高校物理

算数の問題と解答とを考えていきます。




2013年02月13日(Wed)▲ページの先頭へ
高校物理:コンデンサの合成容量
「高校物理の発想の基本」
【コンデンサーを並列接続した容量】
 下の回路のAとBの間の容量Cは以下のようになります。


【コンデンサーを直列接続した容量】
 下の回路のAとBの間の容量Cは以下のようになります。


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「高校物理の目次」




2013年02月12日(Tue)▲ページの先頭へ
高校物理:抵抗の合成(2)
「高校物理の発想の基本」
【問】
下図の回路のAとBの間の抵抗を求めよ。


この抵抗値Rは、下図のように計算できます。

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高校物理:抵抗の合成
「高校物理の発想の基本」
【問】
下図の回路のAとBの間の抵抗を求めよ。

この抵抗値Rは、下図のように計算できます。

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2013年02月11日(Mon)▲ページの先頭へ
高校物理:電力×時間=熱容量×温度上昇=仕事
「高校物理の発想の基本」
下図の例のように、
(電力W)×時間=仕事量=熱容量×(温度上昇)
です。


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高校物理:電力W=速度×力=単位時間当たりの仕事
「高校物理の発想の基本」
下図の例のように、
モータの電力W=(単位時間あたりの仕事量)=力×(速度)
です。

 仕事=力×距離
ですが、
 単位時間あたりの仕事量=力×速度=W
です。


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高校物理:摩擦のない面に加わる力は面に垂直
「高校物理の発想の基本」
下図の例のように、摩擦の無い面に加わる力は、その力が角から加えられる場合でも、その角が接する面に垂直方向に加わります。

 上図の球に床の角から球に加わる力は球と接する面に垂直方向に加わります。球面と接する床の角の面も、接する相手の球の面と平行なので、結局、球面に垂直な方向の力を球面に加えます。
 そのため、球を横に引く力Fのベクトルと球を下に引く重力のベクトルを合成したベクトルが床の角と接する球面に垂直な方向を向けば、力が釣り合って、球面の直下の床面からの抗力が0になります。


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高校物理:重力と電界とが物体を加速する問題
「高校物理の発想の基本」
【問題】
 以下のように質量mで電荷qを持つ物体mが高さhの場所から水平方向(x方向)に初速度vで運動を開始した。


重力加速度がgで、x方向に逆行する方向に電界Eをかけたとき、物体が床で2回バウンドした後で、出発位置(z=h,x=0)にもどるものとする。
 そうなるための初速度vはいくつにすれば良いか。

【解答】
 以下の図のように順次に計算する。

 この問題で、「電界Eを加える」とは、「力を加える」と言うことと同じです。

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高校物理:運動座標系を変えて考える問題
「高校物理の発想の基本」
 物理の運動の問題で2つの互いに運動する物体の問題を解く場合は、運動座標系を変えて見方を変えると問題が易しくなります。以下の例は、そうすることで問題が易しくなる例の問題です。

【問題】
 上図のように滑らかな水平面上に質量Mの斜面が置かれていて(斜面は押されると水平面上を動く)、質量mのスケートボードが速度vで斜面Mに侵入する場合を考えます。
(1)このときスケートボードmが斜面Mを登って最高地点に達して斜面Mに対して静止した場合に、スケートボードmの重心が上昇する高さhを求めよ。
(2)スケートボードmが斜面Mを逆行して斜面から下りた位置での運動速度と、そのときの斜面Mの運動速度を求めよ。

【解答】
 この問題は、スケートボードMと斜面mとの全体の重心が運動する運動座標系で、以下の図のように考えます。

 全体系の重心の運動座標系で見ると、上図のように、先ず、スケートボードmと斜面Mが互いに向かって運動し、スケートボードmが高さhのところまで斜面を登ったら、互いに静止し、その後に、スケートボードmが床に達して斜面Mから離れたら、スケートボードmも斜面Mも最初とは逆方向に運動して互いから離れていきます。

 スケートボードmの高さhの位置エネルギーは、最初のスケートボードmと斜面Mの運動エネルギーの合計に等しいです。

 そして、スケートボードmが床に達して斜面Mから離れたら、スケートボードmも斜面Mも最初とは逆方向に運動して互いから離れていく速度を静止座標系で観察したら、下図のよう見えます。


