他の未知数を消去して最後まで未知数cを残しても、同様に、解くことができる。

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2011年08月13日(Sat)▲ページの先頭へ
円の接線の公式を微分で導く
「微分・積分」の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
(ある直線と曲線の交点を求める式が重根を持つときその直線が必ず接線であるとは言えない。下図の曲線にO点で交わる直線と曲線の交点を求める式は重根を持つ。しかし、ABを通る直線のような方向を向いた直線でもO点で重根を持って曲線と交わる。)

【研究問題】円の接線の公式は既に学習していると思いますが、
接線は、微分によって初めて正しく定義できるので、
改めて、円の接線の公式を微分により導いてみます。

円 x+y=1 (式1)
この円の式全体を微分します。
その微分の際に、
微分の基本公式
(f・g)’=f’・g+f・g’
を使います。

x’・x+x・x’+y’・y+y・y’=1’ 
x’=1で、1’=0だから、
2x+2y・y’=0 (式2)
接点(x,y)での接線の傾きy’は、
(yが0で無い場合は)
式2を変形した以下の式であらわせます。
接点を(x,y)とすると、式3は以下の式になります。
接線の式は、
点(x,y)は式1を満足するので、
+y=1
∴ yy+xx=1
この、円の接線の公式は既に学んでいる接線の式です。

【研究問題その2】
楕円の式は高校3年の数学VCで学びますが、高校2年でも、その式だけは覚えていても良いと思います。
楕円 x/a+y/b=1 (式1)
です。

この楕円の接線の公式は、微分により導けます。

この楕円の式全体を微分します。
その微分の際に、
微分の基本公式 (f・g)’=f’・g+f・g’
を使います。
x’=1で、1’=0だから、
接点(x,y)での接線の傾きy’は、
(yが0で無い場合は)
式2を変形した以下の式であらわせます。
接点を(x,y)とすると、式3は以下の式になります。
接線の式は、
点(x,y)は式1を満足するので、 
こうして、楕円の接線の公式が得られました。

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微分の基本公式
「微分・積分」の勉強

微分の基礎的公式に以下の公式があります。

yの微分を、y’と書きます。
(基本公式)
(f・g)’=f’・g+f・g’
この基本公式から、以下のことが言えます。

x’=1ですが、
(x)’=(x・x)’=x’・x+x・x’=2x
(x)’=(x・x・x)’=x’・(x・x)+x・x’・x+(x・x)・x’=3x

同様にして
(x)’=4x
(x)’=5x

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2011年08月11日(Thu)▲ページの先頭へ
円と放物線の接線(3)
「微分・積分」の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。

【研究問題】以下の問題は高校の数学では解けません。入学試験にも出ない問題です。
しかし、研究のために、この問題を解いてみます。

【問1】
hの値を変えたとき、
放物線 y=(x+1)+h (式1)
と、円 x+y=1 (式2)
とが接する場合に、その接点(a,b)の値を求めよ。

(解答の方針)
なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できるので、微分により接線の式を計算して方程式を書く。

(解答)
(1)
接点(a,b)において、
式1から、
放物線 b=(a+1)+h  (式3)
式2から、
円 a+b=1 (式4)

(2)
式1の放物線の接点(a,b)における接線の傾きは、式1の関数をxで微分して計算し、
2(a+1)
(3)
式2の円の接点(a,b)における接線の傾きは、
法線の傾きb/aの逆数に(−1)を掛け算したものであって、
−a/b

(4)
この2つの接線の傾きの値が等しいので、
2(a+1)=−a/b
b=−a/(2(a+1)) (式5)

(5)
この式5を式4に代入すると、
+(a/(2(a+1)))=1
(a−1)(a+1)+a/4=0
+2a+a/4−2aー1=0 (式6)
この式6の四次方程式の正確な解は見つかりません。
そのため、この式6の左辺の4次関数のグラフを、a=xとするxy座標に書いて、4次方程式の答えをグラフで求めます。