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高校物理:気体の圧力の問題
「高校物理の発想の基本」
 物理の問題を解くとき、勘を働かせて、答えを間違わないよう、注意しながら計算します。そのために、答えが明らかな特別な場合を頭において、計算していきます。以下の例で、特別な状況を頭において計算の正しさを探りながら計算する練習をしましょう。

【問題】
 上図のように、質量mで断面積がSの茶筒を逆さにして気体を中に閉じ込めて密度ρの液体に浮かべます。更に質量mの重りを乗せて、ちょうど、筒の上が液体面に一致して釣り合うようにします。この場合に、重りmを外したら、筒はどのくらいの高さまで上昇するか計算せよ。

 この問題の特別な場合は、質量m=0の場合です。その場合は答えが明らかであって、筒の上昇はありません。

 以下では、この特別な事例を頭において、その答えと食い違うことの無いように、注意して計算を進めます。

 次に、圧力と体積の関係を使います。
 以上で計算が終わりました。この答えは、質量m=0の特別な場合の明らかな答え(筒は上昇しない)と一致しているので、間違っていないだろうと考えます。

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2013年02月10日(Sun)▲ページの先頭へ
高校物理:電流計と電圧計による抵抗測定精度
「高校物理の発想の基本」
電流計と電圧計を用いて抵抗を測定する場合に測定誤差が出ます。それを、以下で説明します。
 まず、電流計の原理的なモデルは以下のようなものです。

 電圧計の原理的なモデルは、以下のようなものです。
 電流計は内部抵抗が低く、
電圧計は内部抵抗が高いです。
 電流計と電圧計の等価回路は、以下のように書きます。

 電流計は内部抵抗を低くして、測定相手の電流をあまり変化させないようにして測定します。
 電圧計は内部抵抗を高くして、測定相手の電圧をあまり変化させないようにして測定します。
【電流計と電圧計による抵抗測定】
 抵抗測定の基本原理は、以下のように抵抗に電流を流して、抵抗に発生した電圧を電流で割り算して抵抗rを求めます。

 実際に、以下の図のように電流計と電圧計をつないで、抵抗rの電圧と電流を測ろうとしたとします。
 この回路で測定した電流I’と電圧V’は、以下の図の関係にあります。 
 上図のように、測定電圧V’を測定電流I’で割り算すると抵抗rよりも、電流計の内部抵抗分大きめな抵抗値が計測されます。

 次に、以下の図のように電流計と電圧計をつないで、抵抗rの電圧と電流を測ろうとしたとします。

 この回路で測定した電流I’と電圧V’は、以下の図の関係にあります。
 回路の計算をするとき、並列な回路部分がある場合は、その並列な回路の一方の電流を使って、全ての部分の電流を記述するように計算するとうまく計算できます。

 測定電圧V’を測定電流I’で割り算する計算は以下のように行います。
【別解】
 並列な回路部分がある回路の計算では、下図のように、その並列な回路の電圧を使って、全ての部分の電流を記述するように計算するとうまく計算できます。

 以上、計算したように、(測定電圧V’)/(測定電流I’)<(抵抗r)、すなわち、測定結果の抵抗は、実際の抵抗rよりも小さめな値になり、その誤差は、電圧計の内部抵抗が十分大きくないと、誤差が大きくなります。

【電流計と電圧計の測定限界を広げる技術】
 電圧計の測定限界を広げるためには、以下のように抵抗を電圧計に直列に接続します。

 そうすると、以下の関係で、測定限界が広がります。

 電流計の測定限界を広げるためには、以下のように抵抗を電流計に並列に接続します。

 そうすると、以下の関係で、並列につなぐ抵抗を小さくすれば測定限界が広がります。
 回路の計算をするとき、並列な回路部分がある場合は、その並列な回路の一方の電流を使って、全ての部分の電流を記述するように計算するとうまく計算できます。



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高校物理:単振動の問題
「高校物理の発想の基本」
大学の物理の入学試験は、学生が大学に入学した後、もっと高度な物理の授業を聞く事に耐えられるか、不幸にならないかを調べるのが本来の目的だったと考えます。
 そのため、入学試験は、
学生が、しっかり自分というものを知っている大人の場合は、
「あなたは、物理の授業を聞きたいですか。物理が嫌いでは無いですか?」
と聞いて、
学生が、
「ハイ。私は物理を学ぶのが嫌いではありません。」
と答えられれば、合格にして良いと考えます。

 この場合の問題は、学生が少し教わってきたことが「物理」だったのか、
ということと、
学生が大人であるか(これは、はなはだ怪しい)、
 が確認されなければ、そのやり方ではダメと思います。

 そのため、物理好きな人が習得していることが多い技術を学生が持っているかを試験問題という形でテストするのだと思います。

【物理好きな人が習得していることが多い技術(その1)】
 物理でいつも出てくる微分方程式の解は何度も問題を解く人は覚えてしまいます。
問題を解くときは、微分方程式を解かず、覚えている解を問題のパラメータに合わせて、
解を作り上げます。その方が、時間を節約できます。
 例えば、以下の問題の解き方のように、問題を解きます。

【問1】
 以下の図のように、バネ定数kのバネにつるされた質量mの物体mが、z=0の位置で釣り合っています。z座標は下側に取ります。
 ここで、この物体mは電荷qも持っていて、下向きの強さEの電界Eがこの物体に加えられたとき、この物体mの運動を調べなさい。

 ここで、この物体には、重力Fと、電界Eによる下向きの力Fと、バネが上に引き上げる力Fとがかかっています。それらの条件を使って問題を解きます。ここで、これらの条件の1つを間違えることが多いです。例えば、バネが上に引き上げる力Fには、バネが物体mを静止させているときはmgの力も加えられていますが、最初は、この条件を忘れて問題を解き始めて、後で気づくというようなことが良くあります。
 そのような場合は、途中まで解いていた問題を後戻りして解き方を修正する対応が必要になります。
 そのとき、問題の解き方に、微分方程式を解く作業があったりすると、解をやりなおすのがわずらわしいです。それで、そういうことに懲りた人は、微分方程式の解の形はおぼえてしまって、速やかに解を作り上げる技術を習得します。

 以下では、そのようにして問題を解いていきます。

 まず、以下の式の微分方程式1を作り、それを変形して式2を作ります。そして、覚えていた式3を持ち出します。

 次に、以下のようにして、この式3のパラメータを問題が与えるパラメータに合わせる計算をします。
 物体の運動は、時間と速度と位置座標とを与えることで定まります。そのため、位置座標と速度はいつも一緒にして考えることが大切です。
 問題の与えるパラメータを使って式3のパラメータを定めた式13と14を求めたら、あとは、その式のあらわす、典型的な状況を以下のようにもとめます。 


 以上で解答作業がおわりです。


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2013年02月06日(Wed)▲ページの先頭へ
高校物理:運動座標系での力は静止座標系と変わらない
「高校物理の発想の基本」
 静止座標系で観察した場合と、運動座標系(あるいは加速度座標系)で観察する場合とで、変化する物理量と変化しない物理量があります。
 速度と位置座標は、運動座標系(又は加速度座標系)では、静止座標系とは異なる値になります。
 それ以外には、既存の電界Eや磁界Hに、それらと運動方向とに垂直な方向の磁界と電界が、新たに加わります。
 電界を長さで積分すれば電圧Vになります。電界Eが変われば電圧Vも変わります

 しかし、電荷の量や質量や、電流(別のページで詳しく説明)は(相対性理論の効果による微少誤差を無視すれば)運動座標系でも変わりません。
(空間の電圧は運動座標系で変わります。)
 また、そのように、運動座標系で静止座標系と異なった磁界や電界の力を受けても、それらを総合して物体に最終的に加わる力については、運動座標系(又は加速度座標系)でも静止座標系でも同じ力になります。

 ただし、加速度座標系では、物体に、重力と同じような物体を加速させる、物体の質量に応じた慣性力が新たに観察されます。それ以外の静止座標系で加わっていた力は、加速度座標系でも、同じ力が同じ方向に加わっています。

 そのように「力=質量×加速度」は運動座標系(又は加速度座標系)でも静止座標系でも変わりません(ただし、加速度座標系で物体の質量に応じて新たに加わる重力と同様な力は別ですが)。

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2013年02月02日(Sat)▲ページの先頭へ
高校物理:固定されていない斜面を下りる物体
「高校物理の発想の基本」
 静止座標系で観察した場合と、加速度運動する物体を静止させて観察する加速度座標系で観察した場合とで、変化する物理量と変化しない物理量があります。速度と位置座標は、加速度座標系では、静止座標系とは異なる値になります。
 加速度座標系では、物体に、重力と同じような物体を加速させる、物体の質量に応じた力が新たに観察されます。しかし、それ以外の静止座標系で加わっていた力は、加速度座標系でも、同じ力が同じ方向に加わっていることが観測されます。
 例えば、静止座標系で観測した力のベクトルを矢印で書いた札を物体に貼り付けたとします。すると、その札の印は、加速度座標系で観察した力と同じです。
 そのように「力」は加速度座標系でも静止座標系でも変わりません(ただし、加速度座標系で物体の質量に応じて新たに加わる重力と同様な力は別ですが)。