そのために、EXCELを使ってグラフを書きます。
この際、 そのグラフの描き方を勉強しておいてください。
その結果、以下のグラフが得られました。

グラフから、y=0となるx=aは、
a≒0.97 (式7)
or
a≒−0.61 (式8)

(5−1)
a≒0.97の場合、
式5を計算すると、
b≒−0.25
式3からhを計算すると、
h≒−4.13

(5−2)
a≒−0.61の場合、
式5を計算すると、
b≒0.78
式3からhを計算すると、
h≒0.63
(解答おわり)

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2011年08月10日(Wed)▲ページの先頭へ
円と放物線の接線(2)
「微分・積分」の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。

【問1】hの値を変えたとき、
放物線 y=x+h (式1)
と、円 x+(y−1)=1 (式2)
とが接する場合に、その接点(x,y)の値を求めよ。

(解答の方針)
なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できるので、微分により接線の式を計算して方程式を書く。

(解答)
(1)
接点(x,y)において、 
式1から、
放物線 y=x+h  (式1’)
式2から、
円 x+(y−1)=1 (式2’) 


(2)
式1の放物線の接点(x,y)における接線の傾きy’は、式1の関数をxで微分して計算し、
y’=2x (式3)
である。
(3)
式2の円の接点(x,y)における接線の傾きy’は、
法線の傾き(y−1)/xの逆数に(−1)を掛け算したものであって、
y’=−x/(y−1) 
(式4)
である。

(4)
この2つの接線の傾きの値が等しいので、
式3=式4:
この式5を解くと、
x=0 (式6)
or
y−1=−1/2

y=1/2 (式7)
 

(5)
(式6の場合の接点を求める)
式6を式2に代入する。
(y−1)=1
(y−1)=±1
y=2
or
y=0
 

接点は、
(x,y)=(0,0) (式8)
or
(x,y)=(0,2) (式9)
 

(5−1)
式8の場合に、式8を式1に代入する。
h=0

(5−2)
式9の場合に、式9を式1に代入する。
h=2

(5−3)
よって
接点=(0,0)でh=0
or
接点=(0,2)でh=2

(以上が、第1の種類の接点)

(6)

(式7の場合の接点を求める)
式7(y=1/2)を式4に代入する。
式1より
接点は、
このとき、
(以上が第2の種類の接点)
(解答おわり)


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2011年08月09日(Tue)▲ページの先頭へ
円と放物線の接線(1)
「微分・積分」の勉強

なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できる。
接線を求める式に重根が含まれるとは限らない。

【問1】hの値を変えたとき、
放物線 y=x/4+h (式1)
と、円 x+(y−1)=1 (式2)
とが接する場合に、その接点(x,y)の値を求めよ。

(解答の方針)
なめらかな曲線の接線は、微分によって初めて正しく定義できるので、微分により接線の式を計算して方程式を書く。

(解答)
(1)
接点(x,y)において、 
式1から、
放物線 y=(x/4)+h  (式1’)
式2から、
円 x+(y−1)=1 (式2’) 


(2)
式1の放物線の接点(x,y)における接線の傾きy’は、式1の関数をxで微分して計算し、
y’=2x/4=x/2 (式3)
(3)
式2の円の接点(x,y)における接線の傾きは、
法線の傾き(y−1)/xの逆数に(−1)を掛け算したものであって、
y’=−x/(y−1) (式4)

(4)
式3と式4の接線の傾きy’の値が等しいので、
この式5を解くと、
x=0 (式6)
or
y−1=−2 (式7)
 

式2から −1≦y−1≦1
であるので、式7は不適。
よって、式6のみが解である。
 

(5)
式6を式2に代入する。
(y−1)=1
(y−1)=±1
y=2
or
y=0
 

接点は、
(x,y)=(0,0) (式8)
or
(x,y)=(0,2) (式9)
 

式8の場合に、式8を式1に代入する。
h=0
式9の場合に、式9を式1に代入する。
h=2
よって
接点=(0,0)でh=0
or
接点=(0,2)でh=2
(解答おわり)


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カレンダ
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