 この、「加速度座標系でも力は変わらない」という定理の練習問題として、以下の問題を解きます。

【問題】
 上図のように、摩擦のない床の上に質量Mの台を置き、その台の摩擦のない斜面(角度θの傾き)に質量mの物体を置いたとします。その場合に、その台Mが静止して見える加速度座標系において、その物体mが斜面の面に垂直に押し付けられる力Fの大きさFを求めまさい。

【解答】
 「静止座標系で観察された力は加速度座標系でも同じ」定理を頭において、加速度座標系で加わる力を以下の図のように書いて考えます。

斜面台Mが左側に加速度aで加速されるとします。その加速度aは、斜面台Mの斜面が物体mによって垂直に押される力Fのsinθ倍を斜面台の質量Mで割り算した値です。その関係を以下の式1であらわします。
 一方、左側に加速される斜面台Mが静止して見える加速度座標系で物体に加わる力は、物体mに右側に加速度aが加えられるように見えます。
 そのため、その加速度座標系では、物体mには、右側に加速する力maと、物体を重力加速度で下に引く力mgとを合成した力が加わります。
 それらの物体mに加わる力の、斜面に垂直な成分が求める力Fです。その関係を以下の式2であらわします。

式1と式2からFを消去して、式3が得られます。式3を変形して、加速度aを与える式4が得られます。その式4を式1に代入して、求める力Fを与える式5が得られます。


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2013年02月01日(Fri)▲ページの先頭へ
高校物理:角運動量保存の法則
「高校物理の発想の基本」
 ケプラーの「面積速度一定の法則」を高校の物理で教わったと思います。
その法則は、もっと汎用化した、「角運動量保存の法則」という法則の一部です。
(角運動量保存の法則とは、回転している物体系に外から、回転モーメント=(腕の方向に垂直な力)×(腕の長さ)が加わらなければ、角運動量=(腕の方向に垂直な運動量)×(腕の長さ)が変わらない、という法則です)

 この、「角運動量保存の法則」は、「運動量保存の法則」と同じくらいに大切な法則ですが、高校物理では教わりません。
 大学の物理の入試問題の中には、深い物理現象の理解の程度を試験する問題もありますが、基本的な物理現象の角運動量保存の法則を知って、はじめて、深い物理現象の理解が進むと考えます。

 そのため、「角運動量保存の法則」=「面積速度(角運動量を質量で割り算した値)一定の法則」が物理での保存法則の1つであることを頭において問題を解く練習として、以下の問題を解きます。

【問題】
 上図のように、水平面上で回転中心Oのまわりに回転する軽いレールに、レールをローラーはさんで固定した重い物体Mが、回転中心Oから距離rの位置で、レールの軸に垂直方向に速度vで運動して、回転中心のまわりを回転しています。この物体Mがローラーでレールをゆっくりとたぐりよせて、回転中心Oから距離rの位置までゆっくり上って来たとき、物体は、レールの軸に垂直方向に速度vで運動するものとします。この速度vを計算しなさい。

【解答】
 面積速度一定の法則から、
×r=v×r
の関係が成り立って、回転中心Oに物体Mが近づけば、物体の速度vは速くなるはずです。
その知識は、以下のように仮定して計算する事を正当化します。
物体Mがローラーでレールをゆっくりとたぐりよせて、回転中心Oから距離rの位置までゆっくり上ると、物体は、遠心力に逆らって上っていくので全体系にエネルギーを与えます。そのため、全体系のエネルギーが大きくなります。
 これが、重力場の中を上に上がる場合だっらなら、重力場が位置エネルギーを蓄えて全体系のエネルギーが増します。
 しかし、この問題の系の遠心力は場の力では無く、物体Mが運動することにより生じたみかけの力です。エネルギーは物体Mの運動エネルギーしかありません。そのため、全体系のエネルギーが増せば、物体Mの速度が速くなって運動エネルギーが増すことになると仮定しても良いと考えられます。
そのため、そのように仮定して、以下の式1が成り立つと考えます。

この式を距離rで微分すると、以下の式2が得られます。そして、順次に計算して式3が得られます。

この式3は、次の式4の形の角運動量保存の法則を満足していますので、先の仮定は正しかったと言えます。


ちなみに、式5が答えです。

 以上のように仮定することは、わからないことは、とりあえず仮定して考える物理学的発想で物理現象を深く理解しようとする努力の形です。一方、角運動量保存の法則は、それよりも確固とした確立された法則です。そのため、この答えの正しさが、角運動量保存の法則によって保障されます。角運動量保存の法則は、この問題の答えそのものです。
この問題は、角運動量保存の法則を用いて解くのが正解であるとも言えます。しかし、高校物理では、角運動量保存の法則を教わりませんので、上の計算のような解答がゆるされると考えます。

(補足)
 この例題は、運動方向におおむね垂直な方向に力を加えて、その結果、物体の運動の速度が変わるという例です。
 この結果は、ちょっと見ると、「ベクトルに垂直方向にベクトルを加える場合、ベクトルの方向が変わるがベクトルの大きさは変わらない」という定理と異なる結果になったように見えます。しかし、そうではありません。この例では、運動の方向は力の方向に垂直な方向からわずかにずれた運動が行なわれています。そのわずかなずれが積み重なって、速度の変化をもたらしたのです。
 運動の方向が力の方向に厳密に垂直であるならば、速度の大きさは変化しません。
 また、物体の位置が力の方向へは全く動かないならば、運動の方向は、力の方向に厳密に垂直であると言えます。

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「高校物理の目次」



2013年01月29日(Tue)▲ページの先頭へ
高校物理:回転するパイプを通る物体に加わる力
「高校物理の発想の基本」
「運動ベクトルに、そのベクトルの方向に垂直なベクトルを加え続けると、
運動ベクトルの方向が変わるが、運動ベクトルの大きさは変わらない」という定理があります。

そして「運動ベクトルの方向に垂直なベクトルを加え続ける」ということは、運動方向に垂直な力を加えるということです。

この定理は、物理の問題で出題されます。

 この定理の1つの観点は、遠心力です。遠心力は高校物理で教わります。
 この定理のもう1つの観点はコリオリの力です。コリオリの力は高校物理で教えません。しかし、遠心力の背後にこの定理がある事を知ってもらいたいので物理の問題で出題されることがあります。

 コリオリの力の計算は間違えやすい問題ですコリオリの力を計算する例として、以下問題を解きます

【問題】
 上図のように、角速度ωで回転するパイプの中で、圧縮空気で質量Mの物体を加速して、そのパイプの回転の中心点の位置を速度vで通過させます。物体はパイプの内径とほぼ同じ太さの弾丸とします。また、パイプの内壁面には摩擦が無いものとします。そのとき、物体Mが、回転の中心点の位置にある際に、パイプの内壁面から受ける力Fを計算しなさい。

【解答】
 上図のように、物体Mは摩擦の無い壁面からは、その壁面に垂直な方向にしか力が加わりません。
(また、上図で注意する点は、パイプの中を進む物体の速度ベクトルは、回転の中止から遠ざかる方向の成分のほかに、それに垂直な方向に、回転するパイプの各位置が進む回転の速度と同じ大きさの速度の成分を持つことです)


(回転座標系で観察しても、速度ベクトルに垂直な壁からの力の方向は静止座標系の場合と同じ方向を向きます)
 回転座標系で物体の面に垂直方向に加わる力は、静止座標系でも同じ方向に同じ力が加わります。ただし、速度については、回転座標系で観察すると、静止座標系とは速度が異なります。
 回転座標系で見る場合は、壁面に垂直方向に力が加わるということは、物体Mに、速度ベクトルに垂直方向に力が加わることです。それにより、物体の速度ベクトルの方向が変わり得ますが、パイプの中を進む限り、回転座標系で観察する場合は、速度ベクトルの方向は変わりません。この現象を解釈すると、別のところから物体の速度ベクトルの方向を変えようとする力(コリオリの力)が物体Mに加わっていて、その力を壁面から垂直方向に加えた力が打ち消していると解釈できます。

(物体の速度ベクトルに垂直方向に力が加わる場合に速度の大きさが変わらない理由)
 速度ベクトルに垂直方向に力を加えて、微少時間dsあたりに速度ベクトルvの方向が微少な角度ω・ds=θのオーダーで変わる場合に、速度ベクトルの変化量は、多くてもθ程度の微少量しか変わりません。
 微少な角度θを小さくし、その影響を1/θ倍すれば、速度ベクトルの方向の変化は微小でなくなります。しかし、その場合でも、速度ベクトルの大きさはθ程度の微少量しか変わり得ません。
 そのため、結局、角度θを微少にした極限で考えると、速度ベクトルの大きさは変わらないことがわかります。

(回転の中心部分において速度ベクトルの方向を変える力の計算)
 速度ベクトルは、
(1)回転によるパイプの方向転換による速度の変化と、
(2)物体が運動して回転中心から離れた位置に移動することにより、回転座標系の座標点の回転速度が加わることによる速度の変化、
とで、速度が変わります。


 それにより速度が変わる物体の加速度は、2vωです。
そのため、力F=2Mvωが、速度ベクトルvに垂直方向に加わります。
 こうして、物体Mが、壁面から、その進行方向に垂直な方向の力(2Mvω)を受けて、速度ベクトルの方向を変え続けます。
 その力Fは、上式のように2Mvωで与えられ、速度ベクトルの方向を変化させ続けます。

 なお、回転の中心点の近くでは、物体Mは、回転の中心に向かう方向に対して垂直な方向の速度の成分が0ですので、遠心力は働きません。

(物体を更に加速する力はどこから来るか)
 物体Mは、パイプの中を運動しながら、パイプの中心のまわりに回転させられますから、回転座標系で観察すると、遠心力が加わり、速度を増します。
 この現象を静止座標系で観察すると、物体Mは、パイプの軸方向とは異なる方向の速度ベクトルを持っています。その速度ベクトルに対して、パイプの軸に垂直方向に力を加えます。その加えた力は速度ベクトルに垂直では無いので、速度ベクトルを大きくし、物体が加速します。

(コリオリの力)
 ここで、コリオリの力を説明します。パイプ及び物体Mと一緒に回転する観察者から見ると、物体Mはパイプの中で、パイプの方向に向けて真っ直ぐに運動させたのに、その物体Mがその真っ直ぐな軌道からずれようとするので、パイプ中を真っ直ぐに進ませるためには、絶えずパイプの壁面から力を加えてやらなければならないのです。
 これは、物体Mに真っ直ぐな方向から外れさせる力(コリオリの力)が働いている、と解釈できます。

 なお、コリオリの力と遠心力は、物体の運動速度の方向に垂直な方向に(みかけ上)加わる力の、別のあらわれです。
 遠心力は、回転座標系で観察すると静止して見える物体に加わるみかけ上の力です。
 コリオリの力は、回転座標系で観察すると運動しているように見える物体に、遠心力以外に加わるみかけ上の力です。
コリオリの力は、運動方向に垂直な方向に加わるみかけの力で、それは、速度と回転の角速度に比例する、遠心力の2倍の大きさで、また、どの方向の運動に対しても同じ大きさの力が加わります。

(遠心力の大きさの式のMvωにおける記号vは、回転中心のまわりを回転して(遠心力を求める)所定の物体が静止しているように見える回転座標系の、座標点の回転速度。コリオリの力の大きさの式の2Mvωにおける記号vは、座標点ではなく、その回転座標系で見て、運動しているように見える物体の運動速度です。)

 静止座標系で同じ大きさの速度でも、速度の方向が異なれば、回転座標系で観察すれば、速度の大きさが異なって見えます。
 例えば、回転座標系の座標点の回転速度と同じ速度で進む物体は、回転座標系では、静止していると観察されます。
 また、静止座標系では静止している物体は、回転座標系では、回転座標系のその物体の位置の座標点の回転速度と逆方向にその回転速度で運動する物体であると観察されます。そして、その物体には、遠心力と、その(みかけの)速度に応じたコリオリの力が働き、コリオリの力が遠心力の2倍で遠心力と逆な方向に加わるので、その合計は求心力になります。
 回転座標系で、座標点の回転速度と逆方向にその回転速度で運動する物体には、回転中心に向かう(みかけの)向心力が働くように見えるので、その物体(静止座標系で静止している物体)は、回転座標系では、絶えず運動速度の方向を変えて、回転座標系の回転の中心を中心とする等速円運動をします。

 コリオリの力と遠心力を加えて考えれば、回転座標系でも、静止座標系と同じように、力と運動の関係を考えられるようになります。コリオリの力まで考えることで、回転座標系の力と運動の関係が矛盾なく完全に理解できるようになります。

【リンク】
「高校物理の目次」



2013年01月28日(Mon)▲ページの先頭へ
高校物理:球の頂上からすべり下りる問題
「高校物理の発想の基本」
「運動ベクトルに、そのベクトルの方向に垂直なベクトルを加え続けると、
運動ベクトルの方向が変わるが、運動ベクトルの大きさは変わらない」という定理があります。

この定理は、「遠心力の法則」とも呼ばれています。

そして「運動ベクトルの方向に垂直なベクトルを加え続ける」ということは、運動方向に垂直な力を加えるということです。

この定理は、物理の問題で活躍します。

この定理を証明するのは簡単ではありませんので、
この定理を使う必要がある問題が出たら、この定理を使う問題だと悟って、
遠心力の定理を使えるようになってください。

遠心力の定理を適用しないでその問題を解こうとすると、結局は遠心力の定理の証明をする作業が必要になって、多くの時間を使うことになってしまいますから、、、

 この定理の練習問題を以下に示します。

【問題】
 上図のように、質量Mの物体を、半径がrで摩擦力が0の球面の頂上A点の近くから下にすべり落とす場合を考えます。
 その際に、その質量Mの物体が球面に接する位置と球の中心を結ぶ線が鉛直線から角度θを成す位置まで下りて来た位置で球面から受ける抗力の大きさ f を計算しなさい。

【解答】
 この物体Mに加わる力の総和の力(E)を計算します。
その力Eは、球の中心を向く成分Eを持つはずです。
 なぜなら、物体Mは球面に沿って運動しますので、球面の位置によって、球面に平行な運動の方向が異なるからです。
そのように運動方向が異なるのは、球面の中心に向かって物体を引っ張る遠心力(の逆の力:糸の張力等)が働くから運動方向が変わるのです。

 運動の方向が球面に沿って変わる問題ですので、この問題は遠心力の問題です。
くれぐれも、遠心力の公式を使い忘れることのないように注意して、この問題を解きます。

遠心力Eは、遠心力の法則で、上図の式のように、物体Mの速度と球の半径rとであらわせます。
一方、その遠心力は、物体Mの引力の、球の中心に向かう成分(cosθ)から、球面から物体を押す抗力fを引き算した力でもあります。

 これらから、球面から物体を押す抗力fが、遠心力と、物体Mの引力の球の中心に向かう成分(cosθ)であらわせました。
 この力を以下の式のように変形します。
物体の運動エネルギーが高さhの位置エネルギーであらわせることを利用して式を変形します。

こうして、上式で、求める抗力fが角度θの関数であらわせました。

 なお、この抗力fが0になる位置で、物体Mは球から離れて、そのまま空中を落下します。

【リンク】
「高校物理の目次」



2013年01月27日(Sun)▲ページの先頭へ
高校物理:曲面で曲げたひもの張力はどこでも同じ
「高校物理の発想の基本」
「ベクトルに、常にそのベクトルの方向に垂直な微少ベクトルを加え続けて積分すると、
ベクトルの方向が変わるが、ベクトルの大きさは変わらない」という定理があります。

 その定理の結果、ひもを押し当てる曲面がひもに摩擦力を加えないならば、
その曲面の形がどのような場合でも、その曲面で曲げられるひもは、どの部分でも張力が同じ値になります。

 この定理の証明は簡単ではありませんが、試験問題を解く場合の前提知識として知っておいた方が良いと思います。
 そのため、この定理を以下で導出します。


 例えば上図のように、ひもの左側の張力がFである場合に、このひもが曲面で角度2θだけ曲げられる場合を考える。

 このひもには、曲面からひもの張力の方向に垂直な方向に加わる抗力F、F、Fが加えられるものとします。この力は無限に細かく分解して各細部に加わりますが、無限に細かくするのが大変なので、力を3つだけに分解して図に示しました。

 そうすると、ひもが張力で左側に引っ張られる力F(力の絶対値をfとする)と、右側に引っ張られる力F(力の絶対値をfとする)と、曲面からひもに加わる力とが釣り合う条件が式1であらわせます。
 この式1で、曲面からひもに加わる力は、3つに分解して考えますが、そのように3つに分解した各力の絶対値はfで値が等しいものとします。ただし、その3つの力の方向は、場所により微妙に異なります。
 この各力は、以下の式であらわせます。

 この各力の式を式1に代入して以下のように計算すると式2が得られます。そして、その式2から式3と式4が得られます。

 この式4を以下のように変形すると式5が得られます。その式5を式3に代入して計算すると、以下の式6が得られます。

 この式6から、以下の式7のように、ひもの右側の張力Fが左側の張力Fと同じ大きさであるという結論が得られます。
 これで、定理が導かれました。

 なお、この式7を式5に代入すれば、曲面からひもの張力の方向に垂直な方向に加わる抗力F、F、Fの大きさをあらわす式8が得られます。

(補足)
 上の計算で、曲面からひもに加わる3つの力の絶対値がどれも等しい大きさfであると(物理問題研究者の都合で)仮定しました。そのように、わからない量については、とりあえず値を仮定してしまい、1つの結論が得られたら、その仮定が無くても同じ結論が得られるか調べていくのが、物理研究のやりかたです。この例の場合では、この3つの力の中央の力の大きさだけが残りの2つの力と大きさが異なるものとして計算しても、やはり、ひもの右側の張力Fが左側の張力Fと同じ大きさであるという結論が得られます。

(補足2)
 上の図を、θが十分小さい角度の場合とし、その場合を1/θ倍連続して行なうことで方向を変える場合を考えます。
 そして、θが十分小さい角度の1つの場合の、曲面からひもに加わる抗力のFとFの大きさがθの割合で異り、それを1/θ倍連続して行なうことで、曲面からひもに加わる力の大きさが場所によって異なる場合を考えます。
 その場合は、1つの図の場合で、fとfはθ程度の割合で異なります(このことを導出する説明は省略します)。しかし、それを1/θ倍連続して行なっても、ひもの左端の張力fと、1/θ個目の図のひもの右端の張力fとは、θ/θ=θ程度の微少量の割合でしか異なりません。
そのため、θを充分小さくした極限では、ひもの左端の張力fと、1/θ個目の図のひもの右端の張力fとは同じ値になります。


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高校物理:単位の積が合っていることをいつも確認する
「高校物理の発想の基本」
式の各項毎の単位の積が全ての項で合っていることをいつも確認する

例えば上の問題の式を考える。この式で、gは重力加速度です。

 この問題の式は、質量mの玉の位置エネルギーと運動エネルギーの和がいつも一定という、エネルギー保存の法則をあらわしています。

(重要な注意。ここで、この玉は、回転しないで滑って進む場合は、上の式で正しいのですが、回転する玉の場合は、回転の運動エネルギーも合わせたエネルギーの保存の法則の式を用いなければなりません。回転運動のエネルギーの計算は大学で教わる範囲ですので、高校レベルでは解けません。玉が滑らない場合の回転の運動エネルギーは並進運動の運動エネルギーの40%ありますので、その補正が必要です。)

 物理で式を使って問題を考えるときは、
式の各項の単位の積が、全ての項で合っていることを、いつも確認します。

 式1の問題を易しくするために、上図の式2と式3のように、式を単位の積にして考える。
 そのように、いつも、式の一番易しい観点の単位の積を確認する。自分は、単位の積を合わせるように式を変形していくだけで良いのだと心をおおらかにする。

(問題を、いつも、一番やさしい観点から一貫して観察する(この例では、単位の積を式の計算と同時に確認する)のが、物理を研究する大切なポイントです)

 このように式1を単位の積に簡単化すると、位置エネルギーの式2の単位の積と、運動エネルギーの式3の単位の積が一致しているので、式1のエネルギー保存の式が正しいことがわかります。


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2013年01月26日(Sat)▲ページの先頭へ
高校物理:問題を、分かりやすい問題に変換する
「高校物理の発想の基本」
問題を、分かりやすい問題に変換する

例えば上の問題を変換する例を考える。

この問題は、壁にあいた穴にひもを通して、壁の外から引っ張る問題です。

この問題と下の問題を同じ問題であると発想する。

更に、この問題と下の問題を同じ問題であると発想する。

ひもに壁からの摩擦が無いと仮定して問題を易しくする。そのために、上図のようひもを滑りやすくする滑車を壁の頂上に設置して考える。そのように自分に都合の良い仮定を加えて問題をやさしく変えてしまっても良いのだと心をおおらかにする。
(問題をやさしい問題に変えてしまうのが、物理を研究する大切なポイントです)

次に、上図のように、壁の頂上でひもと接する滑車だけを考え、壁の存在は無視する。
そうすると、問題は、滑車とひもの問題に簡単化される。
このように問題を簡単化すると、各部分の紐の張力Fが、式1のように、どこでも大きさが同じであることがわかる。


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カレンダ
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